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タイムリミットテーブル

タイムリミットテーブルというものがあるらしい。設定した時間になるとテーブルが上方にせり上がり、会議終了を知らせるという。長々と続く非生産的な会議に悩まされている職場には有効だろう。

30分毎に少しずつ机の高さが上がっていく仕掛けも面白いかもしれない。このテーブルを買うお金がなければ、コンポ等を利用して、30分毎に音楽が変わるようにしておき、最後には「ほたるの光」が流れて会議の終了を告げるというのはどうだろうか。

時間=コスト」を意識させる楽しい仕掛けがあると、会議の生産性も上がるような気がする。

出所:日経産業新聞2008.5.15
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悪いことばを、いっさい口から出してはいけません

『悪いことばを、いっさい口から出してはいけません。』
(エペソ人への手紙4章26節)

聖書には、「自分が発する言葉に気をつけるように」と教える箇所が多い。ちっとした言葉でも、私たちは大きなダメージを受けることがある。言った後で気づくことも多い。自分の言葉の重みを考えることは、良い対人関係を作る上でも大切である。

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できないことを練習する

熟達研究で有名なエリクソンによれば、「一流の人材は才能ではなく練習によって生み出される」という。「どの分野においても、国際水準の業績に達するには、最低でも10年の練習が必要になる」という「10年ルール」を提唱しているのでも有名だ(10年ルールは他の人も主張しているが)。

彼が強調しているのは、「質の高い反復練習」と「よき指導者につく」こと。

反復練習に関しては、苦手なことを練習することが大事だという。トップ・プロゴルファーのサム・スニードの言葉が印象的だ。「できることばかり練習してしまうのは人の常である。そのほうが、できないことを練習するよりはるかに簡単で楽しいからだ(p51)」居心地のよい環境を捨て、高い目標に向かって自らを動機づけることが大切になる。

また、一流の人材たちは、成長段階に応じて、異なるタイプの教師に師事しているという。一流の指導者は、スキルを次のレベルに発展させるために、どのタイミングで、どのような課題を与えればよいかをわきまえている、とのこと。なお、レベルが高まった段階では、自らを教育するセルフ・コーチングも必要となる。

自分を振り返ってみると、できることばかり繰り返していることに気づいた。成長するためには、自らをストレッチする課題に取り組むことが大切なのだろう。

出所:Ericsson, K.A., Prietula, M.J., and Cokely, E.T. 「一流人材のつくり方」Diamond Harvard Business Review, March, 2008, 44-54.
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まずは手作業で効率化

キャノン電子は、業務改善によってムダをなくし利益率を高めていることで有名だ。作業効率を高める活動の中で面白いと思ったのは次の点。

手作業によって効率的な製品設計や生産工程を追及する。その後にどのような機械を導入すべきかを考える。この手順を踏まないと、余分な機能を持った機械になり、ラインの効率が悪くなってしまう。」キャノン電子の工場では、最新鋭の設備だけでなく、百円ショップで購入したじょうろの口などを材料にして作った機械もあるという。

これは、新しい経営手法を導入するときにも言えることである。CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)にしろBSC(バランス・スコア・カード)にしろ、コンサルティング会社のプログラムをそのまま導入しようとすると会社の実情に合わずに機能しないことが多い。革新的企業は、自分たちの手作りで新しい事を始める傾向にある。

まずは、自分たちの頭で考え、体で感じることが大切だと思った。

出所:日経産業新聞2008.5.14
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相手の目を見て話す

昨日、ゴールデンウィークのためにつぶれていた経営学原理Ⅰの授業がひさしぶりにあった。いつものように「講義→個人分析→グループディスカッション」を3回繰り返した。問題はグループディスカッション。深く話し合いをするために、次の点に注意してもらった。

①相手の目を見て話を聞く
②確認の質問をする
③賛成の意を伝える
④賛成できないところを伝える
⑤その理由や根拠を伝える

以前はお互いの意見を出し合って終わりだったディスカッションが長く続くようになり、内容も深まったようだ。学生のコメントを見ると「相手の目を見る」ことの大切さに気づいたという意見が多かった。

