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『アンデス、ふたりぼっち』(映画メモ)

『アンデス、ふたりぼっち』(2017年、オスカル・カタコラ監督)

アンデス(ペルー)の山奥で暮らす老夫婦のパクシ(ローサ・ニーナ)とウィルカ(ビセンテ・カタコラ)。

完全に自給自足である(数頭の羊、リャマ、畑あり)。

都会で働く息子の帰りを待っているが、ここ何年も帰ってこない。

ちなみに、山奥度合いが半端なく、村までマッチを買いに行くのも命がけである。

息子に捨てられたと嘆き、寄り添いながら淡々と生活する二人の様子がまるでドキュメンタリーのよう。

良く考えると、隣近所もなくて、本当に「ふたりぼっち」で生きているのがすごい。

ただ、パートナーがいることの有難さが伝わってきた。

しかし、後半になるとおじいさんのウィルカが病気になり、二人の生活が脅かされることに・・・

ラストシーンも良かった。

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『パリに見い出されたピアニスト』(映画メモ)

『パリに見い出されたピアニスト』(2018年、ルドビク・バーナード監督)

悪い仲間と窃盗などを繰り返すマチュー(ジュール・ベンシェトリ)だが、小さい頃に近所の音楽教室で教わったピアノが得意である。

ある日、パリ音楽院のディレクターであるピエール(ランベール・ウィルソン)が、ストリートピアノを弾くマチューの演奏を聴き、その天才ぶりに驚く。

周囲の反対を押し切って音楽院でマチューを鍛え、コンクールを目指すという物語。

盗みに入った家でついピアノ演奏に夢中になり警察に捕まる場面が印象的である。目の前にピアノがあると弾きたくなる気持ちが伝わってきた。

ただ、音楽院でレッスンを開始するものの、やる気を見せないマチュー。「練習しない天才に何の意味があるのか」というインストラクターの言葉も響いた。

才能、見出す人、訓練する人、練習」これらが合体しないと才能が開花しない、と感じた。
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『希望の灯り』(映画メモ)

『希望の灯り』(2018年、トーマス・ステューバー監督)

しぶい映画だった。

舞台は旧東ドイツのスーパーマーケット

無口でがまじめだけれども、どこか暗い過去のありそうな青年クリスチャン(フランツ・ロゴフスキ )がスーパーで働くことに(身体に刺青あり)。

在庫係の先輩ブルーノ(ペーター・クルト)とのウマも合い、徐々になじんでいくクリスチャンだが、スイーツ担当の既婚女性マリオン(ザンドラ・ヒュラー)に恋をしてしまう。

果たして彼の恋や仕事は?

という物語。

まともに生きようという決意は伝わってくるものの、そうは問屋が卸さないのが人生。

いろいろな困難を乗り越えようとするクリスチャンの姿が見どころである。

絶望と希望が交差するラストも良かった。
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『トレーニングデイ』(映画メモ)


『トレーニングデイ』(2001年、アントワーン・フークア監督)

以前観たことある映画だが、やはりすごい迫力だった。

街のお巡りさんだった若手警官ジェイク(イーサン・ホーク)が、希望に胸を膨らませ、麻薬取締課へ移動した初日、ベテラン刑事アロンソ(デンゼル・ワシントン)に手ほどきを受ける物語。

1回目に観たときには気づかなかったが、ジェイク役がイーサン・ホークであることがわかりビックリ(若い!)。

アロンソは、いわゆる「悪徳刑事」で、「これくらいやらないと麻薬取締役は務まらん!」とジェイクをしごきまくる。いや、後半は「しごき」を超えてしまい、大変なことに・・・

とにかくハラハラドキドキで見ごたえ満点の映画だった。

本作で印象に残ったのは2点。

アロンソは、悪徳弁護士、悪徳検事、悪徳警官とネットワークを作って「もたれあい」の中で仕事をしていたこと。そうした仲間がいると、善悪の区別がつかなくなるのだろう。

それと、ジェイクがギャングに殺されそうになるのだけれど、ある正義の行いによって助かる場面がある。やはり、筋を通すと後から良いことがあるのだ。

警察にかぎらず、「これくらいいいだろ」と思ってルールを破ると、だんだん取り返しのつかないことになる、と感じた。
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『サウスポー』(映画メモ)

『サウスポー』(2015年、アントワン・フークア監督)

期待していなかったが、かなり良かった。

施設出身の世界チャンピオン、ビリー(ジェイク・ギレンホール)は、打たせて勝つスタイルのボクサー。

彼を心配し、サポートしてきた妻モーリーン(レイチェル・マクアダムス)が亡くなると、転落の人生が始まる。

試合で反則→ライセンスはく奪→自宅を失い、薬物中毒→娘も施設に入れられて離れ離れ・・・

そんなどん底状態で、ビリーは、街のボクシングジムを運営する教え上手のトレーナー、ティック(フォレスト・ウィテカー)の指導を受けることに。

ここから彼は、これまでの人生の考え方やボクシングスタイルを変えて、新しい道を歩んでいくのだが、まさにアンラーニング物語なのだ。

途中で観るのを止めようかと思ったが、続けて観てよかった。
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『いま、会いにゆきます』(映画メモ)

