goo

『魂の錬金術』(読書メモ)

エリック・ホッファー(中本義彦訳)『魂の錬金術』作品社

肉体労働をしながら思索を重ねた「沖仲士の哲学者」として知られるエリック・ホッファー。本書は、彼のアフォリズム(短い文章で物事の真理を表現したもの)集である。

まず、「情熱」に疑問を投げかける。

われわれは現在をごまかすことなくして、情熱的に未来を夢見ることはできない(p. 42)

熱中すればするほど、心は失われていく(p. 107)

では、何が大事なのか?ホッファーは「遊び」の大切さを指摘する。

芸術は実用品の製作よりも古く、遊びは労働よりも古い。人間は必要に迫られてしたことよりも、遊びでしたことによって形作られてきたのだ(p. 133)

そして、人間の「欲」に警鐘を鳴らしている。

われわれは、過去に望んだものを何度でも欲しがるものである。手に入れられないものだけでなく、本当はもう欲しくないものまで欲しがりつづけるのだ(p.191-192)

最も習得がむずかしい算数は、自分の幸福を数えあげることである(p. 198)

情熱的になりすぎず、遊びを大切にして、自分が持っているものを見つめることが大事だと思った。


コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

『ラバーズ・アゲイン』(映画メモ)

『ラバーズ・アゲイン』(2017年、アザゼル・ジェイコブス監督)

ダブル不倫をしている熟年夫婦のストーリー。

メアリー(デブラ・ウィンガー)とマイケル(トレイシー・レッツ)は、それぞれ愛人がいて、仮面夫婦のような生活をしている。

しかし、あるとき二人の間に愛がよみがえり、心が揺れだす

なぜ、突然よみがえる?」という疑問はあるものの、そんなこともあるかもしれない。

そのまま寄りが戻りそうな流れなのだが・・・

ラストには驚かされ、「それってあり?」と違和感を覚えつつも、少しほっとした。

長い年月が経っても、新鮮な気持ちを持ち続けることが大切である、と思った。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

主の前にへりくだりなさい

主の前にへりくだりなさい。そうすれば、主があなたを高めてくださいます。
(ヤコブの手紙4章10節)

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

『さよならのあとで』(読書メモ)

ヘンリー・スコット・ホランド(絵 高橋和枝)『さよならのあとで』夏葉社

英国教会の神学者であるヘンリー・スコット・ホランド(1847-1918)による一編の詩を一冊の本にしたもの。

ちなみに、訳者は記されていない。

死はなんでもないものです
私はただ
となりの部屋にそっと移っただけ


というフレーズから始まる42行の詩が1ページに1フレーズずつ書かれ、高橋和枝さんによる、ほっとするイラストが挿入されている。

大切な人を亡くした人たちに「安心感」を与える詩である。


コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

『ロスト・イン・パリ』(映画メモ)

『ロスト・イン・パリ』(2016年、ドミニク・アベル&フィオナ・ゴードン監督)

パリを舞台としたおしゃれなコメディ。道化師でもある二人の監督が主演である。

数十年前、カナダの田舎からパリへと旅立ったダンサーの叔母から「すぐ来て」という手紙を受け取ったフィオナ(フィオナ・ゴードン)。

司書の仕事を休み、田舎者丸出しの姿でパリに着いたものの、叔母は行方不明。様々な騒動に巻き込まれるうちに、ホームレスのドム(ドミニク・アベル)と出会う。随所にパントマイムや踊りが挿入され、舞台を観ているような気になった。

国や言語、職業が違っても「心が通じ合う人」と出会えることは幸せだな、と思わせる作品である。

なお、おまけのショートムービー「Walking on the Wild Side」(13分)も良かった。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

1on1ミーティングの効果

マイクロソフト社がリモートワークをしている社員を対象に実施した調査によれば、マネジャーに多くのしわ寄せが来ているという。

ただし、マネジャーと「1対1のミーティング」を実施した社員は、在宅勤務時間の増加が少なかったらしい。

これは、マネジャーによる支援によって、部下の仕事がしやすくなっていることを示している。

ミーティングを実施するマネジャーは大変だが、いわゆる「1on1ミーティング」には、部下の仕事効率を向上させる効果がある、といえそうだ。

出所:「マイクロソフトのデータが示す在宅勤務の課題」Dimamond Harvard Business Review, 2020年11月号、p. 44-51.
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

まっすぐな人には闇の中にも光が昇る

まっすぐな人には闇の中にも光が昇る
(詩編112章4節)

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

『サイコセラピスト』(読書メモ)

アレックス・マイクリーディーズ(坂本あおい訳)『サイコセラピスト』早川書房

書店で本を見ていたらブックカバーのコピーがとびこんできた。

夫の顔面に銃弾を撃ちこんだ画家。彼女の心がついに開かれるとき、読者もまた癒されるとは限らない

早速買って読んだところ、これが面白い。

夫を殺した画家アリシアが入院している精神病院で働くサイコセラピスト(心理療法士)セオ。彼は父親から虐待された過去を持っているのだが、なんとかアリシアの心の扉を開こうと奮闘する、という物語である。

スピード感があり、ストーリー展開も良く、深みもある。

終盤までワクワクしながら読んでいたのだが、ラストに「超どんでん返し」が…。

ここまでひっくり返されると、逆に「不快感」を覚えてしまった。

どんでん返しにも程度があるな、と思った。





コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

『海のふた』(映画メモ)

『海のふた』(2014年、豊島圭介監督)

東京の会社を辞め、故郷でかき氷屋を始めたまり(菊池亜希子)。

メニューは、「糖蜜とみかんのかき氷、エスプレッソコーヒー」の三品のみ。しかも、それぞれ500円。

これじゃつぶれるだろ、と誰もが思うだろうが、まりはこのメニューにこだわる

ここに、顔にやけどの痣があるはじめ(三根梓)と、幼なじみの酒屋のおさむ(小林ユウキチ)が絡む物語。

淡々と進むストーリーは、どこか小津映画をほうふつさせるものの、盛り上がりに欠けるともいえる。

しかし、終盤に向かうあたりから良くなり、ラストで腹落ちした

一皮むける、小さな成長」の大切さを感じることができる映画である。


コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

人に憐みをかけない者には、憐みのない裁きが下されます

人に憐みをかけない者には、憐みのない裁きが下されます。憐みは裁きに打ち勝つのです。
(ヤコブの手紙2章13節)
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 前ページ