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『ドッジボール』(映画メモ)

『ドッジボール』(2004年、ローソン・マーシャル・サーバー監督)

ひさしぶりにコメディ映画で笑わしてもらった。

オンボロスポーツジム「アベレージ・ジョーズ」は経営難に陥り、5万ドルを払わないと、大手の「グロボ・ジム」に買収されてしまうことになる。

そこで、アベレージ・ジョーズを愛する会員たちが考えたのは、賞金5万ドルのドッジボール大会に出場することだった。ドッジボール会のレジェンドをコーチに迎え、猛練習をして優勝を狙うというストーリー。

ちなみに、競合「グロボ・ジム」のオーナーであグッドマン(ベン・スティラー)が面白すぎる。この映画では、終始「悪役」として物語を盛り上げてくれた。

なお、「アベレージ・ジョーズ」メンバーは皆、どこか変で、落ちこぼれ的な人ばかり。「このジムは、僕らみんなのオアシスだ」と頑張り、彼らが成長していくプロセスも見どころである。

初めは「おバカ映画」だと思っていたが、途中、少し感動してしまった。
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いったいあなたの持っているもので、いただかなかったものがあるでしょうか

いったいあなたの持っているもので、いただかなかったものがあるでしょうか
(コリントの信徒への手紙I 4章7節)
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定年前の転職時期

ワークス研究所の坂本貴志さんによれば、「定年前の転職は時期が早いほどいい」らしい。

「50歳時点で正社員として働いていた現在60歳の男性」の調査データを分析したところ、50代前半で転職した人のほうが、50代後半で転職した人よりも、現在の仕事に満足しているという結果が得られたという。

ちなみに、会社都合で離職した人も、積極的な理由で離職した人も同じ傾向を示している。

定年ギリギリになって追い込まれて転職するよりも、体力や気力が残っているうちに、しっかりと準備して転職するほうが良い結果になる、ということだ。

僕はすでに50代後半に入ってしまったので、この結果を見てやや焦った。
(ただ、大学の教員の場合には、職を変える人は少ないのでそんなに問題ないが・・・)

なにごとも、早めの準備が大切になる、といえそうだ。

出所:坂本貴志「再雇用か、転職か、引退か」Works Review, 「働く」の論点2020, p. 134-141.


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『失はれる物語』(読書メモ)

乙一『失はれる物語』角川文庫

天才・乙一の短編集。

傷つきやすく、孤独で引きこもりがちな主人公たちが、つながりや生きる意味を見出すという点で共通している。

特に、友達がいない女子高校生が、頭の中の携帯電話を通して友をつくる「Calling You」、交通事故で右腕の肘から先しか動かなくなってしまった夫と、彼を看病するピアニストの妻の生活を描いた「失はれる物語」が絶品である。

個人的に一番良かったのは、10ページちょっとしかない作品「ウソカノ」。

架空の彼女を設定して、本物がいるように振る舞うというストーリーなのだが、これは感動する。

なお、姉の友人の自殺を他殺ではないかと疑う「マリアの指」だけが推理サスペンスである。

悪くはなかったが、乙一はやはり「ひきこもりモノ」がいいな、と思った。





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立ち帰れ、わたしに

立ち帰れ、わたしに。
そうすれば、わたしもあなたたちに立ち帰る
と万軍の主は言われる。

(マラキ書3章7章)
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『励み場』(読書メモ)

青山文平『励み場』ハルキ文庫

時代は江戸。子が産めないという理由で離縁された、地方の豪農の娘・智恵は、農民の出ながら代官所で頭角を現した信郎と結婚する。そして、武士になるために勘定所で普請役となった信郎とともに江戸で暮らすようになる。

信郎はなぜ武士になろうとするのか?

