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業務委託でぬるま湯打破

以前、『トウキョウソナタ』という映画を観たとき、主人公(香川照之)であるタニタ総務部の課長がリストラされる場面があった。正式にはリストラではなく、「あなたの仕事を自分で見つけてください」と言われたのだが。

この映画を見たとき、なぜ社名を出すのか?と不思議に思った。

4月7日の日本経済新聞に、「「あえて退社」タニタの選択」という記事を読み、少し納得がいった。

タニタでは、「ぬるま湯体質」を変えるために、正社員に退社してもらい業務契約を結ぶ制度を導入したらしい。

「新制度導入は17年。現在24人の元正社員が個人事業主として働いている。働く側の利点は就業規則に縛られないこと。いつどこで何時間、働くかは自由だ」「正社員ではなくなるが、業務委託契約を結び、退社前の仕事と収入は保証される」という。

なお、問題は不安定さだが、タニタでは安全網を用意している。

「業務委託契約は仕事と報酬を1年ごとに見直して3年契約を結び直す。二瓶琢史社長補佐は「何かあっても前年に結んだ契約が残り2年有効。突然収入ゼロにはならない」と説明する」とのこと。

ある程度の心理的安心がないと挑戦できないので、ここがポイントである。

まだ手を上げた人は少ないようだが、こうした制度があり、選んだ人がいることで、社内に良い意味の緊張感が生まれるだろうな、と思った。

出所:日本経済新聞2020年4月7日(p.13)
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『アキレスと亀』(映画メモ)


『アキレスと亀』(2008年、北野武監督)

売れない画家・真知寿(まちす)(ビートたけし)と、彼を支える妻(樋口可南子)の歩みを描いた作品である(主に後半)。

結婚してからは妻に働かせて、自分は絵ばかり描いている真知寿だが、まったく売れない。怪しい画商(大森南朋)の批評に振り回されて、いろいろと試してみるのだが、いつもダメ出しばかりされてしまう。

この映画を観て感じたのは、他人の評価気にしすぎると、自分の仕事ができなくなるということ。

一見純粋そうな真知寿だが、いったい何のために絵を描いているのだろうか、という疑問が生じた。

絵を描きたいというエネルギーはあるのだが、何を描きたいのかを見失っているのだ。

しかし、「じゃあ、自分はどうなんだ?」と言われると、「うーん」という感じになってしまう。

「自分らしさ」をつらぬくことの難しさを感じた。






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人の行いが正されずに済むであろうか

人の行いが正されずに済むであろうか
(サムエル記上2章3節)

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『シェリ』(読書メモ)

コレット(河野万里子訳)『シェリ』光文社

25歳の美男子シェリを愛人にして囲っている、美貌の元高級娼婦レア(49歳)。シェリの結婚を機に別れたものの、互いの心が揺れながら物語が進むという展開。

むかむかするようなストーリーのため、もう読まないと決意したが、その後に読んだ本がイマイチだったので再開したところ、なかなかの小説であった。

本書は、作者コレットの自叙伝的な小説らしいが(この本を書いたときには47歳)、レアの人生観が印象的だった。

人生=戦い」である。

心の許せる友人はおらず、常に他者と駆け引きをし、勝利を目指すという生き方だ。シェリも、自分に服従するペットのように飼いならしている。

しかし、そんな彼女にも難敵が現れる。

それは「老い」である。

本書の後半は、レアが老いと戦いながら、自分の生き方を見つめなおすプロセスが描かれており、最初の悪印象が逆転し、名著であることがわかった。






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『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』(映画メモ)

『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』(2015年、ジェイ・ローチ監督)

舞台は、「赤狩り」が吹き荒れる1950年代の米国ハリウッド。

売れっ子脚本家のダルトン・トランボ (ブライアン・クランストン)は、共産主義者のため映画業界から締め出されてしまうが、偽名を使ってこっそりと仕事を続け、『ローマの休日』をはじめとしたヒット作を出し、やがて実名で復活を果たすという物語。

役者の演技、スピード感、ストーリーの魅力、すべてがそろった名作である。

印象に残ったのは、小さな娘が「私も共産主義なの?」と質問したときの会話(思わずメモった)。

トランボ:好物の弁当は?
娘:ハムサンド。
トランボ:それを学校に持っていった日に弁当のない子がいたら?
娘:分ける
トランボ:働きに行けとは言わないのか?
娘:言わない
トランボ:金を貸すのか。利息6%で。知らんぷりするのか
娘:違うよ
トランボ:おやおやちびっ子共産主義者だな


確固とした政治信念、脚本家としての才能、家族への愛にあふれるトランボだが、無意識の「名声への執着」によって、家族との絆が壊れかけるところが見どころである。

ワーク・ファミリー・バランスの難しさを感じた。





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集中する方法

目の前の仕事に集中できず、つい別のことを考えたり、行ったりしてしまう人は多いのではないか。

では、どうしたら集中できるのか?

