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あなたがたがわたしを選んだのではありません

あなたがたがわたしを選んだのではありません。わたしがあなたがたを選び、あなたがたを任命したのです。
(ヨハネの福音書15章16節)
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『太郎に訊け』(読書メモ)

岡本太郎『太郎に訊け:岡本太郎流爆発人生相談』青林工藝舎

いままで岡本太郎の本を手に取ったことは何度かあるが、内容のあまりの激しさに「たぶん読み続けられないだろう」と思い、買わなかった。

今回の本は「若者への人生相談」形式だったので購入した。ちなみに内容は30年前に週刊プレイボーイに連載されていたものである。

本質をつく発言を読むうち、すっかり岡本太郎ファンになってしまった。心に残った言葉は以下の通り。


「ぼくはパリで、人間全体として生きることを学んだんだ。画家とか彫刻家とか一つの職業に限定されないで、もっと広く人間全体として生きる。これがぼくのつかんだ自由だな。だからぼくは、ただ職業の中だけで生きるなんて、実につまらないと思っている。」

「金と名誉を捨てたら人間の"生命"がのこるんだ。つまり、人間のほんとうの存在だけが生きる。社会に生きる人間は、金とか名誉というものを考えるから、存在感を失ってしまうんだ」

「自分はどう生きていかなければならないか、どうして生きていかなければならないのか、どんなふうに生きるべきか、"生きる"ことを模索し、身をもって問題にぶっつけることが、ほんとうの勉強なんだ。」

「人生は、他人を負かすなんてケチくさい卑小なものじゃない。いちばん大切なのは、自分自身にうち勝って、自分の生きがいを貫くこと、これがいちばん美しいことなんだよ。」

とにかく「金や名誉や他人にとらわれずに、自分と戦い、人間全体として生きろ」というメッセージは心に響いた。

いちばん強烈だったのは「いま漠然としているから、永遠に漠然としちゃうんだ。具体的な夢をいまもっていないといけないんだ。」という言葉。

そんなこといったって、なかなか夢が見つけられないのが現実です、というインタビューアーに対し「こうしなければというはあるわけだろう。それが具体的な夢なんだ。」と答えている。

こんなふうに生きてみたいという「筋」を見つけることが、より良い人生を歩む鍵だと感じた。
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農業書一筋

日本経済評論社から送られてくる『評論』という冊子のなかに、「神保町の窓から」というコーナーがある。編集者の方が書かれているのだが、その内容がいつも骨太である。

2月号の中で筑波書房のはなしが紹介されていた。
http://www.tsukuba-shobo.co.jp/

筑波書房は、出版社の団体である梓出版会から文化賞(特別賞)を授与されたらしい。この賞は、本の単品ではなく、社の出版活動・出版姿勢に対して贈られるもの。

筑波書房は1979年に「人間の生存のために必要な農業について考える書物を作っていきたい」という宣言のもと設立され、その後、一貫して農業書を作り続けてきた。しかし、農業書を買う読者はそんなに多くない。

先代社長の鶴見さんは「売れないなー」とぼやき続けながらも路線を変更する気配を見せなかったという。後継した二人の息子さんも、路線を変えようとせず、ひたすら「農」一本でつっぱしっている。そんな姿勢が評価された受賞だったようだ。

自分の使命を自覚し、たとえ儲からなくても突き進んでいる経営方針に感銘を受けた。

出所:2010.2『評論』No.177, p14-15.
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スピード感

建築家の安藤忠雄氏は、「JALの経営破たんは、日本が老化している証拠」と述べている。

老化とは何か?

それは、スピード感と決断力の欠如だという。

建築の世界では、アジア諸国から依頼があると、着工するまでの期間は半年であるのに対して、日本ではその3倍の1年半はかかるらしい。

その大きな理由は、責任者が分散して、誰も物事を決断できないため。会議だけがダラダラと続くことになる。

僕も企業の人と仕事をしていて感じるのは「スピード感がある人や組織とはいい仕事ができる」ということ。スピード感があるということは、権限が委譲されており、集中して仕事ができる体制が整っている証拠である。一緒に仕事をすると、その企業の体質がわかる。

もちろん速ければいいというわけではない。質も大事である。しかし、遅い仕事は誰でもできる。いかに短時間で質の高い仕事をするか。その組織体制を真剣に考えるときが来たといえる。

スピード感を持った仕事をするためには「権限と責任の明確化」が必須だが、そのためには、人材を「任せて、鍛える」文化が大切になる、と思った。


出所:安藤忠雄「JALが映した日本の老化」日経ビジネス2010年2月8日号p.106
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主は天から目を注ぎ

