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『オデュッセイア(上・下)』(読書メモ)

ホメロス(松平千秋訳)『オデュッセイア(上・下)』岩波文庫

『イーリアス』は読んでないが(10年くらい前に途中で挫折)、その続編である本作(叙事詩)を読んでみた。

トロイア戦争後、英雄オデュッセウスは故国イタケに帰る途中で遭難し、10年間漂流することに。

なぜか?

それは、海の神ポセイダイオン(ポセイドン)の逆鱗に触れたからである。

しかし、最終的にはイタケに帰ることができる。

なぜか?

それは、女神アテネに気に入られているからである。

という具合に「人間の人生は神々の意向に左右される」という点が本作の特徴。

では、感動したかというと、そうではなく、むしろ面白かった

何が面白いかというと、とても「人間くさい」ストーリーであるところ(神々もかなり人間くさい)。

ちなみに、オデュッセウスは、ずるかったり、セコかったりする人物なのだが、なぜか「がんばれ」と応援したくなる「憎めない人」である。

本作を読み、ギリシャ神話の世界を感じることができて、よかった。
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どうか、主があなたの行いに豊かに報いてくださるように

どうか、主があなたの行いに豊かに報いてくださるように
(ルツ記2章12節)
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ロスト・イン・マンハッタン(映画メモ)

『ロスト・イン・マンハッタン』( 2014年、オーレン・ムーヴァーマン監督)

なんと、あのリチャード・ギアがホームレス役

舞台はニューヨークのマンハッタン。女友達の家に居候していたジョージ(リチャード・ギア)は、彼女がいなくなったためアパートを追い出されてしまう。

プライドが高かったジョージも、徐々に本格的なホームレス状態に陥り、シェルター(保護施設)に入居することに。昔、見捨てた一人娘のところを訪ねても相手にされず「もう来ないで」状態

一番驚いたのは、ホームレス役を完璧に演じているリチャード・ギア。

街でお金を恵んでもらい、そのお金でビールを飲む場面(プシュ、クハーッ)が印象的である。

マンハッタンをさまようジョージの姿が淡々と描かれているのだが、哀愁が漂っていて、なかなか渋い映画だった。

うっすらと希望を感じさせるラストシーンも良かった。

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欲望ははらんで罪を生み、罪が熟して死を生みます

欲望ははらんで罪を生み、罪が熟して死を生みます
(ヤコブの手紙1章15節)
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『ジャクリーヌと日本人』(読書メモ)

ヤーコブ(相良守峯訳)『ジャクリーヌと日本人』岩波文庫

舞台は、1920年代のドイツ、ベルリン(ちなみに、大恐慌の真っただ中)。

音楽家夫婦(私とジャクリーヌ)と、その家に間借りしている日本人研究者「プロフェッサー・ナカムラ」との交流が描かれていて、なかなか味わい深い作品だった。

貧乏生活を強いられる音楽家夫婦に対し、日本から留学に来ているナカムラは羽振りが良い。

それに加え、ナカムラの人間性に好意を持つ妻ジャクリーヌにイライラする音楽家は、「ケッ、黄色人種のくせに」という差別感情を抱く。しかし、彼とつきあっていくなかで、徐々にナカムラの精神性に感銘を受けるようになるという物語。

特に、関東大震災によって日本にいる家族が大変なことになっているにもかかわらず、平静を保つナカムラの態度が「ザ・サムライ」という感じで印象ぶかい。

なお、ナカムラのモデルとなった先生による「解説(追憶?)」が本書の巻末に収録されているのだが、実際のヤーコブやジャクリーヌに対するネガティブなお話が暴露されていてビックリ。

作品と現実のギャップを感じた。



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天から与えられなければ、人は何も受けることができない

天から与えられなければ、人は何も受けることができない
(ヨハネによる福音書3章27節)

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『希望の灯り』(映画メモ)

『希望の灯り』(2018年、トーマス・ステューバー監督)

しぶい映画だった。

舞台は旧東ドイツのスーパーマーケット

無口でがまじめだけれども、どこか暗い過去のありそうな青年クリスチャン(フランツ・ロゴフスキ )がスーパーで働くことに(身体に刺青あり)。

在庫係の先輩ブルーノ(ペーター・クルト)とのウマも合い、徐々になじんでいくクリスチャンだが、スイーツ担当の既婚女性マリオン(ザンドラ・ヒュラー)に恋をしてしまう。

果たして彼の恋や仕事は?

という物語。

まともに生きようという決意は伝わってくるものの、そうは問屋が卸さないのが人生。

いろいろな困難を乗り越えようとするクリスチャンの姿が見どころである。

絶望と希望が交差するラストも良かった。
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深い淵の底から、主よ、あなたを呼びます

深い淵の底から、主よ、あなたを呼びます
(詩編130章1節)
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『バガヴァッド・ギータ―』(読書メモ)

『バガヴァッド・ギータ―』(上村勝彦訳)岩波文庫

有名なヒンドゥー教の古典(タイトルは「神の歌」を意味するらしい)。

とても深い内容で感銘を受けた。

ある一族が2つの軍に分かれて戦争する事態になったとき、一方の派閥の若きアルジュナは「一族でこんな争いをしていよいのか?」と疑問を持ち、親類のクリシュナに相談する。

実はこのクリシュナは神様の化身のような人(聖バガヴァッド)で、人間としてあるべき姿をアルジュナに説く。その内容が本書である。

バガヴァッドの教えとは
・欲望に執着せず
・すべてを神にゆだね
・定められた行為に専念し
・結果を気にするな

ということ。

勇士よ、欲望という難敵を殺せ(p. 49)

執着することなく、常に、なすべき行為を遂行せよ(p. 46)

諸行為をブラフマンに委ね、執着を捨てて行為する人は、罪悪により汚されない(p. 58)

ブラフマンに捧げる行為に専心する者は、まさにブラフマンに到達することができる(p. 53)

あなたの職務は行為そのものにある。決してその結果にはない。行為の結果を動機としてはいけない(p. 39)

行為は、執着と結果とを捨てて行われるべきである(p. 132)

要は、自分の欲望や成果にふりまわされずに、神様から各自に与えられたミッション(使命)に専心しなさい、ということだろう。
(ちなみに、ブラフマンとは「宇宙を支配する原理」という意味らしい)

とてもシンプルで力強い教えである。

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