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『モリー先生との火曜日』

『モリー先生との火曜日』(ミッチ・アルボム著、別宮貞徳訳、NHK出版)を読んだ。

モリー先生とは、著者の大学時代の恩師のこと。難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)に冒されていて寝たきりである。スポーツコラムニストとして仕事中心の生活を送っている著者は、ひょんなことからモリー先生と再会し、毎週火曜日に対話することとなる。

モリー先生の身体は日に日に弱っていくが、精神は衰えない。モリー先生との対話を通して、著者は自分自身の生活や価値観を振り返っていく。会話のテーマは「死、家族、感情、老い、金、愛、結婚、文化、許し」である。

印象に残ったのは、モリー先生の次の言葉。

「多くの人が無意味な人生を抱えて歩き回っている。自分では大事なことのように思ってあれこれ忙しげに立ち働いているけれども、実は半分ねているようなものだ。まちがったものを追いかけているからそうなる。」

「実はね、ミッチ。いかに死ぬかを学べば、いかに生きるかも学べるんだよ。」

「老化はただの衰弱じゃない。成長なんだ。」

「人に与えることで自分が元気になれるんだよ。」

は、自分のことと同じようにほかの人の立場を気にかけるものなんだ。」

互いに愛せよ。さもなくば滅びあるのみ。」

この本を読みすすめるにつれて、自分がいかに世間の価値観から影響を受けているか、いかに自分自身を見失っているかに気づかされた。
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