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柔らかな答えは憤りを静める

『柔らかな答えは憤りを静める。しかし、激しいことばは怒りを引き起こす。』
(箴言15章1節)

聖書には、感情をコントロールすることの大切さを指摘する言葉が多い。同じ内容の言葉でも、そこに込められた感情や気持ち次第で、相手の受け取り方は大きく変わる。

どうしても感情的になってしまうときがあるが、そんなとき、自分の言葉の「棘」に気づくことが多い。カッとなったとき、一呼吸置いて、「柔らかい言葉」で答えることができるようになりたい。
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休ませる勇気、休む勇気

精神科医の計見一雄氏によれば、「どんな兵士でも、いつかは疲弊して使えなくなる」という。これは、強い軍隊を作るために研究を重ねてきた米軍の結論である。いくらストレス耐性が強い人間でも、戦い続けると壊れてしまうらしい。

では、どうするのか。答えはシンプル。「早めに、励まして、休ませる」こと。強力な戦闘部隊は、兵士を励まして、休ませる配慮が行き届いているという。

患者中心医療で有名な病院にお勤めの看護部長さんの言葉を思い出した。「うちは激務ですが、有給休暇をなるべくとらせるようにしています。いつも「休め、休め」と言っています」とのこと。

あるIT企業の方も「優れたプロジェクトマネジャーには仕事が集中します。そして、疲弊していって、メンタルでやられてしまうことが多いのです。」とおっしゃっていた。

経営組織も軍隊と同じで、限られた兵力をいたわりながら働いてもらう配慮が、リーダーに求められる。強い組織を作るためには「早めに、励まして、休ませる」ための仕組みを整備することが欠かせない。

しかし、日本には「長時間働くことを美徳とし、休むことを罪悪」と考える文化があるように思える。組織で働く私たち個人が「休む勇気」を持つことも大切だと思った。

出所:日経ビジネス2008年3月17日号:pp.1「硫黄島守備隊の強さ、上司は「休ませる勇気」を」
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日本型変革リーダー

「変革リーダー」と聞くと、ビジョンを掲げ、人々を巻き込みながら組織を変えていく、スーパーマンのようなリーダーを想像してしまう。しかし、なかなかそのようなリーダーはいない。

先日、メーカーの管理職の方々とお話していて、日本型の変革リーダーは「日本の主婦」のようでないといけない、ということをお伺いした。日本の主婦は、いばっている旦那に素直に従う振りをして、実は手のひらでころがしているような強さを持っている(昔の主婦かもしれないけれど)。

つまり、日本型の変革リーダーは、気遣いができて、調整能力に長けていなければいけない。決して、目立ってはいけない。上司をおだてて、その気にさせて、変革を促すが、自分は前面に出ない。悪く言えば、役員や部長を後ろから操っているような人だ。組織論では、上司を動かす力を「上方影響力」というが、日本型の変革リーダーは、この上方影響力が必要になるのだろう。

リーダーが代わると組織もガラッと変わるような欧米の組織と違って、日本の組織は保守的だ。欧米で理論化された変革型リーダー像をそのまま適用しにくい。

気遣いができて控えめだが、内には燃えるような変革魂を持っているような人。キーマンを後ろから操っているが、組織のことを真剣に考えている誠実な人。そうした人が日本型の組織を変えることができるのではないか。

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教えるためには、教えてはいけない

宮大工を育てる「斑鳩(いかるが)工舎」の小川三夫氏のインタビューが日経ビジネス(2008.3.24)に載っていた。

氏いわく「教えるためには、教えてはいかん。口で言えば30分で済むことでも、教えないと本人が気づくまで2-3日かかることもあります。でも自ら気づき、学んだことでないと身につきません。教えずに耐える方も大変ですわ」

では、何もしなくてもいいのか、というとそうではない。「ウチは言葉では教えません。お手本を見せるだけ。現場で作るそのままを、手本として見せとけばいいんです。」「教えない代わりに、人が自然に育っていく場所を作ればよいんです。学ぶ雰囲気の中にいれば、ほっといてもちゃんと学んでいきます。」とのこと。

