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神はわたしに慈しみ深く、先立って進まれます

神はわたしに慈しみ深く、先立って進まれます
(詩編59章11節)

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『プラグマティズム』(読書メモ)

W. ジェイムズ(桝田啓三郎訳)『プラグマティズム』岩波文庫

ジェイムズによれば、哲学は「経験論」と「合理論」に分けることができる。

「『経験論者』とはありのままの雑多な事実を愛好する人を意味し、『合理論者』とは抽象的な永遠の原理に偏執する人を意味する」(p. 17)

もう少し詳しく言うと、経験論は「科学的、帰納的、唯物論的、実証的、多元論的」であり、合理論は「宗教的、演繹的、精神的、観念論的、一元論的」である。

プラグマティズムとは、この2つの考え方の橋渡し、調和させる「方法」であり、「主義」ではない。

では、どんな方法なのか?

それは、「その考え方が有用であるかどうか」という基準で、経験論と合理論を使い分けるという方法である。

アメリカ資本主義的なものの考え方であるらしい(本書表紙)。

「プラグマティックな原理に立つとき、われわれは生活に有用な帰結が流れ出てくる仮説ならばいかなる仮説でもこれを排斥することはできない」(p. 271)

ただし、ジェイムズが経験論者であるため、本書では「合理論」がメタメタに攻撃されていて、せっかくのプラグマティズムの考え方が歪められている。つまり、「プラグマティズム=経験論」という印象を受けてしまうのだ。

しかし、本書を読み、哲学が「経験論」と「合理論」に大別できることがわかったのは収穫だった。

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いのちに至る門は小さく、その道は狭く、それを見いだすものはまれです

いのちに至る門は小さく、その道は狭く、それを見いだすものはまれです
(マタイの福音書7章14節)
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『シンデレラマン』(映画メモ)

『シンデレラマン』(2005年、ロン・ハワード監督)

これは沁みる映画である(実話)。

舞台は大恐慌のアメリカ。ヘビー級の実力派ボクサーであるジム・ブラドック(ラッセル・クロウ)は、期待されながらも、怪我の影響もあり引退同然状態になる。

しかし、不景気のせいで仕事もなく、電気も止められ、奥さんと三人の子供との生活はどん底である。

そんなとき、ドタキャンした選手の代わりに出た試合で相手をノックアウト。次の試合も決まったものの、相手は殺人パンチを持つ世界チャンピオン(実際に、試合で二人殺している)。

心配する奥さん(レニー・ゼルウィガー)は止めるが、ブラドックは試合を受ける。

まだ戦う力はあるんだ。リングでの苦しみなら耐えられる

このあたりのシーンにグッときた。名優ラッセル・クロウはもちろんのこと、奥さん役のレニー・ゼルウィガーの演技が光る(こんなに上手かったんだ)。

ここまで劇的ではなくとも、人生にはチャンスが到来する瞬間がある。

それをものにすることが大事である、ということが伝わってきた。


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あなたの鞭、あなたの杖 それがわたしを力づける

あなたの鞭、あなたの杖 それがわたしを力づける
(詩編23章4節)

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『マルクス:生を吞み込む資本主義』(読書メモ)

白井聡『マルクス:生を吞み込む資本主義』講談社現代新書

『共産党宣言』は面白かったが、『資本論』を読む根性はないので、本書を買ってみた。

一番印象に残ったは、「資本とは価値増殖の無限運動である」(p.102)という点。

つまり、「資本主義社会は生産力を不断に増大させることを運命づけられた社会なのだ」(p. 28)

著者の白井先生いわく「人間社会から生まれたにもかかわらず、人間の意図や欲望とは別のロジックで作用し、したがって人間の手に負えないものとなる、それが資本である」(p. 97)

マルクスが言うように、人間は「自分が呼び出した地下の悪魔をもう使いこなせなくなった魔法使い」(『共産党宣言』p. 50)状態である。

本書の後半では、「包摂(subsumption)」という概念が説明されるのだが、これが怖い。

賃金労働者は、職場において生産性向上を目指す絶えざる競争に巻き込まれる(包摂される)だけでなく、職場外においても、より便利で快適な生活を目指す消費活動に駆り立てられており(包摂されており)、それは資本主義社会の構造によるものなのだ。

一見、職場において働き甲斐を感じ、稼いだお金でいろいろなものを買って幸せに暮らしてしているつもりでいても、実は、資本主義という仕組みに踊らされているといえる。

研究の世界においても、学術雑誌の影響力指標である「インパクトファクター」や「引用数」といった数値によって論文が商品化されていて、それを巡る競争が世界中で展開されているので、おもいっきり資本主義によって包摂されている

ただ、「包摂されている」ことに気づいているかいないかは大きな差である。

資本主義による競争を無視して働くことは難しいけれども、その仕組みを知り「巻き込まれすぎない」ことは大事だと思った。

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体の中でほかよりも弱く見える部分が、かえって必要なのです

体の中でほかよりも弱く見える部分が、かえって必要なのです
(コリントの信徒への手紙Ⅰ 12章22節)

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『素晴らしき、きのこの世界』(映画メモ)

『素晴らしき、きのこの世界』(2019年、ルイ・シュワルツバーグ監督)

これはすごい映画(ドキュメンタリー番組)である。なぜなら、モノの見方が変わるから。

すべての植物・動物を菌類ネットワークが支えていることがわかる。

ジョンズ・ホプキンス大学の研究によると、キノコの幻覚成分は、神秘経験をもたらし、うつ病の改善や、がん患者の不安軽減に役立つという。この薬(シロシビン)を飲むと、どうなるのか?

壮大なネットワークの一部だという感覚がある。自然界の原子とのつながりをしっかり感じられるんだ」

「とてつもなく大きな力を感じたよ。無限の宇宙空間にいるかのようだった」

詳しいメカニズムはわかっていないようだが、菌類やキノコが持つ性質が影響していそうだ。

(ただし、ウェブサイトを見ると、かなり危険な薬物であり、一般人は手を出さない方がよさそうである。https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/anzen/kenkou_anzen/stop/mash.html)

菌類やキノコのあり方が、私たち人間のあり方を教えてくれる。

私たちは独りではない
分子の巨大なネットワークエネルギー、波長なんだ
互いに関わりあう存在、それが私たちだ


この映画を観て、つながりの大切さを感じた。










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