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『暗約領域 新宿鮫11』(読書メモ)

大沢在昌『暗約領域 新宿鮫11』光文社

新宿鮫シリーズの第11弾。なんと文庫本で900ページ以上もある長編である。

新宿の民泊マンションで、男の銃殺死体が発見されたことがきっかけとなり、新宿署、公安、暴力団、北朝鮮工作員、アジアの国際犯罪人が絡む事件に発展するというストーリー。

どことなく、鮫島が大人しくなった印象を受けたのが残念である。

ただ、北朝鮮情勢に詳しい元公安刑事が古本屋の店主(連絡役)となって登場するのだが、彼が良かった。

北朝鮮関係の事案についてはスペシャリストであるため、キャリア警官も黙らせる迫力を持っているのだ。

とても魅力的なキャラクターだった。

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主よ、あなたは力のある者にも無力な者にも分け隔てなく助けを与えてくださいます

主よ、あなたは力のある者にも無力な者にも分け隔てなく助けを与えてくださいます
(歴代誌下14章10節)

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『勇気づけの方法:アドラー心理学を語る4』(読書メモ)

野田俊作『勇気づけの方法:アドラー心理学を語る4』創元社

日本におけるアドラー心理学の権威、野田先生による著書。

講演録を基にしているので、語りを聞いているようだ。

タイトルにもなっている「勇気づけ」であるが、原語はencouragement。「励まし」と訳さないところにセンスがある。

「大人でも子どもでもそうなんですけれど、健康に、建設的に暮らしていこうというときに、絶対必要な要素は「勇気」だと思う。「元気」と言ってもいいし、「生気」と言ってもいい。子どもが不登校になるとか、非行になるとか、あるいは反抗的になるとか、勉強しなくなるとか、大人が夫婦喧嘩をするとか離婚をするとか、精神病や神経症になるとかいうのは、結局全部、建設的に生きていく勇気がなくなっているからだと思う」(p. 10)

野田先生は、勇気づけのテクニックとして、次の9つを挙げている。

貢献に注目する(「とても助かった」)
過程を重視する(「努力したんだね」)
既に達成できている成果を指摘する(「ずいぶん進歩したね」)
失敗も受け入れる(「努力したのにね」)
成長を重視する(「ずいぶん上手になったね」)
相手に判断を委ねる(「あなたはどう思う?」)
肯定的に表現する(「反省しているんだね」)
⑧「私メッセージ」を使う(「私はそのやりかたは好きだな」)
⑨「意見言葉」を使う(「あなたは正しいと思うな」)

ちなみに、勇気をくじくメッセージは以下の通り。

勝敗や能力に注目する(「偉い、よくやった」)
成果を重視する(「いい成績だね」)
できていない部分を指摘する(「ここがダメだね」)
成功だけを評価する(「なぜ失敗したの?」)
他者と比較する(「あの人よりあなたが上だね」)
こちらが善悪良否を判断する(「こうしたほうがいい」)
否定的な表現を使う(「気が小さいね」)
⑧「あなたメッセージ」を使う(「あなたの考えは間違っている))
⑨「事実言葉」を使う(「あなたは正しい」)

とても微妙な違いである。何が違うのであろうか?

本書の後半において、「相手を尊敬する」ことの重要性が語られているのだが、そこがポイントになるようだ。

つまり、後半の勇気をくじくメッセージは、「自分は偉い」「上から目線」の言葉がけであることがわかる。

それに対し、前半の勇気づけのメッセージは、対等の人間として相手を尊重する言葉がけとなっている。

本書を読み、「相手との関係意識」に気をつけて「勇気づけ」の言葉を使いたい、と思った。


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神は人を分け隔てなさらないことが、よく分かりました

神は人を分け隔てなさらないことが、よく分かりました
(使徒言行録10章34節)
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『秘密』(読書メモ)

池波正太郎『秘密』文春文庫

果し合いで家老の息子を切り殺してしまった片桐宗春は、敵討ちに追われながら、江戸で医者として暮らしている。
(父親が医者だったために、技術は持っているという設定)

いつも「少し軽い小説」が多い池波正太郎作品の中では、味わい深いものがあった。

なぜなら、宗春がいろいろな人に支えらて隠れ暮らしているため、人情が身に染みるからである。

ただ、敵討ちに追われる宗春は、あるとき開き直る

こうした姿勢は、つらい運命に直面したときに大切になるな、と感じた。
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わたしは自分の望む善を行わず、望まない悪を行っている

わたしは自分の望む善を行わず、望まない悪を行っている
(ローマの信徒への手紙7章19節)

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『ロンドン、人生はじめます』(映画メモ)

『ロンドン、人生はじめます』(2017年、ジョエル・ホプキンス監督)

夫を亡くしたエミリー(ダイアン・キートン)は、ロンドンの高級マンションに住んでいるが、夫が残した借金の処理に追われる毎日。

そんなある日、マンションの近くにある公園に掘っ立て小屋を建て、勝手に住んでいるドナルド(ブレンダン・グリーソン)と出会い、新しい生き方を始めるという物語。

ダイアン・キートンは、ちょっと年取ったけれど、やはり上手い。

野菜を育て、魚をつり、池で入浴し、本を読むというドナルドの生活スタイルに感化されたエミリーは、これまでの生き方を見直していく

「あなたの人生の目的は?」「やり直せばいい」というドナルドの言葉が響く。

どうしても慣性の法則が働くのが人生だが、軌道修正のチャンスはある。

本作を観て、そうした機会を見逃さないことが大事だ、と感じた。
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地上での日々は影にすぎない

地上での日々は影にすぎない
(ヨブ記8章9節)

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『留魂録』(2回目の読書メモ)

吉田松陰(全訳注:古川薫)『留魂録』講談社学術文庫

2015年に読んだ『留魂録』を読み返した。

1回目に響いた「人間にはふさわしい春夏秋冬がある」という箇所はやはり一番感銘を受けたが、古川薫氏の「解題」で紹介されていた、高杉晋作への手紙が良かった。

「君は問う、男子の死ぬべきところはどこかと。私も昨年の冬投獄されていらいこのことを考えつづけてきたが、死についてついに発見した。死は好むものではなく、また憎むべきものでもない。世の中にはいきながらえながら心の死んでいる者がいるかと思えば、その身は滅んでも魂の存する者もいる。死して不朽の見込みあらば、いつ死んでもよいし、生きて大業をなしとげる見込みあらば、いつまでも生きたらよいのである。つまり私の見るところでは、人間というものは、生死を度外視して、要するになすべきことをなす心構えこそが大切なのだ」(p. 51)

「なすべきことをなす」とは、使命やミッションのことだろうか。

どんな人にもそれぞれに「なすべきこと」があり、それを見つけ、実践できたら幸せになるのだろう、と感じた。

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