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『くちびるに歌を』(映画メモ)

『くちびるに歌を』(2015年、三木孝浩監督)

新進気鋭のピアニスト柏木ユリ(新垣結衣)は、産休に入った友人の音楽教師の代わりに、長崎県の五島にある母校の中学に赴任する。

なぜ期待されているピアニストが中学の代理教師に?

という謎は後から解ける

ちなみに、ユリはまったくやる気がなく(やってられるかオーラ全開)、しょうがなく引き受けた合唱部の活動にも無関心。

そんなユリが変わるきっかけは、途中から入部したサトル(下田翔大)の存在。

知的障害がある兄の送り迎えをしなければならないので合唱部の活動を諦めかけるものの、家族のサポートにより復活。そのプロセスを知ったユリがやる気を見せ始めるのだ。

ちなみに、サトル役の下田翔大の演技が天才的である。

バラバラだった合唱部だが、コンクールに向けて一致団結していくというストーリーはよくあるパターンだけれど、けっこう感動した。

本作を観て、人を導いているようで、実は自分が導かれていることが多いな、と思った。
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あなたは万物に命をお与えになる方

あなたは万物に命をお与えになる方
(ネヘミヤ記9章6節)
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『ジャン=ジャック・ルソー』(読書メモ)

桑瀬章二郎『ジャン=ジャック・ルソー:「いま、ここ」を問い直す』講談社現代新書

『社会契約論』や『エミール』で有名な思想家ルソー(1712- 1778年)の評伝。

時計職人の子供としてスイス・ジュネーブに生まれたルソーは父親に捨てられた後、彫刻師の徒弟を辞めて16歳で放浪し、ヴァランス男爵夫人の家に暮らすようになる。

一番驚いたのは、多方面で活躍し、その後の学問に大きな影響を与えたルソーは、ほぼ独学(読書)だったこと。

もう一つ驚いたのは、「人間や教育はどうあるべきか」について高邁な思想を発表していたルソーが、自分の子供5人の養育を拒否し、孤児院に入れていたこと。

かなり勝手な人である。

ただ、死ぬまで、さまざまな分野でオリジナリティのある理論を生み出し続けたルソーはまぎれもなく天才だろう。

本書は、著者の「ルソー愛」が満ち溢れていて、ルソーの本を読みたくなった。





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しかし、働いたのは、実はわたしではなく、わたしと共にある神の恵みなのです

しかし、働いたのは、実はわたしではなく、わたしと共にある神の恵みなのです
(コリントの信徒への手紙1・15章10節)
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ベルリン天使の詩(映画メモ)

『ベルリン天使の詩』(1987年、ヴィム・ベンダース監督)

大学生のとき名画座で観たが、寝てしまい後半部分を覚えていないので、改めて観た。

天使ダニエル(ブルーノ・ガンツ)が、サーカスでブランコ乗りをしているマリオン(ソルベーグ・ドマルタン)に恋をし、人間として生きる物語。

そんな簡単に天使を辞めることができるとは驚きである。

ちなみに、映画の前半部分は天使としての活動(白黒)、後半部分は人間としての活動(カラー)から成るのだが、前半の方が渋くて良かった。

大学生のときには眠くてしかたなかったが、歳をとってから見ると違うものである。

なお、天使たちは、いろいろなところにいて、人間を見守り、支えている。悩んでいる人の隣に座り、励ますと、人間の方では「なんだこの心地よい感じ?」となり、ポジティブな考え方に変わるところが印象的。

人間が神々に導かれて生活している『オデュッセイア』(ホメロス)を思い出した。

自分がポジティブなときには、天使が励ましてくれているのかもしれないな、と思った。

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わたしにつながっていなさい

わたしにつながっていなさい
(ヨハネによる福音書15章4節)
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『ノーサンガー・アビー』(読書メモ)

ジェイン・オースティン『ノーサンガー・アビー』ちくま文庫

これでジェイン・オースティンもの4冊目であるが、読み始めて「エッ、これ本当にジェイン・オースティンが書いたの?」と思ってしまった。

なぜなら、書きっぷりがなんとなく洗練されていないから。やたらと、著者のナレーションが入っているのも不自然である。

良く調べたら、本作はジェイン・オースティンの(実質的)1作目の作品であることが判明。

「ジェイン・オースティンでも、駆け出しのころは未熟だったんだ」と少し身近に感じた。

なお、ノーサンガーとは地名のことで、アビーとは元修道院だった屋敷を指す。

中の上の家庭に属する、17歳少女キャサリンが主人公。真っすぐで素直な性格だが、小説の読みすぎで妄想癖がある。

そんな彼女が、(当時の小説の舞台になることが多かった)アビーに滞在しているときに展開するストーリーが本作。

性格が良い好青年と出会い、いろいろな障害を乗り越えていくという点では『マンスフィールド・パーク』と似ている。

そして、癖のある人物がたくさんいて、物語を盛り上げる「朝ドラ的作り」はお決まりのパターン。

アリストテレスは『ニコマコス倫理学』の中で、「徳のある人とつきあえ」と言っているが、本作を読み、改めてそのことの大切さを感じた。
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どうして、人が清くありえよう

どうして、人が清くありえよう
(ヨブ記15章14節)

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『おひとりさま族』(読書メモ)


『おひとりさま族』(2021年、ホン・ソンウン監督)

なかなか渋い映画だった。

クレジットカード会社のコールセンターに勤務するジナ(コン・スンヨン)は成績抜群だが、(お客さん以外)誰ともコミュニケーションをとろうとしない孤高の人

とにかく、いつも無表情。通勤時や昼食時は独りでスマホ動画を見て、自宅でもテレビをつけっぱなし。

そんな彼女だが、隣人の孤独死、新人指導、母の死、嫌いな父の出現をきっかけに変わり始める、という物語。

本作を観て、孤独に耐えているジナの強さを感じると同時に、スマホやテレビに逃げている弱さも感じた。

「生の人」に向き合うことの大切さが伝わってきた。
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暗闇に追いつかれないように、光のあるうちに歩きなさい

暗闇に追いつかれないように、光のあるうちに歩きなさい
(ヨハネによる福音書12章35節)

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