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『経済学・哲学草稿』(読書メモ)

マルクス(長谷川宏訳)『経済学・哲学草稿』光文社古典新訳文庫

マルクスが26歳のときに書いたとされる原稿。

タイトルに「草稿」とあるように、ノートのようなもの。それだけに、若き日のマルクスの息遣いが聞こえてくるようだった。

驚いたのは、マルクスは、先人の研究をかなり読み込んでいて、その上に自身の理論を打ち立てようとしていること。

学術論文を書くときには、まず「先行研究レビュー」(これまでどのような研究が行われてきたのかをしっかり記述すること)が欠かせないが、マルクスもその手続きを踏んでいる。

てっきりマルクスは、オリジナルの理論をパッと示したのかと思いきや、地味な作業をしていたことが意外だった。

もう一つ印象に残ったのは、タイトルにあるように、「経済学」を学ぶ上で、その土台として「哲学(ヘーゲル哲学)」を学んでいた点。

ヘーゲル哲学についての記述はちんぷんかんぷんだったが、マルクスの研究姿勢に感銘を受けた。

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主に従う人はとこしえに揺らぐことがない

主に従う人はとこしえに揺らぐことがない
(詩編112章6節)

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『愛の調べ』(映画メモ)

『愛の調べ』(1947年、クラレンス・ブラウン監督)

シューマン夫妻の愛を描いた映画。

夫が亡くなった後も、純愛を貫くベタなストーリーなのだが、感動してしまった。

人気ピアニストのクララ(キャサリーン・ヘップバーン)は、音楽教師の父親の反対を押し切り、父親の弟子であるシューマン(ポール・ヘンリード)と結婚する。

ちなみに、シューマンが作曲した「トロイメライ」が美しすぎる。

その後、若きブラームス(ロバート・ウォーカー)がシューマンに弟子入りし、クララに恋心を寄せる中、徐々にシューマンが心の病に侵されるようになったころから、状況が複雑に・・・

シューマンが死んだ後も、「彼を愛し続けているの。彼を感じるの」というクララの言葉にグッときた。

ちょっときれいすぎるストーリーなのだが、「そうあってほしい」と思われる映画である。
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人にしてもらいたいと思うことを、人にもしなさい

人にしてもらいたいと思うことを、人にもしなさい
(ルカによる福音書6章31節)
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『ヨーロッパ文化と日本文化』(読書メモ)

ルイス・フロイト(岡田章雄訳注)『ヨーロッパ文化と日本文化』岩波文庫

1563年に、イエズス会宣教師として来日し、1597年に長崎で亡くなるまで、日本で布教したルイス・フロイトの手記。

われわれの間では~だが、日本では~である」というメモ的な記述なのでちょっと退屈だが、当時の日本の状況を理解することができた。

「ヨーロッパでは未婚の女性の最高の栄誉と貴さは、貞操であり、またその純潔が犯されない貞潔さである。日本の女性は処女の純潔を少しも重んじない。それを欠いても、名誉を失わなければ、結婚もできる」(p. 39)

えっ!この時代に?」と思ったが、訳注を書いている岡田先生によれば「この時代には処女の純潔や貞操を重んずる観念は薄かった」らしい(p. 3)。

意外である。

「われわれの間では普通鞭で打って息子を懲罰する。日本ではそういうことは滅多におこなわれない。ただ[言葉?]によって譴責するだけである」(p. 64)

これも意外だった。

「われわれはすべてのものを手をつかって食べる。日本人は男も女も、子供の時から日本の棒を用いて食べる」(p. 92)

これには驚いた。

岡田先生によると「ヨーロッパの場合、食卓でフォークを用いる慣習は十七世紀になってから始まったもので、それまでは手づかみであった」(p. 92)

「われわれの間では誰も自分の欲する以上に酒を飲まず、人からしつこくすすめられることもない。日本では非常にしつこくすすめ合うので、あるものは嘔吐し、また他の者は酔払う」(p. 99)

ふーむ。このころからイッキ文化があったのか。

「われわれの間では財産を失い、また家を焼くことに、大きな悲しみを表わす。日本人はこれらすべてのことに、表面はきわめて軽く過ごす」(p. 177)

これは今も指摘されていることであるが、岡田先生いわく「わが国は地震などの災害が多いために、そうした国民性が培われたとも考えられる」(p. 177)

ということで、日本文化を理解する上で、貴重な本であった。

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たとえ闇の中に座っていても 主こそわが光

たとえ闇の中に座っていても 主こそわが光
(ミカ書7章8節)
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『燃えよドラゴン』(映画メモ)

『燃えよドラゴン』(1973年、ロバート・クローズ監督)

本作を観た後、『ドラゴン危機一髪』『ドラゴンへの道』も観たが、やはり『燃えよドラゴン』が一番よかった。

なぜなら、ブルース・リーの表情や動きが芸術的だから。

他の俳優にはない、独特のオーラがある。

武術トーナメントに参加したリー(ブルース・リー)、主催者である悪役ハン(シー・キエン)を倒すというシンプルなストーリー

『ドラゴン危機一髪』『ドラゴンへの道』で見せたコミカルな演技がなく、終始真剣だったのも、ブルース・リーの芸術性を高めている。

ちなみに、有名なセリフ「考えるな 感じろ (Don't think. Feel)」は、どうでもよい場面のセリフだったので少しがっかりした。

しかし、実質的に1971年から1973年までの数本の映画しか出演していないにもかかわらず、50年以上もインパクトをもたらし続けている、という点が凄い。
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神はわたしたち一人一人から遠く離れてはおられません

神はわたしたち一人一人から遠く離れてはおられません
(使徒言行録17章27節)
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『ランチ酒』(読書メモ)

原田ひ香『ランチ酒』祥伝社文庫

タイトルに惹かれて本書を読み、その後、『ランチ酒:おかわり日和』『古本食堂』『ミチルさん、今日も上機嫌』と、原田ひ香モノにハマってしまったが、やはり『ランチ酒』が一番面白かった。

アラサーのバツイチである犬森祥子の仕事は「見守り屋」。さまざまな事情を抱えた人々の夜を見守るという不思議なおしごと(本人も事情を抱えている)。

見守りの終の楽しみが「ランチ酒(ランチを食べながら酒を飲む)」なのだ。

複雑な人生を歩むクライアントに寄り添う祥子だが、そのストレスをランチ酒で吹き飛ばすところが良かった。

事情が事情だけに、その後のランチ酒で「クハー」となる感じが伝わってくる。

さすがにランチ酒はしたことがないが、一度やってみたい、と思った。

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