最高の学びの場は、「優れた手本が周りにいて、学ぶ雰囲気を持つ職場」ということだ。上司や先輩が学ぶ姿勢を持っていれば、新人や若手も自然と学んでいく。逆にいえば、新人が育たない職場は、管理職が学ぶことを止めてしまった職場かもしれない。

以前、リクルートの石井さんが講演の中でおっしゃっていた言葉を思い出した。「上司が成長していれば、部下も成長します」。

学習する組織を作るには、管理職が学ぶことが一番効果的なのだろう。
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求めなさい。そうすれば与えられます。

『求めなさい。そうすれば与えられます。探しなさい。そうすれば見つかります。たたきなさい。そうすれば開かれます。』
(マタイの福音書7章7節)

この言葉は、イエス・キリストによる「山上の教訓」の一部である。神様の教えにそった願いであるならば、必ず神様がかなえてくださる、ということだと思う。

私たちも「どうせだめだから」「難しすぎる」と、やる前からあきらめてしまうことが多い。しかし、この言葉を読むと、「実現したい」という強い意思を持って事にのぞめば神様が応援してくれる、という気持ちになる。

何をするにしても「必ず実現する」という意思を持つことが大切だと思った。
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存在感のある仕事

今日の日経産業新聞を見ていたら、ベネッセコーポレーション社長の福島保氏のインタビュー記事が目にとまった。「上司などの指導で印象に残っていることはあるか?」という質問に対し、次のように答えている。

「『福島くんは器用だから楽しげに仕事をしているけれど、このままだと器用貧乏に終わってしまうよ』と言われたことが自分の会社人生を決定づけた。何かしらの強み、存在感を持たないと組織では生きていけない。部下にも、それぞれ存在感のある仕事をしてほしいと願っている」

存在感のある仕事」という言葉が印象に残った。存在感のある会社や個人は、何かしらのミッション・使命感を持って仕事をしている。何らかの「こだわり」を持って、いろいろな障害や問題を乗り越えながら仕事をしていると、それが(その人ならではの)「存在感」となって現れるのだろう。

折に触れて「存在感のある仕事をしているだろうか?」と自分に問うことは大切である、と思った。

出所:日経産業新聞2008.3.21
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新人管理職の落とし穴

個人としては優れた業績をあげていた人が、管理職になったとたんにまごついてしまう、といったことをよく聞く。

マネジャーのコーチングを専門とする米国のコンサルタントであるウォーカー氏は、管理職になったばかりの人が陥りやすい落とし穴として、次の5つを挙げている。

1)部下に任せることをためらい、干渉してしまう
2)問題が生じても、上司に相談しない
3)自信のない態度をとり、部下からの信頼を失う
4)目先の仕事にとらわれて、戦略的に考えない
5)部下の問題を指摘できない

こうした問題の根本は「管理職の役割がわかっていない」ことにあるという。つまり、管理職の役割は、自分の業績ではなく、他人(部下)の業績を引き上げることである、という点が理解されていないのだ。

では、どのようにサポートしたらいいのか?ウォーカーは、新人管理職と定期的にミーティングを行い、率直にフィードバックをし、上級管理職が自ら模範を示すことが大事である、と述べている。ポイントは以下の通り。

1)管理職の役割を認識させ、チームの実力を引き出すチャンスを一緒に考える。
2)ミスは避けられないこと、ミスを隠さずに報告することの大切さを伝える。
3)部下に好かれる必要はないが、部下から信頼される必要があることを強調する。
4)勤務時間の10%を戦略に、90%を実務に費やすようにすすめる。
5)「部下が目標を達成できるようにサポートしたい」という気持ちを持ちながら、部下にフィードバックすることの重要性に気づかせる。

「そんなことは、管理職が自分で試行錯誤して習得すべきである」という声に対してウォーカーは異を唱える(コーチングが仕事だから、ということもあるが)。放っておいてもまず、自然に管理職は育たない。そして、新人管理職だけでなく、あらゆる階層における多くの管理職が適切なマネジメント・スキルを持っていない、と指摘する。