それは、彼が元武士の名子だからである。通常、名子とは、本百姓に使われる農奴を指すが、その中には、戦国時代に農民へと転換した武家の家来がいるのだ。

本物の武士になるために頑張る信郎と、それを支える智恵の物語が本書である。夫のために身を引こうとする智恵に多少イライラ、ハラハラさせられたが、そこがこの小説の面白さでもある。

『励み場』は「成長の場」という意味で使われていて、やや説教くさくお堅いイメージがあったが、確かに人には「励み場」があり、その選択が大事になることが伝わってきた。



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『ガントレット』(映画メモ)

『ガントレット』(1977年、クリント・イーストウッド監督)

イーストウッドが若い(といっても47歳だが)。

アリゾナ州フェニックス市の刑事ベン・ショックリー(クリント・イーストウッド)は、警察長官のブレークロックから、ラスベガスの警察に留置されている女性ガス・マリー(ソンドラ・ロック)を裁判の証人として護送するように命じられる。

ところが、護送中に、警察やらギャングやらに命を狙われる二人。はたしてフェニックス市にたどりつけるのか?というストーリー。

とにかく、銃撃戦(というか一方的に撃ちまくられる展開)がすごい。

また、娼婦で口の悪いガスが、意外に頭が良く義理堅いのがわかってきて、徐々にベンとの関係が近くなるプロセスも自然で良かった。

特に、絶対絶命の状況の中、二人が将来の家庭について語るシーンは切なくてジンときた。

悪者(警察長官)と戦う二人のアクションだけでなく、職業を越えた人間の信頼性、警官同士の連帯というテーマも隠されており、意外に深い映画だった。







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あなたがた皆の中で最も小さい者こそ、最も偉い者である

あなたがた皆の中で最も小さい者こそ、最も偉い者である
(ルカによる福音書9章48節)

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『新選組始末記』(読書メモ)

子母澤寛『新選組始末記』中公文庫

以前、北海道文学館で「子母澤寛展」を見に行ったときに購入した本。

元新聞記者の子母澤寛らしく、小説というよりも、聞き取りをもとにしたルポルタージュのような作品である。

がゆえに迫力があった。

新選組に入った近藤勇、土方歳三、沖田総司らが、徐々に頭角をあらわして幹部となり、幕末の時代を暴れまわった後、死んでいくまでが見事に描かれている(特に、近藤勇中心)。

やはり怖かったのは、隊の規律を守るための「切腹」。

「勇は一統に命じて、殊に規律を厳重にし、一に切腹、二にも切腹、刑罰はむしろ壮烈を極めた」(p. 235-236)

性格は温厚だったらしい近藤勇が、強迫観念にかられて部下を死に追いやる様子は、全体主義国家の独裁者のようだ。

一方、意外だったのは、人を切りまくり、花街で遊びまくっていた隊員達が、定期的に勉強していたこと。

「近藤勇なども、あの烈しい仕事をしていながら毎夜二時間は必ず習字を怠らなかった。はじめ江戸を出て行った当時の手紙などはひどく拙いものであったが、慶応頃になると立派な字を書くようになった」(p. 276)

死に体となった幕府において大名格となった近藤勇だが、果たして彼は幸せだったのか。そのことが気になった。






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『ザ・ナンバー』(映画メモ)

『ザ・ナンバー』(2017年、カロ・マタバネ監督)

南アフリカの刑務所を舞台とした映画。

ナンバーとは、刑務所の中にあるギャング団を指し、26や28といったグループが存在する。

20年間の服役中、ナンバー28で治安判事に上り詰めたマガディン(モツスィ・マッハーノ)は、昇格を狙っていた矢先、息子もギャングの道に入ろうとしていることを知る。それを止めるために、仮出所して更生することを目指すものの、28のルールでは「裏切り」となる。

果たして、マガディンは生きて刑務所を出ることができるのか?

というストーリー(実話らしい)なのだが、どんなところにも組織は存在していて、そこで成功している人ほど、抜け出ることは難しい

なお、「生き直そう」と決意したマガディンだが、そのきっかけは「新しい刑務所長」のサポートである。しかし、そうしたサポートに反応する人としない人がいるところがポイントだ。

「生き直し」を助けてくれる他者の大切さを感じた。







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