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提案よりも関係性

情報システムを導入するときには、現場の納得が欠かせない。

サントリーグループの総合営業窓口である「サントリーコーポレートビジネス(SCB)」は、2004年に営業支援ソフトを導入した。しかし、当初は現場から拒否反応があったという。なぜか?

営業担当者が入力する必須項目が多すぎたためだ。その結果、まじめに入力する社員が減り、システムは十分に機能しなかったという。

その後、現場の声を取り入れて、250項目もあった入力項目数を50項目に削減し、自由記入欄を追加することになった。

削られた項目は「顧客にどんな提案をしたのか」「なぜ提案に至らないのか」に関するもの。一方で、残されたのは「現場の推進約は誰で、最終決定者は誰なのか」「顧客先とはどの程度の関係なのか」といった項目である。

この変更により営業担当は積極的に情報を入力するようになり、価値のある人脈情報を共有できるようになったという。

営業活動は「リレーション(関係)構築活動」と「ソリューション(提案)活動」に大別できるが、SCBの事例は、リレーションがいかに重要であるかを示している。いかに良いアイデアを持っていても、相手がいなければ意味がない。また、提案内容は相手によって変わってくる。

営業に限らず、私たちにとって、人と人との「関係性」は大きな資産である。

出所:日経産業新聞2008.6.18

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