新しく管理職になった人たちに、こうした落とし穴と、その対処法を教えてあげるだけで、だいぶ気持ちも楽になるのではないか。手取り足取り教えることには疑問があるが、「指針」を示すことは大切だろう。「はじめての管理職になった経験」は、一皮むけた経験としてよく挙げられる。上記の点に気をつけて仕事をすることにより、マネジメントという経験から多くのことを学ぶことができるのではないか、と思った。

出所:キャロル・ウォーカー「新人マネジャーを育てるコーチング技法」ダイヤモンド・ハーバード・ビジネスレビュー2002(July)
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感情の伝染

「顧客満足(CS)を高めるためには、従業員満足(ES)を高める必要がある」ことは、サービス・マネジメントや顧客志向経営における常識となっている。これを裏付ける研究もたくさん報告されている。

マンチェスタービジネススクールのDaviesとChunが行った調査でも、従業員と顧客が感じる企業への好感度には相関があり、従業員が顧客によりも良いイメージを抱いているほど、売上高成長率が高かった、という結果が報告されている。

この結果には特に新しいところはないが、彼らが使っている「感情の伝染」という言葉が印象にのこった。感情の伝染とは、自分が働いている企業に対する従業員の気持ちが、営業活動や接客等を通して顧客に伝染していく、ということ。

彼らの研究によると、従業員の企業高感度は、企業の研修制度、マネジメントシステムへの評価、権限委譲の度合いによって左右される。ここで注意すべきことは、単に「仕事が楽だから」とか「給与をたくさんもらえるから」という職務満足ではなく、「いかに自分たちの成長をサポートしてくれるか」という職務満足が大切になるというところ。

ES(Employee Satisfaction)とは、「成長満足」「学習満足」と言い換えることができるかもしれない。

出所:Gary Davies, Rosa Chun「従業員に愛される企業は業績が高い」ダイヤモンド・ハーバード・ビジネスレビュー2007(October)
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自分の知恵を誇るな

『主はこう仰せられる。「知恵ある者は自分の知恵を誇るな。つわものは自分の強さを誇るな。富む者は自分の富を誇るな。誇る者は、ただ、これを誇れ。悟りを得て、わたしを知っていることを。」』
(エレミヤ書9章23-24節)

聖書には、「奢り高ぶる人、自分を誇る人」を戒める言葉が多い。自分の力を誇る人を神様は嫌われる。私たちは、自分たちの努力によって能力を高めたり、財を築いたりするが、その割合はせいぜい2,3割ではないだろうか。7,8割は、持って生まれた資質、周りの人々の助け、偶然のチャンスのおかげだろう。これらのものは神様が備えてくれたものだ。人間は弱い者で、すぐに自分を誇ってしまうけれど、聖書は、それが間違いであることに気づかせてくれる。
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プロジェクトマネジメントは「狩り」である

アイシンクの伊藤健太郎氏によれば、プロジェクトマネジメントは「狩猟型」、つまり「狩り」であるという。なぜなら、「プロジェクトの期間が限定されており」「それぞれのプロジェクトが置かれている条件や状況が異なる」ため、それを仕切るマネジャーは、自由な発想をもち、状況の変化に合わせてすばやく対応しなければならないからである。

したがって、「こうでなくてはならない」という固定観念に縛られているとプロジェクトマネジャーは務まらない。ある程度の幅をもって、臨機応変にプロジェクトをまとめていく必要がある。また、公式の権限だけでプロジェクトを動かそうとすると、無関心や抵抗を生み、チームの業績が低下するという。プロジェクトマネジャーに要求されるのは、メンバーや関係者との信頼関係や他部門との調整力といった非公式なパワーである。

そういえば、あるプロジェクトマネジャー経験者の方がおっしゃっていた。「プロジェクトの管理は、ルーチンワークの管理とはモードが違うんですよ」と。じっくりと仕事をする農耕型の仕事があると同時に、プロジェクトマネジメントのような狩猟型の仕事もある。両方こなせる人もいるだろうが、向き不向きもあるにちがいない。どちらのタイプのマネジャーに向いているか、適性を知ることは、個人にとっても企業にとっても大切になるだろう。

出所:伊藤健太郎「プロジェクトマネジメントに対する基本的な考え方」ダイヤモンド・ハーバード・ビジネスOctober 2007

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