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慈しみは主を畏れる人を超えて大きい

『天が地を超えて高いように、慈しみは主を畏れる人を超えて大きい』
(詩篇103章11節)
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『カブールの燕たち』(読書メモ)

ヤスミナ・カドラ (著), 香川 由利子 (翻訳) 『カブールの燕たち』早川書房

アフガニスタンの首都カブールを舞台に繰り広げられる物語である。タイトルとカバーイラストに惹かれて読んだ。

登場するのは「やる気をなくした夫に不満を抱く美しい妻」と「不治の病に侵された妻に不満を抱き、美しい女性に心を奪われた夫」という二組の夫婦である。

タリバンに支配されたカブールでは、街中で笑うことさえ許されない。希望のない街で、両夫婦は、世間を呪い、伴侶の欠点を責め、不満をいだく。

はじめは、カブールの街を支配する異常さに目が奪われたが、読み進めるにつれ、ここに登場する二組の夫婦は、平和な国に住んでいる私たちの中にもたくさん存在するのではないかと思った。

美しい妻は、アクシデントで自分の夫を死なせてしまった後、夫の良さに気づき、自分の愚かさを悔い改める。一方の夫婦の妻は、夫の恋のために自分を犠牲にし死を選ぶ。

「自分のために妻が死んだら、夫の目も覚める」という結末を予想していたが、そうはならない。妻が亡くなった後も、美しい女性への未練を捨て切れないで破滅していく夫の姿が妙にリアルだった。
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SERVQUAL

火曜日の授業では、サービスクオリティの測定尺度として世界標準になっている「SERVQUAL(サーブクウォル)」という尺度を中心に演習を行った。

SERVQUALは、「有形性」「信頼性」「反応性」「確実性」「共感性」という5つの次元によってサービスの質をとらえようとする尺度である。

有形性は、施設・設備・従業員の外観・外見のクオリティ
信頼性は、約束されたサービスが間違いなく提供されるかどうか
反応性は、サービス提供の迅速さ
確実性は、従業員の礼儀正しさや知識の程度
共感性は、顧客一人一人に関心が向けられているかどうか

を意味する。

サービスマーケティング研究では、この尺度が、ホテル、外食、図書館など、さまざまな分野に応用されている。ただし、対人サービスに重きが置かれすぎている点が欠点といえる。

演習では、自分が気に入っている店を思い浮かべてもらい、その店のサービスの決め手が5つの次元のどれに当てはまるかを考えてもらった。

全グループで話し合った結果を集計したところ、次のようになった。

1位 信頼性、有形性
2位 共感性
3位 反応性、確実性

この結果を見る限り、強いサービス企業になるためには、「顧客が期待するサービスを間違いなく提供し」、「店舗や店員の外見の印象を良くする」ことが大切になる。その上で、「一人一人への配慮」「迅速さ」「知識の豊富さ」を磨くべき、ということだろうか。

期待にこたえた」上で、「見た目」を良くし、そのあと「おもてなし、スピード、知識」という順番になるようだ。

ただし、個人の演習シートを見ると、男女別・業種別でかなりのバラツキがあった。この結果はあくまでも最大公約数的なものである。
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ホットライン

いつも顧客と接している販売店と違い、メーカーの営業部には顧客の生の声や実態が入ってきにくい。ときに、打つ手が現実とズレてしまうこともある。

こうした状況に対処するため、ホンダは、全国2200店舗と本社営業部社員が直接コミュニケーションできる仕組みを取り入れた。

名づけて「ホンダホットライン」。

仕組みはシンプルである。ホンダの日本営業本部には1000名の社員がいるが、この人たちが2~3拠点の販売店を受け持ち、何かあれば電話で情報を集めるというもの。

例えば、新車インサイトの顧客がどのくらいプリウスに流れているか、という懸念があれば、ホットラインを使ってすぐさま販社から情報を集める。

従来、ホンダは、ブロックマネジャーと呼ばれる営業社員を、一都道府県に3人ほど置き、販売店を回らせていた。しかし、情報収集が2段階になると、情報の鮮度もスピードも落ちてしまう。