『いま、会いにゆきます』(2004年、土井裕泰監督)

この映画はすごい。

妻の澪(竹内結子)を病気で亡くした巧(中村獅童)は、6歳になる佑司(武井証)と二人暮らし。しかし、梅雨のある日、死んだはずの澪が現れ、つかのまの3人暮らしが始まる、という物語。

中村獅童が上手すぎて映画の前半から感涙状態になってしまった。

本人のキャラとはだいぶ違う「おとなしく、自信がなく、不安げな巧」を完璧に演じている。

映像も美しい。

ストーリー的にも、人生における「つながり」のありがたさとたいせつさを感じた。


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『グランド・ブタペスト・ホテル』(映画メモ)

『グランド・ブタペスト・ホテル』(2014年、ウェス・アンダーソン監督)

グランド・ブタペスト・ホテルを取り仕切るコンシェルジュ、グスタヴ(レイフ・ファインズ)と、ベルボーイを務める移民少年ゼロ(トニー・レボロリ)が織りなすコメディー。

お金持ちの得意客がなくなり、遺産相続を巡る抗争に巻き込まれるグスタヴとゼロ。

その窮地を救うのが、ヨーロッパの高級ホテルに勤務するコンシェルジュたち。

なぜか?

顧客に上質のサービスを提供するには、コンシェルジュ・ネットワークによる相互扶助が欠かせないのだ。

そのつながりの強さは半端ない。

本作を観て、実践コミュニティのパワーを再認識した。

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『ミリオンダラー・ベイビー』(映画メモ)

『ミリオンダラー・ベイビー』(2004年、クリント・イーストウッド監督)

舞台はロサンゼルスにある、うらびれたボクシングジム

教え上手ではあるが、慎重すぎる経営者兼トレーナーのフランキー(クリント・イーストウッド)のもとに、女子ボクサーのマギー(ヒラリー・スワンク)が入門する。

初めは指導を渋っていたフランキーだが、マギーの熱意に打たれ受け入れることに。

俺とやる気なら、俺のやることに口をはさまず、何も質問するな」「”なぜ?”と問わず、”ええフランキー”と言え

偉大な指導者から教えを受けるとき、これは結構大事なことである。

絶え間ぬ努力によりメキメキ実力をつけ、スター街道を走りだすマギー。

ところが、世界チャンピオンのタイトルマッチで悲劇が起こる・・・

この映画はラスト直前まで良かったのだが、ラストが「ハリウッド的」になってしまったのが残念。

イーストウッドが監督した『グラン・トリノ』のラストと似ている。

まあ、しょうがないか、と思った。

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『愛の調べ』(映画メモ)

『愛の調べ』(1947年、クラレンス・ブラウン監督)

シューマン夫妻の愛を描いた映画。

夫が亡くなった後も、純愛を貫くベタなストーリーなのだが、感動してしまった。

人気ピアニストのクララ(キャサリーン・ヘップバーン)は、音楽教師の父親の反対を押し切り、父親の弟子であるシューマン(ポール・ヘンリード)と結婚する。

ちなみに、シューマンが作曲した「トロイメライ」が美しすぎる。

その後、若きブラームス(ロバート・ウォーカー)がシューマンに弟子入りし、クララに恋心を寄せる中、徐々にシューマンが心の病に侵されるようになったころから、状況が複雑に・・・

シューマンが死んだ後も、「彼を愛し続けているの。彼を感じるの」というクララの言葉にグッときた。

ちょっときれいすぎるストーリーなのだが、「そうあってほしい」と思われる映画である。
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『燃えよドラゴン』(映画メモ)

『燃えよドラゴン』(1973年、ロバート・クローズ監督)

本作を観た後、『ドラゴン危機一髪』『ドラゴンへの道』も観たが、やはり『燃えよドラゴン』が一番よかった。

なぜなら、ブルース・リーの表情や動きが芸術的だから。

他の俳優にはない、独特のオーラがある。

武術トーナメントに参加したリー(ブルース・リー)、主催者である悪役ハン(シー・キエン)を倒すというシンプルなストーリー

『ドラゴン危機一髪』『ドラゴンへの道』で見せたコミカルな演技がなく、終始真剣だったのも、ブルース・リーの芸術性を高めている。

ちなみに、有名なセリフ「考えるな 感じろ (Don't think. Feel)」は、どうでもよい場面のセリフだったので少しがっかりした。

しかし、実質的に1971年から1973年までの数本の映画しか出演していないにもかかわらず、50年以上もインパクトをもたらし続けている、という点が凄い。
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