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永守流の再建

日本電産の永守会長の再建手法には定評がある。27件目の企業買収先である日本サーボは、1年前には収益悪化から従業員200人の削減に踏み切る寸前であったのが、買収1年後には過去最高益を更新したという。

業務改革の方法は、まず、清掃&整理整頓を徹底し、ムダを目に見える形にすること。そして、資材費、経費、在庫を徹底的に削減する。永守会長は、毎週現場を視察して問題点を指摘し、すぐに改善させる。膨大な稟議書のすべてに目を通し、1円以上の支出を決済するという。

すごいところは、締め上げるだけでなく、制服を新調し、新規採用を再開し、独身寮の建て替えを決めた、という点。これらは「ムダ」ではない、ということだ。

しかし、1点疑問がある。20社以上も再建しているのだから「何をどうすればムダが省けるか」についてのノウハウは蓄積されているはずで、永守会長が直接出てこなくとも、他の役員でも指導可能ではないか、ということ。それとも、再建ノウハウは、永守会長の暗黙知となっていて他の人にはマネができないのだろうか。

もし他の人と共有できるノウハウがあるのなら、永守会長抜きで再建するところを見てみたい気もした。

出所:日経産業新聞2008.5.26
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