「話している人がうなずいてくれたり共感してくれるのって、すごくうれしいものだと思いました」

「相手の目を見てディスカッションすることで、相手が自分の意見に納得しているかどうかがわかってとても良かった」

などなど。

僕が研究上でインタビューするときに大切だと思うことは、相手の目を見て、相手の世界に入っていくこと。そして、共感できるところは心から共感し、疑問に思うことは素直に聞く。そうすると、新しい世界がすっと開ける気がする。
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孤独な社長のコミュニティ

社長は孤独である、と聞く。社内に相談する相手が少ないからだ。カリスマ経営者と言われるような人達は、何でも一人で切り開いているのだろう、と思っていたが、どうも違うらしい。

経営者の私的勉強会である「125だるまの会」のメンバーは個性派ばかり。ドトールコーヒーの鳥羽氏、ファンケルの池森氏、AOKIホールディングスの青木氏、富士ソフトの野沢氏などなど、ツワモノ経営者が顔をそろえている。ビジネス雑誌のインタビューなどを読むと、「この人はスーパーマンか」と思ってしまうような人ばかりである。

この会では、企業のトップが集まり、経営のこと、余暇の過ごし方、相続対策などあらゆることを腹蔵なく話し合う。まさに「実践コミュニティ」(community of practice)である。

これほど強力な人達でさえ、一人だけで学ぶことに限界を感じ、他者から学んでいる。ということは、ほとんどの人が「情報を交換しアドバイスを与え合うコミュニティ」を必要としている、と言えるのではないだろうか。

出所:日経産業新聞2008.5.13
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あなたは私たちの陶器師です

『私たちは粘土で、あなたは私たちの陶器師です。私たちはみな、あなたの手で造られたものです。』
(イザヤ書64章8節)

この御言葉を読んで、マックス・ルケードが書いた「たいせつなきみ」(フォレスト・ブックス)という絵本を思い出した。ウィミックスという木の小人たちの世界のお話しなのだが、彼らはルックスや頭が良いと「お星様シール」を貼り、失敗したり見栄えがわるいと「だめじるしシール」をくっつけあっている。主人公のパンチネロは、体じゅうにだめシールを貼られてしまっている。しかし、ある日、お星様シールもだめじるしシールもくっつかないルシアというウィミックスに出会う。なぜシールがくっつかないのか?それは彼女が、ウィミックスを造っているエリ(人形製作師?)のところに毎日会いに行くからだ。パンチネロは、エリのところに行き、自分がたいせつに思われていることに気づく。そして帰り際、パンチネロの身体から「だめじるしシール」が一つ落ちる、という話である。

自分たちが造られた者であることを意識すると、少し違った視点を持つことができると思う。
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今日の残業は本当に必要か

日本には、長く働くことを美徳とする文化がある。早く仕事を終えて家に帰るときにはなんとなく後ろめたい気がするし、逆に、夜遅くまで仕事をしていると「俺って頑張ってるな」と思ってしまう。しかし、その感覚は健全といえるだろうか?

ソフト開発会社のソフトブレーンは、無駄な残業を廃止することで業績アップさせることを目指している。入社4年目で、8人からなるチームのリーダーを務める島田智司氏は、次のように語っている。

「スケジュールと仕事の内容を聞き、今日必ずすべきことか、早くこなす手法はないのかを問いかける。それが大量で、やりきれなければチーム全員に割り振ることもあります。大切なのは、「今日の残業は本当に必要かどうか」を考えさせること。言われたことを言われたままにやるだけでは、改善も進歩もありません。」

同社では、次のような試みをして、業務を効率化している。

・オフィスの空いている席を自由に使う「フリーアドレス制」を導入することで、その日の業務にかかわる人の近くに座ることができる。これによって、その場でミーティングができるなど、情報共有が促進される。

