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働きがいのある会社

Great Place To Work(R) Institute Japan(GPTWジャパン)によれば、「働きがいのある会社」には3つの要素があるという。

1)従業員が経営者・管理者を信頼していること
2)自分の仕事に誇りを持っていること
3)一緒に働いている人たちと連帯感が持てること

これは良い定義だなと思った。

特に「仕事への誇り」が中核要素になるように思える。これを支援するのが、経営者・管理者への信頼であり、仲間との連帯感であろう。

GPTWジャパンでは、従業員の調査を通じて「働きがい」の現状を分析してくれるそうだが(有料)、簡易版の質問票を作って自社で調査することもできるのではないか。

毎年、自分の会社や職場の「働きがい」を測って、職場力をアップさせることが大事だと思った。

出所:http://www.hatarakigai.info/index.html



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『君はピカソを知っているか』(読書メモ)

布施英利『君はピカソを知っているか』ちくまプリマー新書

線や面が交錯する、わけのわからない「キュビズム」と呼ばれる絵を生み出したピカソは、芸術界に殴りこみをかけ、時代のヒーローとなった。

そんなピカソだが、その後、昔ながらのクラシックな絵を書きはじめる。これを「新古典主義」というらしい。著者の布施さんは、次のように言う。

「おそらくピカソにとって、いちばん嫌なのは「レッテル」を貼られることではないか。伝統への反逆者、クラシックの破壊者、そういうレッテルが貼られると、こんどはそのレッテルを破壊したくなる。そこで、あえてクラッシックな絵を描く。たぶん、それは爽快なことだろう。歩みを止めない、自分はつねに新しい。それは誰にだって気持ちのよいことだ。ピカソには、それができた。」(p.36)

人は自分のスタイルができあがると、そこで止まってしまいがちだ。しかし、ピカソは決して止まらない。常に、アンラーニング(学びほぐし)をしているのだ。

では、なぜピカソにはそんなことができるのか?

布施さんは言う。

「かつて、子供の頃にアカデミックな絵を極めたがゆえに、その土台にのってキュビズムという自由な展開ができたように、こんどはキュビズムを土台にして、「クラシックが新しい」という二十世紀のどんな画家も手にすることができない世界を自分のものにしたのだ」(p.37)

新しいことを生みだすには、基本ができていなければならない、ということがわかった。



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あなたは、自分の力と手の働きで

あなたは、「自分の力と手の働きで、この富を築いた」などと考えてはならない
(申命記8章17節)
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仏様の指

伝説の国語教師・大村はまさんが、奥田正造先生の読書会に参加していたときのこと。奥田先生は、ある話をしてくれたという。

「仏様がある時、道ばたに立っていらっしゃると、一人の男が荷物をいっぱい積んだ車を引いて通りかかった。そこはたいへんなぬかるみであった。車は、そのぬかるみにはまってしまって、男は懸命に引くけれども、車は動こうとしない。男は汗びっしょりになって苦しんでいる。いつまでたっても、どうしても車は抜けない。その時、仏様は、しばらく男のようすを見ていらしたが、ちょっと指でその車におふれになった。その瞬間、車はすっとぬかるみから抜けて、からからと男は引いていってしまった」

「こういうのがほんとうの一級の教師なんだ。男はみ仏の指の力にあずかったことを永遠に知らない。自分が努力して、ついに引き得たという自信と喜びとで、その車を引いていったのだ」

生徒に慕われているということは、たいへん結構なことだ。しかし、まあいいところ、二流か三流だな」

この話を聞いた大村はまさんは、「仏様の指」のように支援することこそ教師の役割である、と気づく。

教師だけでなく、「クラブのコーチ」「子供の親」「企業の管理職」など、人を教え導く立場にある人すべてに同じことがいえるのではないだろうか。

教えられていることを本人に気づかせない人こそ、一流の指導者なのだろう。ただ、それって、めちゃくちゃ難しいことである。

出所:大村はま『教えるということ』ちくま学芸文庫,p.156.



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『幽霊人命救助隊』(読書メモ)

高野和明『幽霊人命救助隊』文春文庫

ふざけたタイトルだが、なかなか良い本だった。

神様から「100人の自殺者を救ったら天国に行かしてあげる」と言われて奮闘する4人の幽霊(いずれも自殺者)の物語である。

人はなぜ自殺をするのか?

この本を読むと、その理由が実感できる。

孤独な老人、5月病の大学生、働きすぎのサラリーマン、障害児を抱えた母親、いじめられる小学生、失恋した女性、末期がんのおばあさん、潰れそうな中小企業の経営者などなど。日本には、人を死に追いやる苦しみが満ちていることがわかる。

だんだんと、4人の救助隊は自殺防止のノウハウを身につけていく。そのための基本方針は、「共感してくれる他者と話をさせること」と「精神科につれていく」こと。

誰にも相談できずに孤独の中にいたり、うつ病に気づかないために自殺してしまうケースが多いのだ。また、精神科にかかっていても、ヤブ医者だとダメである。

この本のメッセージは「辛いことがあっても、とにかく生きることが大事だ」という点。真っ暗闇のように見えても、誰かとつながることで、一筋の光が見えてくる。

次の言葉が印象に残った。

「わしらは最期まで生きるために生まれてきたんじゃないのかな。いつ往生するかは、神様が決めてくれる。そこまでわしらが責任を負う必要はないんだ。難しいことなんか考えずに、ただ、この世に居ればいいんじゃないのかな」(p.542)

