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あなたの父母を敬え

あなたの父母を敬え
(申命記5章16節)

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モバイル社員とノンモバイル社員

AIG損害保険では、全国転勤を希望するモバイル社員と、自分が選択した地域で働くノンモバイル社員を区分する制度を導入している。

通常は、モバイル社員の処遇を良くするケースが多いが、同社における両者の処遇はまったく同じだという。

執行役員の福富一成氏は「全国型社員と地域限定社員という階層を作るのではなく、転勤がないことが当たり前の会社にしたいのです」と述べている。

ちなみに、モバイルとノンモバイルの比率は20:80で、希望勤務先は首都圏と大阪が多かったらしい。しかし、これは東京と大阪でしか新卒採用をしていなかったためで、新卒採用を全国で実施すれば解決するという。

また、エリアを11と広めにとっており、どのエリアにも部長級の職務が複数存在するため、ノンモバイル社員でも昇進できる構造になっている。

日本企業は、やたらと転勤させる傾向があるが、同社の試みは、ワークライフバランスの観点からも優れていると思った。

出所: Works No. 157, p. 24.
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『ホステス詩集 葉子・愛と命のうた』(読書メモ)

和田よしみ『ホステス詩集 葉子・愛と命のうた』(文藝春秋)

高知県に生まれ、「葉子」の源氏名でクラブホステスとして働き、その後、環境問題に取り組んだ和田よしみさんの詩集。北海道新聞社のカメラマン植村佳弘さんの自然の写真との組み合わせもよかった。

いきなり「裁判」という詩からはじまったのでびっくりした。

確かにあなたはそこにいるのに
あなたはもういない
記録の積み重ねに比例して
あなたは遠くなっていゆく

(p.11)

何を意味しているのかはわからないけれども、響いたのは「ぬれぎぬ」という詩。最後の部分を紹介したい。

わたしのこいは
うすいぬれぎぬのころもをきて
たいざんぼくのきのしたに
ふるえながらうづくまる

(p. 23)

ちなみに、この詩集を作っている途中に、和田さんは重いうつ病にかかってしまったようだ。

「死にたいという強い希求に駆られるたびに「あなたには、やらなけれびけない大事な仕事があるのよ」と自分自身を柔らかく抱きしめた。待ちわびた写真が仕上がってきた時、私はまたもや、呻いた。これほどの作品を私ごときの詩集に使わせていただいていいのだろうか・・・」(p.4)

和田さんの人生が、まっすぐな言葉をとおして伝わってくる詩集である。




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『プロミスト・ランド』(映画)

『プロミスト・ランド』(2012年、ガス・ヴァン・サント監督)

過疎化しつつある農場地域の土地を買収し、天然ガスを採掘するグローバル社に勤務するスティーブ(マット・デイモン)。優秀な成績のため、ついに幹部候補生となる。

ターゲットとなる田舎町で、いつものように金にものをいわせた土地買収をしていたところに、環境保護団体のダスティン(ジョン・クラシンスキー)が現れ、「天然ガスは自然を破壊する」「グローバル社出ていけ」とキャンペーンをはる。そのために、「町の生き残り」VS「自然保護」という戦いが激化する、というストーリー。

アクションものばかり出ていると思っていたマット・デイモンが、本来の演技力を発揮していて見直した。

最後のどんでん返しにも驚いたが、金と力を信じるスティーブの働き方が揺らいでくるところが印象的である。

自分の働く姿勢についても深く内省する機会となった。




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今泣いている人々は幸いである、あなたがたは笑うようになる

今泣いている人々は幸いである、あなたがたは笑うようになる
(ルカによる福音書6章21節)

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『こころの旅』(読書メモ)

須賀敦子『こころの旅』ハルキ文庫

イタリア文学者・随筆家の須賀敦子さんは、31歳のときにイタリア人と結婚するものの、38歳のときに死別することに。本書は、長年生活したイタリアの街や、幼少期を過ごした神戸、そして帰国後のことについて書かれたエッセイ集である。

随筆なのだが、小説のような、美しい文章に圧倒された。どちらかというと、イタリアについて書かれたものよりも、お父さんお母さんの思い出の方がよかった。

ただ、一番印象に残ったのは、須賀さんがひさしぶりにイタリアを訪問するために空港リムジンバスに乗ったときに出会った、耳が聞こえない双子の子供とその姉・母の様子について書かれたエッセイ。少し長くなるが、その一部を紹介したい。