・集中して仕事をしたい人のために、窓に向かって静かに仕事に打ち込める席、スクリーンを下ろして孤立したスペースを作っている。そこで仕事をしている人は「仕事に集中したいんだな」という暗黙の了解ができる。

・各部で行われる「朝会」のときに、各人がその日にすることや目標を宣言する。上司は、なるべく仕事を均一化するとともに、宣言が達成されたかどうかをチェックする。

などなど。こうした試みは、生産性を高めるとともに、ワーク・ライフ・バランスを高めてメンタルケアにもつながる。仕事に集中できる環境を整え、自らの活動の質をチェックし、「今日の残業は本当に必要かどうか」を問うことは、職場における学びを促進する、と思った。

出所:「働く環境の効率化で時短と業績アップを目指す」Works, Feb.-Mar., 2008, 22-25.
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若手社員の自己診断

毎日コミュニケーションが24-29才の男女454人を対象に実施したアンケート結果が日経産業新聞(2008.5.8)に掲載されていた。彼らが感じている自分自身の強みと弱みは次のとおり。

強み
1位 規律性
2位 傾聴力
3位 状況把握力
4位 実行力
5位 柔軟性

弱み
1位 創造力
2位 発信力
3位 ストレスコントロール力
4位 働きかけ力
5位 主体性

24-29才といえば、大卒後2~7年くらいの経験を積んでいる人々だ。「最近の若手は・・・」と嘆く管理職層の感覚とは裏腹に、「規律性」や「傾聴力」が上位に来ているところが面白い。若い人は若い人なりに、職場の規律を守り、上司や先輩の話を聞いているのだろう。「実行力」にも自信を持っているのは意外だった。

一方、弱みとして挙げられているのは、「自分が主体的に作り上げ、働きかけ、粘り強く、発信していく力」である。何とか自分ひとりの力で仕事ができるようになったこの世代の社会人が乗り越えるべき壁だ。こうした力を獲得できるかどうかで、30代以降の伸びが違ってくる。

ただ、自分の能力を正確に判断できるということは、メタ認知能力が高まっていることを示している。批判されることの多い若手社員であるが、今回のアンケート結果を見て、これからの彼らの成長が期待できると感じた。
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自己組織化

自己組織化の理論で有名な今田高俊氏のインタビュー記事を読んだ。印象に残ったのは「外部環境に適応する受動的な変化は第二級の適応であり、第一級の適応は自らの意思で能動的に変化すること」という言葉である。

ところで、自己組織化とは何か?今田氏によると「システムが環境との相互作用を営みつつ、自らの手で自らの構造をつくり変えていく性質の総称」が自己組織化である。

真の自己組織化とは「自分の中に変化の兆しを読み取り、これを契機に新しい構造や秩序を立ち上げること」らしい。この言葉は大切だと思った。個人も組織も自分なりのスタイルができてしまうと安定して、自己を変革することが難しい。しかし、「変化の兆し」はあるはずだ。それを「見て見ぬ振り」をするか「向き合うか」で、大きな違いが生まれる。

今田氏は、自己組織化の条件として次の4点を挙げている。すなわち、①創造的な「個」の営みを優先する、②ゆらぎを秩序の源泉とみなす。③不均衡ないし混沌を排除しない。④コントロール・センターをみとめない、という点。この中で大切だと思ったのは、「個人」の活動を重視しているところ。

自らを変えることのできる組織では、創造的な個人が動きやすい環境を意図的に作り出しているように思える。変化の基点は、やはり個人である。「破壊なくして創造はありえません(p92)」とあるが、組織を創造的に破壊できる人を発掘し、育て、活躍の場を与えることが自己組織化にとって重要になると感じた。

今田氏はフランスの哲学者アンリ・ベルグソンによる「持続とは変化を続けることである」という言葉を引用し、「変化しないで持続することはありえない」と述べている。このとき、変化を促すドライバーが「生き残りのため」なのか、「使命感」なのか、その比重によって変化の質も違ってくると感じた。

出所:今田高俊「自己組織化の条件」Diamond Harvard Business Review, March, 2003, 88-101.
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