臨床心理学者のマイケル・リプソンによれば、「集中できなくなるプロセスを知る」ことが、集中するために有効だという。

ちなみに、人は次のようなプロセスをたどることが多いらしい。

①集中する対象を選択する
②対象に向けた注意がさまよい始める
③心がさまよっていることに気づく
④最初の対象に集中し直す


こうしたプロセスを理解し、自分が②の状態になっていることに気づくこと自体が、集中力を高めることにつながる、というのがリプソンの考えである。

とてもシンプルだが、要は、自分を俯瞰する「メタ認知」を働かして、「おいおい注意散漫になってるぞ」と自分につっこむことがポイントだといえる。

出所:DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー2020年3月号, p. 72-74.


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まず、杯の内側をきれいにせよ。そうすれば、外側もきれいになる。

まず、杯の内側をきれいにせよ。そうすれば、外側もきれいになる。
(マタイによる福音書23章26節)

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『汚れっちまった悲しみに・・・』(読書メモ)

中原中也『汚れちまった悲しみに・・・』童話屋

中原中也の詩は初めて読むが、言われているほど悲しみや絶望を感じることはなく、むしろ自然体でマインドフルな詩が多いような気がした。

有名な「汚れっちまった悲しみに・・・」もかっこいいけれども、『嬰児』という詩がよかった。さわりの部分だけ紹介したい。

カワイラチイネ、
おまえさんの鼻は、人間の鼻の模型だよ、
ホ、笑ってら、てんでこっちが笑うと、
いよいよ尤(もっと)もらしく笑いだす、おまえは
俺の心を和らげてくれるよ、ほんにさ、無精に和らげてくれる、

(p. 144)

自分の子どもだろうか。その場の情景が浮かんでくるようだ。

『頑是ない歌』も心にしみた。以下は、途中の部分。

今では女房子供持ち
思えば遠く来たもんだ
此の先まだまだ何時までか
生きてゆくのであろうけど

生きてゆくのであろうけど
遠く経て来た日や夜の
あんまりこんなにこいしゅては
なんだか自信が持てないよ

(p156-157)

自分の気持ちを正直に綴った日記を読んでいるようだ。

30歳で亡くなった中也の晩年は悲しいことばかり続いたようだが、詩が彼を支えていたのだろう。そして、中也の詩が、多くの人を支えていくのだろう。






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『しあわせの絵の具』(映画メモ)

『しあわせの絵の具:愛を描く人モード・ルイス』 (2016年、アシュリング・ウォルシュ監督)

実話にもとづく名作である。

カナダで叔母と暮らすモード(サリー・ホーキンス)は、リウマチによる障害のため、家族からやっかい者扱いをされている女性。

魚の行商をしているエベレット(イーサン・ホーク)の家に、無理やり家政婦として住み込むことになり、やがて結婚する(ちなみに、とても小さい家)。家の壁に描きまくるモードの絵が注目されるにしたがい、逆に夫婦仲がぎくしゃくしていくというストーリー。

孤児院出身でぶっきらぼうだが、実は優しいエベット役のイーサン・ホークの演技がよかった。二人の距離が少しずつ縮まっていくプロセスが美しい。

なぜ絵を描くの?という問いに対するモードの答えがこころに響いた。

「私は多くを望まないから。絵筆が目の前にあれば満足なの

エンドロールで紹介されるモードの絵は「オリジナリティ」に満ち溢れるものばかり。「自分らしさ」の大切が伝わってくる映画だった。









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自分らしい目標

Stavrovaらの研究によれば、セルフコントロール力のある人は、目標を達成する傾向にあるという。これはあたりまえだといえる。

ただ、彼らは重要な媒介変数を見つけた。

それは、「自分らしい目標(authentic goals)」である。

つまり、自分を管理する能力が高い人は、「自分に合った目標」を持つことで、それを達成していたのである。

厳しい状況を乗り越えなければならないとき、心から取り組める「自分らしい目標」をみつけることができるかが達成のポイントになる、と感じた。

出所:Stavrova, O., Pronk, T., & Kokkoris, M. D. (2019) Choosing goals that express the true self: A novel mechanism of the effect of self-control on goal attainment. European Journal of Social Psychology 49 (2019) 1329–1336.
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