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『1人飲みで生きていく』(読書メモ)

稲垣えみ子『1人飲みで生きていく』朝日出版社

元朝日新聞編集委員、アフロ記者こと、稲垣えみ子さんのエッセイ。

居酒屋等における「一人飲み」が苦手だった稲垣さんが、「一人飲みの達人」へと熟達していくプロセスが書かれている。

稲垣さんが定義する「一人飲み」とは、さりげなく周囲とコミュニケーションをとり、その場に溶け込み、その場を楽しみながら飲むことである。

ちなみに、誰とも話さずにスマホを見ながら飲むことは「一人飲み」とはいわない(稲垣定義)。

では、どうすればいいのか?

稲垣さんは12の極意を習得しているのだが、最後の極意が響いた。

隣の見知らぬ人の幸せを祈る。それこそが一人飲みの幸せである」(p.144)

周囲の人々をリスペクトしながら飲むことで、「心地よい自分の居場所」ができるという。

こうした考え方は、生活一般についても言えることだ。

僕は一人飲みが苦手なのだが、チャレンジしてみたくなった。



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だれでも高ぶる者は低くされ、へりくだる者は高められる

だれでも高ぶる者は低くされ、へりくだる者は高められる
(ルカによる福音書18章14節)

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『《受胎告知》絵画でみるマリア信仰』(読書メモ)

高階秀爾『《受胎告知》絵画でみるマリア信仰』PHP新書

受胎告知とは、イエスの母マリアが、天使ガブリエルから「あなたは神の子を授かります」と告げられること。この場面を描いた絵画が、近現代の1500年間描かれ続けてきたという。

時代毎に、受胎告知の絵画の移り変わりを解説してくれているのが本書である。

ロマネスク(十世紀末~十二世紀のローマ風様式)→ゴシック(十二世紀後半~十四世紀の教会建築に描かれた絵)→ルネサンス(十五世紀~十六世紀の人間尊重気風)→マニエリスム(十六世紀~のエキセントリックな画風)→バロック(十六世紀末~の生々しい表現)と、時代毎に画風が変わるところが面白い。

一番気に入った絵は、カラヴァッジオ(バロック時代)による受胎告知。

「それまでは美化して端正に描くのが通例であったが、カラヴァッジオはあたかも農民をモデルにしたかのように生々しく表現した」(p. 163)

聖書を読んでいるときのイメージと近い絵である。

神の子イエスと人間を仲介してくれそうなマリアの親しみやすさを感じた。

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『パブリック図書館の奇跡』(映画メモ)

『パブリック図書館の奇跡』(2018年、エミリオ・エステベス監督)

舞台は真冬のオハイオ州シンシナティ。

路上生活者にとって、公立図書館は憩いの場(ほぼ生活の場)。

記録的大寒波が訪れ、シェルター(路上生活者の保護施設)が満杯なため、ホームレスの人々は図書館で一夜を明かそうとするが、それが「不法占拠」とみなされ、大騒ぎになる。

そんな中、ホームレスの理解者であった図書館員スチュアート(エミリオ・エステベス)が、扇動者と誤解されてしまうという物語。

スチュアートは、薬物に手を出し、ホームレスとなった過去を持つのだが、本と出会い、人生をやり直した経験を持つ。「本は命の恩人」という言葉が響く。

図書館の大切さが伝わってきた。

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道しるべを置き、柱を立てよ

道しるべを置き、柱を立てよ
(エレミヤ書31章21節)

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『喜劇 愛妻物語』(映画メモ)

『喜劇 愛妻物語』(2019年、足立紳監督)

柳田豪太(濱田岳)は、売れない脚本家(年収50万円)。幼い娘(新津ちせ)がいるが、コールセンターで働く妻チカ(水川あさみ)の稼ぎで暮らしている。

ゆえに、ストレスが溜まっているチカは常に怒っており、しかも、ほぼアル中状態である。

取材のため家族で香川旅行に行くことになった道中を描いたのが本作。

プライドが高く好色なダメ夫を演じる濱田岳が上手いのは予想できたが、豪太を罵倒する水川あさみのブチ切れ演技が凄まじい。

喜劇というより「悲劇」としか言いようのないストーリー展開で、途中から観るのがつらくなってきた・・・

「観なきゃよかった」と思ったが、最後の場面が良くて、「やっぱり観てよかった」と感じたのが不思議である。

夫婦が支え合うこと」の大切さが伝わってきた。

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『柚子の花咲く』(読書メモ)

葉室麟『柚子の花咲く』朝日文庫

葉室麟は今回で4作目だが、どれもよい。

ファンだった藤沢周平の作品(かなり似ている)をだいぶ前に全て読んでしまったので、うれしい発見である。

子供の頃に通った村塾の先生が他藩で殺され、それを探索に行った友人も殺されたことで、自ら事件の究明に当たる武士・筒井恭平が主人公。

後半になっても犯人が分からない中、意外な人物が犯人であったことが判明するなど、ミステリーとしてもよく出来ている。

本書のメッセージは「好きな人への思いがあれば、生きていける」ということ。

一歩間違うと危ない考え方であるが、ストーリー的には響いた。

別の作品も楽しみである。




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肉の思いは死であり、霊の思いは命と平和であります

肉の思いは死であり、霊の思いは命と平和であります
(ローマの信徒への手紙8章6節)

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『アニー・ホール』(映画メモ)

『アニー・ホール』(1977年、ウディ・アレン監督)

コメディアンのアルビー・シンガー(ウディ・アレン)は、アニー・ホール(ダイアン・キートン)と付き合うようになるが、別れたり、また付き合ったりを繰り返す。

というだけのストーリーなのだが、なぜか味があり、余韻もある。

なぜか?

それは、よくわからないのだが、「相性」という、男女が惹かれ合う本質を突いた作品だからなのだろう。

この映画の半分くらいは、ウディ・アレンとダイアン・キートンの個人的魅力でもっている気がした。

特に、常にジョークと皮肉を言い続けているウディ・アレンの世界に引き込まれてしまう。

本作を観て、「感性の合う人」との出会いは宝物だな、と思った。









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『孤高の人』(読書メモ)

新田次郎『孤高の人(上・下)』新潮文庫

昭和初期に活躍した「不世出の登山家」加藤文太郎の物語である。

通常の登山は複数メンバーから成るパーティを組むのだが、文太郎の場合は、一人で登る「単独行」であることが特徴。性格も無口で孤独を愛し、まさに「孤高の人」なのだ。

本書では、文太郎が15歳で神戸の造船会社の研修所で学び、技手・技師をしながら、休日を利用して驚異的な登山記録を打ち立てていく様子が描かれている。

ちなみに、小説の冒頭にて、文太郎が「31歳で山で遭難して亡くなった」ことが語られる。

なぜか?

それは単独行ではなく、友人とパーティを組んだためである。

本書で感動するのは、文太郎の創意工夫。単独行で必要な、食料、装備、雪洞の作り方、眠り方などを日ごろから研究しているところがすごい。

僕もどちらかというと「単独型」なので、響いた。

自分の気質にあった「スタイル」を見極め、「研鑽」を怠らないことが大事だと思った。


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