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ベルリン天使の詩(映画メモ)

『ベルリン天使の詩』(1987年、ヴィム・ベンダース監督)

大学生のとき名画座で観たが、寝てしまい後半部分を覚えていないので、改めて観た。

天使ダニエル(ブルーノ・ガンツ)が、サーカスでブランコ乗りをしているマリオン(ソルベーグ・ドマルタン)に恋をし、人間として生きる物語。

そんな簡単に天使を辞めることができるとは驚きである。

ちなみに、映画の前半部分は天使としての活動(白黒)、後半部分は人間としての活動(カラー)から成るのだが、前半の方が渋くて良かった。

大学生のときには眠くてしかたなかったが、歳をとってから見ると違うものである。

なお、天使たちは、いろいろなところにいて、人間を見守り、支えている。悩んでいる人の隣に座り、励ますと、人間の方では「なんだこの心地よい感じ?」となり、ポジティブな考え方に変わるところが印象的。

人間が神々に導かれて生活している『オデュッセイア』(ホメロス)を思い出した。

自分がポジティブなときには、天使が励ましてくれているのかもしれないな、と思った。

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わたしにつながっていなさい

わたしにつながっていなさい
(ヨハネによる福音書15章4節)
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『ノーサンガー・アビー』(読書メモ)

ジェイン・オースティン『ノーサンガー・アビー』ちくま文庫

これでジェイン・オースティンもの4冊目であるが、読み始めて「エッ、これ本当にジェイン・オースティンが書いたの?」と思ってしまった。

なぜなら、書きっぷりがなんとなく洗練されていないから。やたらと、著者のナレーションが入っているのも不自然である。

良く調べたら、本作はジェイン・オースティンの(実質的)1作目の作品であることが判明。

「ジェイン・オースティンでも、駆け出しのころは未熟だったんだ」と少し身近に感じた。

なお、ノーサンガーとは地名のことで、アビーとは元修道院だった屋敷を指す。

中の上の家庭に属する、17歳少女キャサリンが主人公。真っすぐで素直な性格だが、小説の読みすぎで妄想癖がある。

そんな彼女が、(当時の小説の舞台になることが多かった)アビーに滞在しているときに展開するストーリーが本作。

性格が良い好青年と出会い、いろいろな障害を乗り越えていくという点では『マンスフィールド・パーク』と似ている。

そして、癖のある人物がたくさんいて、物語を盛り上げる「朝ドラ的作り」はお決まりのパターン。

アリストテレスは『ニコマコス倫理学』の中で、「徳のある人とつきあえ」と言っているが、本作を読み、改めてそのことの大切さを感じた。
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どうして、人が清くありえよう

どうして、人が清くありえよう
(ヨブ記15章14節)

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『おひとりさま族』(読書メモ)


『おひとりさま族』(2021年、ホン・ソンウン監督)

なかなか渋い映画だった。

クレジットカード会社のコールセンターに勤務するジナ(コン・スンヨン)は成績抜群だが、(お客さん以外)誰ともコミュニケーションをとろうとしない孤高の人

とにかく、いつも無表情。通勤時や昼食時は独りでスマホ動画を見て、自宅でもテレビをつけっぱなし。

そんな彼女だが、隣人の孤独死、新人指導、母の死、嫌いな父の出現をきっかけに変わり始める、という物語。

本作を観て、孤独に耐えているジナの強さを感じると同時に、スマホやテレビに逃げている弱さも感じた。

「生の人」に向き合うことの大切さが伝わってきた。
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暗闇に追いつかれないように、光のあるうちに歩きなさい

暗闇に追いつかれないように、光のあるうちに歩きなさい
(ヨハネによる福音書12章35節)

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『説得』(読書メモ)

ジェイン・オースティン(中野康司訳)『説得』ちくま文庫

『マンスフィールド・パーク』を読んでから、ジェイン・オースティンにはまりつつある。

今回の舞台も、准男爵家

無駄遣いするナルシストの父親サー・ウォルター・エリオット、気位が高い長女エリザベス、すぐ感情的になる三女メアリーといった一癖ある家族に囲まれて暮らしている次女アンが主人公。

やさしく教養のあるアンは、19歳のときに、自信はあるがお金がなかった軍人ウェントワースから求婚されるが(相思相愛)、父親や、母親代わりのラッセル婦人から反対されて結婚を断念した経験がある(現在、27歳)。

そこに金持ちになったウェントワース大佐が再び現れ、アンの気持ちが揺れ動く、という物語。

オースティン作品は、狭い人間関係の中でストーリーが展開する「朝ドラ的」なところに特徴があるが、読みだしたら止まらないのは今回も一緒だった。

ただし、ストーリーが面白いだけでなく「人間(夫婦)とはどうあるべきか」を問うているところが哲学的である。

昨日書店で『分別と多感』『ノーサンガー・アビー』も買ってしまった。
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たとえ闇の中に座っていても 主こそわが光

たとえ闇の中に座っていても 主こそわが光
(ミカ書7章8節)
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あなたを尋ね求める人は見捨てられることがない

あなたを尋ね求める人は見捨てられることがない
(詩編9章11節)

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『丘の上の本屋さん』(映画メモ)

『丘の上の本屋さん』(2021年、クラウディオ・ロッシ・マッシミ監督)

自然あふれるイタリア郊外にある小さな古本屋さんが舞台。

リベロ(レモ・ジローネ)は、こだわりを持つ筋金入りの古書店主。

本作品は
①隣のカフェの店員二コラ(コッラード・フォルトゥーナ)との交流
②アフリカからの移民の子供エシエン(ディディー・ローレンツ・チュンブ)に対する教育サポート
③ゴミ箱に捨てられていた日記(1957年代の日記)
から構成されている。

なかでも、貧乏なエシエンに、マンガ→子供向け童話→本格的小説を貸してあげて、導いていくプロセスが感動的である。

本に対する「愛」が伝わってきた。

挿入されているピアノ(ときどきギター)も美しい。

トータルな意味で珠玉の作品なので、是非観てほしい。

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