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極限の訓練

勝負脳」でおなじみの林成之氏(日本大学大学院総合科学研究科教授)は、北京五輪の競泳チームに次のようなアドバイスをしたという。

1)弱点克服法
金メダルをとるために自分の弱点を克服する方法を考えてください。

2)指導者への興味
監督やコーチは神様が遣わした人だと思ってください。それで本気で勝負の知能が働くのです。

3.極限の訓練
「極限の訓練」をしてください。長時間の練習ではなく、一瞬一瞬に全力をつぎ込むことで、真の力を発揮できます。ただし、愚痴を言いながら否定的な気持ちでやっていると意味がありません。

まず、やるべきことを明確にした上で、指導者を信頼し、楽しみながら、集中力を高めて練習をする、ということだろう。スポーツに限らず、ビジネスにおいても通用する考え方である。

この中でも「極限の訓練」という概念が大事だと思う。仕事をしていると、集中力が高まり「仕事の中にのめり込む瞬間」がある。この瞬間をいかに多くするかが、仕事のクオリティを高める上で鍵になると思った。

出所:日経ビジネス2009.1.26, p64.
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最終発表会(2)

昨日の経営学原理Ⅱは、最終発表会の第2弾だった。

「食堂の混雑解消」「売れる購買品揃え」という課題に取り組んだ12チームが発表した。先週の発表から学んでいたのだろう。プレゼンのレベルが高かった。

学生による採点結果は次の通り。

1位 3Bチーム(お弁当のテスト販売)
2位 3Eチーム(パンの売上拡大策)
3位 1Dチーム(プリペイドカード利用促進による混雑解消)

ほぼ7割のチームが自分達の提案を店舗で「実験」していてたので、とても説得力があった。

発表を聞いていると、「アイデア」→「生協からのコメント」→「実験」「データ収集」→「提案の修正・具体化」というサイクルをグルグルと回していることが良くわかる。いわゆる「提案の練り」がしっかり出来ていた。

また、同じテーマであっても、チーム毎にオリジナリティがあったのは、各チームが真剣に取り組んだ証拠だろう。

来週は最後の授業。

生協側から「こんな改善をして、こんな成果が出ました。これから、こんなことをしたいと思います」というプレゼンをしてもらった後で、この半年間の授業を振り返える予定である。
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意識改革

トヨタ生産方式に基づく製造現場の改善コンサルタントとして有名な山田日登志氏によれば、工場や現場の改革を行うときのポイントは、変革に反対する抵抗勢力を味方につけることだという。

そのために大事なのがトレーナー訓練

工場長や班長など現場の幹部が改善活動に協力してくれるように、事前に教育しておくわけだ。工場にトレーナーが増えると、生産現場でのあいさつが増え、動作が機敏になり、改善のスピードが加速するらしい。

その研修の中に「モラール訓練」と呼ばれるものがある。「今日こそ、おれはやるぞ」「やってみてから考えろ」と大声を張り上げながら拳を突き上げる訓練である。これを河川敷などで一日4-5時間、二日間やるという。山田氏は次のように述べている。

「異様な光景に初めて見た人は皆びっくりするが、やる前とやった後では全然違う。これぐらいやらないと古い常識にとらわれた人間は変わろうという気持ちにならない。頭でわかったつもりでも実際に行動できない人がたくさんいる。」

僕も一度テレビの特集で見たことがあるが「なんだこれは?」と思った。しかし、山田氏の説明を聞いてみると、この訓練は心理学の分野における「行動療法」の原理にのっとったものであることに気づいた。

人間は、「考えて→行動する」と同時に、「行動して→考える」動物でもある。自分が行動した内容を見て「自分はこう思っている」「自分はこう考えている」と気づくわけだ。意識を変えるときには、考えさせるよりも、まず「実行してもらう」ことの方が有効である。

ただ、一歩間違えると「洗脳」に近くなってしまうので注意が必要だと思った。

出所:日経産業新聞2008.9.9(「工場再生請負人」と呼ばれて⑨)
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脱出の道も備えてくださいます

『神は真実な方ですから、あなたがたを耐えることのできないような試練に会わせるようなことはなさいません。むしろ、耐えることのできるように、試練とともに脱出の道も備えてくださいます。
(コリント人への手紙Ⅰ、10章13節)
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自分の手が届く目標

今年の箱根駅伝で総合2位となった早稲田大学駅伝チーム。長年低迷していたチームを引き上げたのは、5年前に監督に就任した渡辺康幸氏だ。

就任当初、渡辺氏は次のように感じたという。

「掲げる目標が高すぎて、言葉に重みが感じられない。「負け癖集団」というか、「これでは勝てないな」という思いを抱いたのをよく覚えています。

この5年間、渡辺氏は何を変えたのか?