ホンダホットラインは一見原始的だが、本部が収集できる現場情報の質と量が各段に増える。この情報システムをさらに洗練するためには、

1)本部社員と販売店との関係性を強化する
2)現場の情報収集力を高める
3)収集した情報を解釈する本部の力を高める

ことが必要だと思った。

出所:日経産業新聞2009.5.21
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世が救われるためである

『神が御子を世に遣わされたのは、世をさばくためではなく、御子によって世が救われるためである。』
(ヨハネの福音書3章17節)
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『おもてなしの源流』(読書メモ)

リクルートワークス編集部『おもてなしの源流』英治出版

日本の伝統である旅館、茶道、花街を取材し、サービスの本質である「おもてなし」の源流を探ろうとした本である。

一番こころに残ったのは「用意と卒意」。

相手のニーズを考えて、事前に準備しておくことが「用意」であり、その場の雰囲気に応じてとっさに判断・行動することが「卒意」。他人をおもてなしするとき、この二つは欠かせない。

ちなみに、卒意は、経営学でも「インプロビゼーション(即興)」として重視されている。

これと関係するのが「創造性」の関係。

型は、いろいろなものを切り捨て、本質的なものだけを残した基本。型があってはじめて個人の創造性が働く、という考え方に納得した。

相手のことを考えながら、「型」をベースに「用意」し、その上で「卒意」を働かせ創意工夫をすることが、心からのおもてなしにつながるのだろう。

日本には「人目に触れる外見をきちんとすることによって精神もできていく」という文化があるという。「型は心に至るための手段」という考え方に感銘を受けた。
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マスク

インフルエンザのため、今週の授業は休講になった。

街を歩いていると、ほぼ9割の人がマスクをしている。しかし、1割の人はマスクをしていない。よく考えると、9割の人がマスクをしているので、マスクをしていない人も安全なのかもしれない。

マスクだらけの人々に、はじめは異様な感じがしたが、慣れるものである。

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礼儀のある競争

俳優養成所「無名塾」を主宰する仲代達矢氏の記事を読んだ。

仲代氏によれば、良いパフォーマンスを見せる劇団には「嫉妬」があるという。逆に言えば、競争がない仲良しグループは良い結果が残せない。

しかし、仲代氏は、無名塾の中で「家族」としての雰囲気を重視しているらしい。実力のある後輩が先輩を追い越すこともある劇団の中で「家族」と「競争」という相反するものをどのように融合しているのだろうか?

それは「礼儀」である。

仲代氏いわく「先輩を追い越すことがあるからこそ、礼儀が大切だ」という。

「お先に行かせていただきます。申し訳ありません。失礼させていただきます。そうしたごく当然の礼儀作法が、個人に向けられる嫉妬を和らげる。そして他人に転嫁できなくなった嫉妬心は、自己研鑽への強い動機に変質する。その切磋琢磨のサイクルが強い個人を擁する組織を生み出す。」(p.90)

成果主義が導入された企業においても、部下と上司が逆転することがある。そのとき、職場に「礼儀」がなければ殺伐とした雰囲気になってしまうだろう。

礼儀ある競争が、前向きの競争を生み出すといえるかもしれない。

出所:「無名の若者をプロに鍛える」日経ビジネス2009.5.18, p.88-90.
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神に受け入れられるのです

『神はかたよったことをなさらず、どの国の人であっても、神を恐れかしこみ、正義を行う人なら、神に受け入れられるのです。』
(使徒の働き10章34節)
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『フロイトの弟子と旅する長椅子』(読書メモ)

ダイ・シージエ著『フロイトの弟子と旅する長椅子』早川書房

面白そうなタイトルに惹かれて読んだ。

中国の四川で文化大革命を経験した後、フランスに渡り精神分析医となって帰国した「莫(モー)」が、恋心をよせる政治犯を救うために奮闘する物語である。

著者のダイ・シージエ氏も、四川の大学を卒業した後、パリにわたり映画監督になった人。自身の経験がかなり反映されているような気がする。

専門家としてのプライドを持ちながら、片思いの恋人のために命をかけるが、権力を恐れてびくびくしたり、他人を利用しようとする主人公は、とても人間味がある。

本書を読んで、中国社会を批判しながらも愛している著者の気持ちと、中国の人々のたくましさが伝わってきた。

シージエ氏が監督してヒットしたという映画「小さな中国のお針子」も観てみたい。
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