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あなたがたに平和があるように

あなたがたに平和があるように
(ヨハネによる福音書20章19節)
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『ペトルーニャに祝福を』(映画メモ)

『ペトルーニャに祝福を』(2019年、テオナ・ストゥルガル・ミテフスカ監督)

舞台は東欧の北マケドニア。

ペトルーニャ(ゾリツァ・ヌシェバ)は、大学を出たものの定職につかないまま32歳になったポッチャリ系の女子(実家暮らし)。

ある日、女人禁制のキリスト教のお祭りに参加したペトルーニャが(川に飛び込んで、十字架を探す祭り)、アタリの十字架をとってしまったことから、地域社会が大騒ぎになる。

警察署に連れていかれたペトルーニャが、署長、神父、両親、テレビレポーター、若い警官と織りなす心理劇が見ものである。

ちなみに、ペトルーニャ役のゾリツァ・ヌシェバの迫力が半端ない。

一見して悲惨な経験から、新たな道が開けることがあるが、本作を観て、そうした「人生の妙」を感じた。
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主は天から目を注ぎ、人の子らを残らずご覧になる

主は天から目を注ぎ、人の子らを残らずご覧になる
(詩編33章13節)
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『一の糸』(読書メモ)

有吉佐和子『一の糸』河出文庫

やっぱり有吉佐和子はすごい、と思わせる作品である。

酒問屋のお嬢さん茜は17歳。文楽における三味線の名手である露沢清太郎(後の徳兵衛)に恋するものの、家庭を持っていたため断念。その後、37歳まで独身を通した茜が、ひょんなことから徳兵衛の後添えとなり、彼の子供たちと芸を支えるという物語。

ちなみに「一の糸」とは、三本ある三味線の中で低音を奏でる太い糸のこと。

お嬢様育ちのわがままで明るい茜が、無口で芸一筋の徳兵衛を支えるのだけれども、正反対の性格だからこそ良かったのかもしれないと思った。

もう一つ大事な要素は、茜のお母さん世喜のサポート

茜の父が死に、酒問屋がつぶれてしまった後、宿屋を経営して生活を支え、子育てで悩む茜にアドバイスする世喜。

そして、圧巻はラストシーン。

真の芸へと脱皮する徳兵衛の演奏場面は深い。

競争心を超えて、芸(仕事)そのものに没頭することの大切さが伝わってきた。



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まことにあなただけが人の心をご存じです

まことにあなただけが人の心をご存じです
(歴代誌下6章30節)
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『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』(映画メモ)

『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』(2014年、スチュアート・マードック監督)

とても洗練された音楽映画である。

スコットランドのグラスゴーにある精神病院から脱走したイヴ(エミリー・ブラウニング)は、街のライブ会場でアマチュア・ギタリストのジェームズ(オリー・アレクサンダー)と出会う。

一度は連れ戻されたイヴだが、再び脱走し、ジェームズのアパートに住むことに。ジェームスと、その友達のキャシー(ハンナ・マリー)といっしょにバンドを組み、音楽活動を開始するという物語

イヴ、ジェームズ、キャシーは、みなちょっと変人で、その取り合わせが絶妙である。

全編にわたってイヴが歌いながらストーリーが進むのだけれども、歌声と歌詞が心に響く

人によって方法は違うかもしれないが、「自分を表現する」ことの楽しさが伝わってきた。



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すべてのものは、神から出て、神によって保たれ、神に向かっているのです

すべてのものは、神から出て、神によって保たれ、神に向かっているのです
(ローマの信徒への手紙11章36節)

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『ジョン・デューイ:民主主義と教育の哲学』(読書メモ)

上野正道『ジョン・デューイ:民主主義と教育の哲学』岩波新書

経験に基づく学習の大切さを唱えたジョン・デューイの評伝である。

哲学的な背景が説明されているので、彼の主張がよくわかった。

デューイは、「個人と環境の相互作用」を経験と捉えているが、これは弁証法を唱えるヘーゲル哲学の影響であるという。

彼が影響を受けたもう一つの思想は、「私たちはどのように生きるのか」を問うた(エマソンやソローらによる)「超絶主義」である。

「デューイにとって、「生きること」を問うことは、「教育すること」を問うことであり、それは「成長することのプロセス」を問うことを意味している。デューイによれば、生命あるものは、絶えず自己を更新しようとする。そのなかで、人間は、コミュニティにおいて、他者と経験を分ちあい、自己と社会を存続させて生きようとする」(p. 96)

生きること、教育すること、成長することがつながっているのだ。

教育と経験について、デューイは次のように述べているという。

「教育とは、経験の意味を増加させ、その後の経験の進路を方向づける力を増大させるように経験を再構成ないし再組織することである」(p. 102)

つまり、教育とは、「生きる力」としての「経験から学ぶ力」を身につけさせることであるといえる。

本書を読み、改めて、デューイのダイナミックな考え方に感銘を受けた。
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