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たとえ闇の中に座っていても

たとえ闇の中に座っていても 主こそわが光。
(ミカ書7章8節)
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プライドと傲慢

小説家の瀬戸内寂聴さんは、先輩作家である宇野千代さんから、次のようにアドバイスを受けたことがあるという。

「あなたの小説を読むと、あなたは作家を特別な職業のように思ってるらしいけど、小説家も、パン屋や八百屋や魚屋と同じ職業なのよ。そこがわかれば、もっと小説がよくなります。」

職業に上下をつけるような考え方をしているようでは、本当のプロフェッショナルにはなれない。一人一人には、それぞれ天職があり、それを謙虚に全うすることが大切だ、ということだろう。

プライドを持って仕事をすることは大事だが、ひとつ間違うと傲慢になってしまう危険性がある、ということがわかった。

出所:瀬戸内寂聴『寂聴さんがゆく』平凡社,p.73.
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成功者について

芸術家の岡本太郎氏は、著書『太郎に訊け:岡本太郎流爆発人生相談』(青林工藝舎)の中で、「成功者」について次のように語っている。

「成功者というのは、何百万何千万のなかのわずか数名きりだ。しかも、成功した者を調べてみると、その人間をとりまくいろいろな状況が押し上げた場合が多い。その他に策略妥協がうまかったり、成功したりして、勝利をつかんだ。そういう人物は別段、尊敬できないし感動もないね。」

「人間の運命というのは、九十九.九九パーセントが成功しないのだ。だから、成功者でない方がより人間的な運命なんだ。そういう無名の運命のなかで、自分の筋を貫き通して、歴史にものこらないで死んでいった者の生き方に、ぼくは加担したいんだよ。」

ここでいう「成功者」とは、歴史に残る成功者を指しているのだが、そこまでスケールを大きくしなくとも、社会的に成功する人と成功しない人を比べると、成功しない人の方が圧倒的に多いだろう。たいていの人は世の中に知られずに死んでいく。

岡本氏の考えの中で印象に残ったのは「自分の筋」という言葉。自分の中の「こだわり」「やりたいこと」「使命感」を持ち、それをやり通した人こそ、本当の意味での成功者と言えるかもしれない、と思った。
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『星の王子さま』(読書メモ)

サンテグジュペリ(小島俊明訳)『星の王子さま』中公文庫

サハラ砂漠で飛行機が故障。修理中の飛行士のもとへ、どこからともなく男の子がやってきた。いろいろな星を旅して地球にやってきた王子さまは、この星の生活に驚かされる。そして、王子さまがもとの星に戻るとき、次のようにつぶやく。

「「人びとは」と王子さまは言いました。「みんな特急列車に群がるけれど、自分が何を求めているのか、もうわからないんだね。だからやたら動き回ったり、堂々巡りしたりするんだ。」

「目は何も見えないんだ。心で探し求めなければいけないんだよ。」

本書の前半は何を言おうとしているのかよくわからず、少々退屈である。しかし、後半からは、我々大人の心を鷲づかみにし、生き方の内省をうながしてくる。

やはり名作といわれるだけある、と思った。

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主が良いと思われることを

主が良いと思われることを行ってくださるように
(歴代誌上19章13節)
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昨日の自分を超える

15歳でローザンヌ国際バレエコンクールでローザンヌ賞を受賞し、アメリカン・バレエ・シアターのソリストとなった加治屋百合子さんはがバレエを始めたのは8歳のとき。

「特別、バレエは好きではなかった」という加治屋さんだが、「練習すればうまくなる」ことに中毒になったという。

そんな加治屋さんは、自らの持論を次のように語っている。

「常に思っているのは、今日の自分は、昨日の自分と一緒ではいけない。同じ役をやったとしても、前と一緒だったら悪くなっている証拠。常に上をめざし、努力するようにしています。」

熟達した人には、「面白いか始めた」というケースと、「やっているうちに面白くなった」という二つのケースがある。加治屋さんは、典型的な後者のケースだ。

それにしても、「昨日の自分を超えているか?」と問われたら、みなさんはどう答えるだろうか?

僕はそこまでストイックではないが、少なくとも「昨年の自分を今年は超えたい」と思う。

出所:「昨日の自分を超えて行く:加治屋百合子」VISA.2010(Nov.), No.450, p.14-17.
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コミュニケーションスキルの改善

先日紹介した新生ファイナンシャルでは、もう一つ注目すべき試みが行われている。それは、コミュニケーターの会話内容を可視化して、彼らのスキルを日々向上させていること。

しかし、月間100万件を超す顧客からの問い合わせがあるという。一体、どのようなやり方をしているのか?