「バスが高速道路を走りはじめてからも、四人の家族は、まるで目には見えない機(はた)を織るように、素早く手先を動かし、あかるい陽のひかりをとおすレースのようにゆびをからみあわせては、たのしげに会話をつづけていた。生まれてはじめて手話を見る気持ちで、私は、みごとな四人の会話を(じぶんではなにひとつ解読できないまま)目で追った。彼らの手の動きが、なみはずれてうつくしいことに気づいたのは、かなりな時間がたってからだったように思う。母親の手の動きはちいさくて、やさしく、娘の手はひらひらと蝶のように舞う。少年たちのは、元気がよくて、大きく左右に振れる。どこの家庭にもあるように、きっと彼らだけに通用することばや感情も、いくつか、この手の動きで表現されているにちがいない。そして、私が彼らの話に見とれていたのが、彼らが手話で話していることのめずらしさから、というのではなくて、手からはじまり、からだぜんたいにそれをつたえようにする、そのしぐさの、音楽的な、といっていい華やぎに、ちょうど声のきれいなひとの会話に耳をかたむけるように見入っていることに気づいたとき、私のまえにこれまで知らなかったあたらしい世界がひらけた思いだった」(p. 146-147)

情景が見えてくるような描写である。

この本に収められているエッセイは須賀さんが60歳を越えてから書かれたものが多いのだが、みずみずしい感性をもって生きておられたことが伝わってきた。いくつになっても「あたらしい世界」を感じとる力をもちたい、と思った。






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『歩いても、歩いても』(映画)

『歩いても、歩いても』(2008年、是枝裕和監督)

亡くなった兄の墓参りのため、実家に帰る良多(阿部寛)一家と、姉ちなみ(YOU)一家、それに、引退した医師である父(原田芳雄 )と母(樹木希林)が織りなす一泊二日の物語。

特別なことが起こるわけではないが、家族の間にある「きしみ」が大きくなったり、小さくなったりしながら、互いの距離が少しずつ縮んでいくというストーリー。

一見穏やかだが時々怖いことを言う樹木希林と、良多の妻役を演じた夏川結衣 が上手かった。

どんな家庭にでも、微妙な対立があるものだが、そこを少しずつ修復していくことが大切になる、と感じさせる映画である。



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茶飲みで交流

日立ソリューションズでは、本社の1フロアを改装して、カフェ風のテーブル席や床置きクッションを置き、お茶やお菓子を提供して、社員がいつでもおしゃべりすることができるようにしたという。

なぜか?

それは、家族やプライベートなど、お互いのことを話してもらうため。労政部・部長代理の林氏は次のように語っている。

「プライベートまでをお互いに知っているほうがチームとして働きやすくなり、結果的によいパフォーマンスが生まれる例はたくさんあります。話すのも惜しいほど時間を切り詰めて仕事するよりも、チームの生産性は高まると考えています」(p. 26)

僕も賛成である。なぜなら、チームの力の基礎は、お互いを信頼しあうことであり、信頼を高める第一歩が「お互いを知ること」だからだ。

同社がこうした取り組みをしている背景には、社員の働き方が多様化し、飲み会が減ったことも関係しているらしい。

酒を飲まなくても交流できる職場ほど、生産性は高い、といえる。

出所:Works 157号、p. 24.


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主は、決してあなたをいつまでも捨て置かれはしない

主は、決してあなたをいつまでも捨て置かれはしない
(哀歌3章31節)

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『燃える水滴』(読書メモ)

若松英輔『燃える水滴』亜紀書房

本屋の詩のコーナーにあったので買ってみた。はじめはちょっとロジカルすぎる詩だなと思ったが、読んでいるうちにグッと入ってきた。

とくに心に残ったのが「掘る人」。一部を紹介したい(p. 17-18)。

「私」という
小さな地面に
自分の身体が
入るくらいの
穴を
掘ることかも
しれないのに

探しているものは
すでに
心のうちに
あって
今のおまえを
支えているかも
しれないのに


「緑色の光」もよかった。とくに次の箇所(p. 28)。

秀でた者でありたいと
少しばかり道を
歩いてはみたが
たどりついたのは
おのれを見失った者たちの
たまり場だった


意外だったのは「あとがき」の言葉。

「中学高校はもちろん、大人になっても詩はどちらかというと苦手だった。詩を書く人はどんな人たちなんだろうと思っていた。だが今では、真剣に書こうとさえすれば、詩は誰にでも書ける、そう確信している」(p.112)

僕も詩が苦手だったのでよくわかる。年齢を重ねると詩の世界が近づいてくるのかもしれない。







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