これを読んで、太宰治の『ヴィヨンの妻』に出てくる「私たちは生きてさえいればいいのよ」というセリフを思い出した。

自殺を通して生きることの意味を考えさせられる本である。

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あなたがたの髪の毛までも

あなたがたの髪の毛までも一本残らず数えられている
(マタイによる福音書10章30節)

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理念浸透活動

ゴルフ場の経営は苦しい。

そんな中で健闘しているのが、栃木と静岡でゴルフ場を運営する鹿沼グループである。2003年の民事再生手続きを経て生まれ変わり、昨年3月の震災後、売上は減少するものの、リピート率は向上し、逆に営業利益はアップしているという。

さまざまな活動を通してサービス品質を高めてきた同グループの基盤は「理念浸透活動」だ。「また来たいと思ってもらえるゴルフ場を目指す」というビジョンを1日に2回確認する場を設けている。

まず、全社員が参加する各部門での朝礼で、参加者の一人がビジョンに沿って自分の経験を話す。ただ、この活動は他の企業でも実施しているという話をよく聞く。

この他に、1日の終わりに部門の代表者が日報を書くのだが、その時もビジョンに沿った内容について触れることになっている。この日報は社内のイントラネットで全社員が閲覧できる。シンプルであるが、この試みは有効だと思った。

朝礼で各自の体験を共有するだけでは後に残らないが、部門の責任者が書いたものが蓄積されることで、その影響力も大きく、仕組みの改善につながる。

この理念浸透策が、同社の改善活動が持続する秘訣であるように思えた。

出所:日経ビジネス2012.2.13、58-62ページ。





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『日本でいちばん小さな出版社』(読書メモ)

佃由美子『日本でいちばん小さな出版社』晶文社

ひょんなことから出版社「アニカ」を始めることになった佃さん。右も左もわからない状態から、印刷所、取次、書店との付き合い方を学んでいくプロセスが描かれている。

本書は、自分の仕事のことをブログに書いていたのが編集者の目にとまったことから生まれたらしい。題名の通り、佃さん一人で切り盛りしている会社だからこそ、辛さもある反面、マイペースで仕事ができるのだろう。

僕はずっと本を書く側だったが、本を出す側の苦労がよくわかった。

ところで、出版社として最もつらいのは何か?

それは、返品である。売れない本の束がどんどん事務所を占拠していき、裁断処分しなければならなくなる。せっかく作った本を捨てなければいけないのはつらい。

逆に、喜びの瞬間は何か?

「それにしても、注文短冊を一枚一枚本に挟むときが一番の至福のときだ。この瞬間のために、本を作ったり消しゴム作戦をしたり(注:返品本の表紙をきれいにすること)、暑くても寒くてもバイクを走らせているとさえ言える。自分で作った本なので愛着があって、客注なんて書いてあると、そのお客さんにお礼のメッセージを送りたいくらいだ」(p.200)

たとえベストセラーにならなくても、自分の作ったものが誰かに読まれて、感動を与えることができるとしたら、これ以上の幸せはないであろう。

肩肘張らずに、自然体で成長していくストーリーを読むうちに、「こんなふうに仕事がしたいな」と感じた。

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終わりまでお前の道を行き

終わりまでお前の道を行き、憩いに入りなさい
(ダニエル書12章13節)

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オレたちの分際で何様だねん

ロックバンドの「ザ50回転ズ」のダニーさんは、徳島の高校でブルーハーツを聞いてからロックに目ざめ、大学に進んでからバンドを結成する。

日雇い仕事をしながらバンドを続け、何とか音楽で食べていけるようになったという。代表曲に「出稼ぎ行進曲」「日雇い節」などがあるらしいが、是非聞いてみたい。

そのダニーさんは、将来の夢について次のように語っている。

「「目標は武道館ライブ」とか言うほうが一般的にわかりやすいのかもしれないけど、オレたちはそういう柄じゃない。「がんばろう!」みたいなことを言うつもりもありません。オレたちの分際で何様だねんって感じだし(笑)。音楽で自己表現するつもりもない。ただエンターテイメントとして楽しんでもらいたい。ワンステージをサーカスみたいに盛り上げて、元気がでるようなバンドにする。それは結成以来、変わっていません」

「5日間仕事でしんどくても、週末くらい騒いで楽しもうぜーって時に、オレたちのロック聴いてもらって、「ザ50回転ズはあいかわらずだねぇー」みたいに言ってもらえる、そんな存在であり続けたいですね」

「成功する」「ビックになる」「アーティストとして成長する」といった陳腐なセリフとは違い、「自分たちはどうありたいのか」についての具体的なイメージが伝わってくる。

自分たちの存在意義を見極めている人たちの迫力を感じた。

出所:ビッグイシュー日本版185号(2012.2.15), p.3.

(それにしても、ビッグイシューの記者さんたちの質は高いと思った)





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