「練習量や質は変えていません。実践したのは選手に自分の手が届く目標を定めさせ、それを達成するための環境を整えることです。」

目標設定理論によると、モチベーションを高めるためには、「適度に難しい目標」を設定することが大切になる。目標が高すぎても低すぎてもヤル気は出ない。

渡辺氏がいう「自分の手の届く目標」は、背伸びすれば届きそうな目標、ということだろう。こうした目標を少しずつストレッチしていき、自信をつけさせ、実力をアップさせていったのではないか。

企業においても、非現実的な目標を掲げられると「そんなの無理にきまってるじゃん」となり、ヤル気も失せてしまう。個人や組織の実力にあった目標を持つとき、はじめてコミットすることができる。

指導者にとって、目標のストレッチの仕方は、とても大切なることがわかった。

出所:日経ビジネス2009年1月19日号66ページ
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最終発表会(1)

昨日の経営学原理Ⅱでは、最終発表会の第1弾を実施した。

発表したのは「購買の混雑解消」「書籍売場」「営業時間見直し」「広告宣伝」という4つの課題に取り組んだ11チーム。中間発表のときに比べ、提案とプレゼンの質がグッと向上した。

どのチームも「金額、数値データ、写真、イラスト」などを用いていたため、具体的な提案であった。

なお、プレゼンテーションを聞いている学生は「秀・優・良・可・不可」の5段階で評価し、ベストチームを1チーム選ぶことになっている。集計の結果は次の通りである。

1位 6Aチーム(メルマガ・クーポンの提案)
2位 2Aチーム(混雑解消策とICカード専用レジの提案)
3位 4Aチーム(書籍紹介プロジェクトの提案)

これらのチームに共通していたのは、実際に自分達の案を生協店舗で実験し、その結果を踏まえてプレゼンテーションしていた点。伝え方にも工夫があった。

やはり、アクションし、成果を出したチームのプレゼンは迫力がある。

来週発表するチームは「今回のプレゼンは質が高く刺激になった」「参考にできる内容が多かった」「来週は頑張りたい」という意見を寄せてくれた。

次週の発表が楽しみである。
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医療機関のバランススコアカード

先日、バランススコアカードを研究している管理会計の先生に「病院でもバランススコアカードが導入されつつあるようですが、上手くいっているんですか?」と質問したところ、「あまり上手くいっていないようですね」という答えが返ってきた。

その理由を聞くと、次のとおり。

「病院は非営利組織ですから、民間企業と違って売上や利益の増大という中心的な目標がありません。そうなるとどうしても焦点がぼけてしまいます。」

学習、顧客、従業員、財務という4つの視点から組織活動を評価するのだから、非営利組織でも営利組織でもあまり違いはないのかな、と思っていたが、どうも違うらしい。

なんだかなんだ言っても、財務指標が中心にないとバランススコアカードも機能しにくいのだろう。

ただ、必ずしも「中心が財務」である必要もないような気もする。4つの指標のうち、何かの指標が強烈に重視されていれば良いのではないか。例えば、「うちで最も重視しているのは顧客満足」という組織や、「従業員の成長が第一」と考える組織であれば、バランススコアカードの焦点が明確になる。

一番良くないのは、どれもこれもやろうとして中途半端な形でバランススコアカードを導入するケース、だと思った。
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主を恐れることは知識の初めである

『主を恐れることは知識の初めである』
(箴言1章7節)

全てのものを創造された神様を恐れ敬うことが、知識を得る出発点になる、ということだろうか。
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活動の見える化

省エネ活動による排出ガス削減が急務である。

パナソニック電工の竜野工場では、CO2の年間排出量をこの2年間で6%削減することに成功した。

そのヒミツは「電力の見える化」。

自社製の電力計「エコパワーメータ」650台を工場のいたるところ設置した上でLANでつなぎ、どこの部署でどのくらいの電力が使われているかを把握できるようにした。

総務部の岸田氏は「劇的に意識が変化した。みんなが電力のむだ遣いに敏感になった」と述べている。2008年12末までに2700件の提案が寄せられたという。

省エネに限らず、提案活動が活発化するか否かは、「活動を見える化する業績指標」があるかどうかにかかっている、といえる。

出所:日経産業新聞2008.1.15
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世界一か否か会議

手術用縫合針や眼科手術用ナイフなどの製造販売を手がける「マニー」は、営業利益率が30%を越える高収益企業。そのヒミツは、ニッチ市場に焦点を当て世界一の品質にこだわっていることにある。

面白いのは、同社で年2回開かれる「世界一か否か会議」。

客観的なデータによって、自社製品が競合製品と比べて圧倒的に優れているかどうかを検討する。世界一と認められなかった製品は改良が命じられる。

また、年1回の昇格試験でも、担当する製品を世界一に改良するというテーマでレポートを書くことが義務付けられている。

同社の新製品開発のルールは3つ。

・医療機器である
・ニッチ市場であること
・近い将来に世界1,2位の市場シェアと品質を見込めること

世界一にこだわることは、「自分ならでは」「自分しかできない」世界を見つけることでもある。また、自らをストレッチし、能力を最大限引き出すことにもつながる、と思った。

出所:日経産業新聞2008.1.9
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