主は天から目を注ぎ、人の子らを残らずご覧になる
詩編33章13節
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『アルケミスト』(読書メモ)

パウロ・コエーリョ『アルケミスト』角川文庫

羊飼いだったサンチャゴは、ある日「エジプトのピラミッドに行けば、隠された宝物を見つけることができる」という夢を見る。そして、錬金術師(アルケミスト)をはじめとして、さまざまな人に出会い、導かれながらピラミッドを目指す。

子供時代は誰でも夢を持つが、大人になるとあきらめてしまう人が多い。夢を追い続けるということはどういうことか?それが本書のテーマのようだ。

心に残ったのは次の箇所。

「夢を追求する一瞬一瞬が神との出会いだ」と少年は自分の心に言った。「僕が真剣に自分の宝物を探している時、毎日が輝いている。それは、一瞬一瞬が宝物を見つけるという夢の一部だと知っているからだ。本気で宝物を探している時には、僕はその途中でたくさんのものを発見した。」(p154-155)

夢をかなえることよりも、夢を追い求める過程に意味がある、というメッセージは深い。次の箇所も印象に残った。

「地球上のすべての人にはその人を待っている宝物があります」と彼の心は言った。「私たちの心は、こうした宝物については、めったに語りません。人はもはや、宝物を探しにいかないからです。」(p.155)

自分を待っている宝物とは何だろうか?それを探すことこそが、人生を生きる意味なのだろう。しかし、自分の追い求めている宝と、用意されている宝が違うことが多いような気がする。

夢を追い続けることは大事だが、その夢が追い続けるべきものかを考えることも大切だと思った。
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顧客に鍛えられる

シニア層をターゲットとして、海外旅行に特化した代理店「ニッコウトラベル」では、顧客の平均年齢は73-74歳、リピート率は70%を超える。

この会社が面白いのは、人材マネジメントに顧客が参加していること。

まず、採用の最終面接は、5回以上の旅行を経験したお客さん4名に任せ、2名以上がバツをつけたら不採用になる。人材教育では、お客さんに「どんな添乗員が良かったか」を話してもらう。そして、添乗員アンケートの結果が、賞与の一部に反映される仕組みになっている。

顧客から選ばれ、教えられ、給料をもらう。これがリピーターをがっちり押さえている秘密なのだろう。

出所:久野木和宏「シニア市場で鍛える 社員教育はお客さんに」日経ビジネス2010年2月8日号p.108
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強育、競育、共育

農業生産法人グリンリーフ社長の澤浦氏によれば、社員教育には以下の三つがあるという。

強育=少し重い仕事を任せて、ある程度育ったら口を出さずに見守る。

競育=同世代同士で競いながら切磋琢磨する。

共育=経営者と社員が共に学ぶ。

学習の本質を突いている概念だと思った。つまり、ストレッチされた経験を任せられ(強育)、競争を通して学びのモチベーションを高め(競育)、互いにロールモデルとなりながら教え合う(共育)ことで、人は育つ。

これら3つのキョウイクが結びつた職場は「学習する職場」といえるだろう。

出所:澤浦彰治『「強育」「競育」「共育」が必要」』日経ビジネス2010年2月15日号p.104
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あなたの宝のあるところに

あなたの宝のあるところに、あなたの心もあるからです。
(マタイの福音書6章21節)
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『仕事道楽』(読書メモ)

鈴木敏夫『仕事道楽:スタジオジブリの現場』岩波新書

ジブリの代表取締役でありプロデューサーの鈴木氏が、ジブリに関係する人々について書いたもの。ちなみに、僕はあまりジブリ作品が好きではない(嫌いでもないが)。

本書を読んで三つのことが印象に残った。

一つは、宮崎駿さんと高畑勲さんの性格。かなり自分勝手なのに、素直なこと。強烈な信念に裏づけられた芯の強さと、信頼している人からのアドバイスには耳を傾ける謙虚さ。これらが同居しているからこそ、新しいものを創造できるのかもしれない。

二つめは、作品をつくっている過程では結末が決まっていないらしいこと。例えば、ハウルの絵コンテを4分の3ほど描き終えた宮崎氏は「どうしよう?どうやって終わらせたらいい?」と鈴木氏に相談しに来たという。

三つめは、ジブリには長期的目標や戦略がないこと。とにかく、目の前の一つ一つの作品に集中して、よい作品づくりだけを考えてきたらしい。

「強い信念と素直さ」「走りながら考える」「目の前のことに集中する」。これらは質の高い作品を作り上げる上で大切な要素になるのかもしれない、と感じた。
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