まず、同社では、顧客からかかってくる電話は全件録音している。この録音データから、「NGワードがないか」「発話者が感情的になっているか」「転送や保留の回数は多くないか」「同時会話や、無音会話の比率は高くないか」をチェックし、問題がある会話をチェックしている。

問題がある場合には
・個々の社員へフィードバック
トレーニングを実施し
プロセスを改善する
ことで、顧客対応の品質を改善しているらしい。

こうした試みの結果、顧客サービス充足率がアップし、コミュニケーターの対応が原因で苦情が発生する率が低下したという。

自分の行動をモニタリングされている社員は緊張するかもしれないが、単なるチェックではなく、スキル向上、顧客満足向上という点が明確であれば、前向きに取り組めるような気がする。

このシステムをそのまま他のサービス業に応用することは難しいかもしれない。しかし、いろいろと工夫しながら、サービスの質を向上させるしくみを開発することができそうだと感じた。

出所:「CSとES向上、経費3割減」日経ビジネス2010.9.27, p.84-87.
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最適なシフト

コールセンターに電話をかけても、なかなかつながらない、という経験はないだろうか。

消費者金融の新生ファイナンシャルでは、コミュニケ―ターが15秒以内に電話に出る「応答率」と、電話に出られない「放棄呼率」を指標として、「最適なシフトづくり」を目指す改善活動を行っている。

同社では、過去のデータを基に、電話の着信件数を予測し、顧客のニーズに合わせて応答体制を整えているという。予想した着信件数と実際の着信件数のギャップはわずか5%。

ここで大事なことは、顧客の相談内容に応じたスキルを持ったコミュニケーターを適切に配置すること。そのために、コミュニケ―ターの知識量やスキルを5段階に分け、顧客からの相談内容も40パターンに分類している。これによって誰をどの時間帯に配置するかを決めることができるという。

さらに、WFM(ワーク・フォース・マネジメント)というITソフトを使うと、従業員の要望や健康状態、労働基準を考慮して、シフト表を作ることが可能になる。

こうした取り組みによって、応答率は91.8%から93.8%へ、放棄呼率は3.6%から2.7%へ、シフト作成にかかる時間は190時間から93時間へ、欠勤率も3.5%から2.6%へと改善したらしい。

新生ファイナンシャルの手法は、経営資源を効率的に運用しつつ、従業員の満足度と顧客の満足を高めるための優れたアプローチである。小売、外食、医療など、「シフト」が大切になる企業に応用できる可能性が高い、と思った。

出所:「CSとES向上、経費3割減」日経ビジネス2010.9.27, p.84-87.
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『ペスト』(読書メモ)

ダニエル・デフォー(平井正穂訳)『ペスト』中公文庫
1665年、ロンドンはペストに襲われ、多くの人々が亡くなった。その状況を報告したのが本書である。作者は、ロビンソン・クルーソーでおなじみのダニエル・デフォー。

最近のインフルエンザの流行などもあり、リアルにその怖さが伝わって来た。

デフォーがこの本を書いた目的の一つは「またペストが流行したときに、市民や行政はどう行動すべきか」という点を伝えることのように感じた。その意味では、現代の我々も学ぶべき点が多い。

本書には、ペストが発生してから、広まって行くプロセスが生々しく描かれているが、注目したいのはロンドン市政の対応。デフォーはその問題点と優れた点を指摘する。

問題点は、ペストが発生した家を強制的に封鎖してしまったこと。例えば、家族の誰かがペストにかかると、その他の家族も家に閉じ込められてしまう。感染を防ぐことが目的だが、その一家は全滅する。ただ、実際には、患者を置き去りにして、家族が逃げ出してしまうケースが多く、この施策はあまり意味をなさない。

一方、ロンドン行政が優れていたのは、ペストに罹って死んでしまった人々を墓地まで運び埋葬するシステムを確立していたこと。これによって、死人が街にあふれかえり、ペストが蔓延することを防いだようだ。

また、ロンドン市長や助役などが、危険を恐れず、率先して行動したことが記されている。彼らは、ペストにかかるかもしれない場所に出て行き、陣頭指揮を執っていたらしい。そのプロフェッショナリズムは凄いと思った。

本書を読み、都市や国家が危機に瀕したときの、リーダーの働きと、マネジメントシステムの大切さが伝わって来た。しかし、今の日本で、行政が適切な処置をとってくれるかどうかについては不安が残った


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人間にはできないことも

人間にはできないことも、神にはできる
(ルカによる福音書18章27節)
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