柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

秩序

2015-09-05 08:18:25 | Weblog
トルコの海岸にシリアからの難民男児の遺体が流れ着いて、それを警備員か警官かが抱き移動させてる写真が新聞に載り、大騒ぎです。折しも難民が何十万人も押し寄せるヨーロッパ、その玄関がギリシャ、ハンガリー、イタリア。そこから彼らはドイツを目指すのだそうですが、ハンガリーで足止めされて。対岸の火事じゃない、北朝鮮から大勢やってくる虞が大きいじゃないか、そうなったらどうするんだ?日本海側の海岸は全く無防備だぞという危険を煽る向きも声大きくしているところですが、いえ、やはり「まだ」他人事です。人道的な非難。こういう時は誰もが皆、正義の味方ですから。メルケルさんがEUを代表するような立場で人権擁護という「世界秩序」を訴えて、どの国も難民の受け入れに門戸を開けと言う、でももはやどの国も移民問題で頭が痛いわけです、ドイツでもフランス、イギリスでもネオナチらの極右集団の反対行動が活発です。事実イギリスは難民受け入れを拒んでます(この写真を見てキャメロンさんが何千人かは受け容れると発表してましたが)。中国からベトナムから粗末な船にこれでもかと乗り込んで国を捨てるボートピープルが昔有名でしたね、何人も亡くなっていることでしょう。ここにもビジネスがあって悪徳業者がゴロゴロいて、なけなしの金むしられて挙げ句遭難して死んでいく人も多い筈です。今回もこういうドラマティックな展開(人々の道徳心、幼児への庇護本能を刺激するもの)だったからこれだけ話題になってますが、大人が何人死んでも、海岸に打ち上げられたのが老人であったらここまでムーブメントになったかどうか。ヨーロッパ各国はどこもええ加減にせーよと思ってるのですが、人権擁護を振りかざされると(今までこの盾でなぎ倒してきた側とすれば)ゲートを開かざるを得ないわけです。先進国として、人権意識の高い自由な民主主義国として綺麗事を並べねばならぬのです。メルケルさんも家に帰ったら椅子を蹴ってるんじゃないでしょうかね。旦那に当たり散らしてるとか。よその国の不始末をどうしてこちらが?ですからね所詮は。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする