ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

巨大パーティー&ワイン!

2014-04-07 15:13:21 | ワイン&酒
昨日は友人の50歳の記念誕生日パーティーがありました。
約100人が集まった大規模なもので、ワイン好きの友人をはじめ、会社関係の方もいらっしゃり、友人の人脈の広さを実感しました。

ワインもあれこれ集まった中、圧巻だったのは、6リットルサイズ!


レギュラーボトルと並べると、その大きさが際立ちます


Chateau Mercian 1987 Vin Rouge

1990年9月1日に「メルシャン株式会社」に社名変更した際に、シャトーメルシャンの勝沼ワイナリーで瓶詰めした記念ボトルで、国産のメルロ、輸入したカベルネ・ソーヴィニヨンなどがブレンドされているとか。歴史を感じる味わいでした。


友人の バースデーヴィンテージ1964年 のワインも登場

さすがにちょっと衰えてきているのは否めません。
人間の方がはるかに元気で若々しいかも(笑)



余興で誕生年や誕生日に関するクイズがあり、最後には ワインのブラインド もありました。
ブラインドワインには、皆さん苦戦したようでした。


L'Yvorne Grand Cru 2012 Domaine de la Pierre Latine (スイス、シャブレー)

正解は、スイスのシャスラ からつくられる白ワインでした。
※ワイン解説は → コチラ   (輸入元:ヴァン・レマン株式会社)

国の選択肢は、スペイン、日本、スイス、オーストリア、ドイツ、
品種の選択肢は、ヴェルデホ、グリュナ―フェルトリナー、シルバーナ、甲州、シャスラ。

10チームに分かれての対抗戦でしたが、スイスのシャスラとピタリ当てたのは1チームのみ。
素晴らしい~

今年はスイスと日本との国交樹立150年の記念の年
つまり、50歳の誕生日を迎えた友人は、スイスと日本の国交樹立100周年の年に生まれた、というご縁があります(笑)
※150周年を記念したイベント「SWISS DAYS」のリポート → コチラ

ブラインドテイスティングの際に、飲んだことない味、と感じた方も多くいらしたようですが、国交樹立150周年の今年は、スイスが注目されることが多い年ですから、この機会にスイスのシャスラのワインのことを覚えておくといいですね。





散り始めた桜とともに、実は当の友人もこの4月からの転勤地へと旅立っていきました。
新天地でのますますの活躍を期待しています!




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お花見ロゼワイン会

2014-04-06 12:27:14 | ワイン&酒
東京の桜がすっかり満開の4月4日、お花見ワイン会に参加してきました。
場所は、大塚のカフェ・バー 「レアンドロ」

「レアンドロ」は マデイラワインを世界で一番多く扱っている店として2010年11月に正式にギネスブックに認定された、として以前紹介しました。

その時にマスターから、店の前の桜がキレイだという話を聞き、ぜひ桜の季節に行きたいと思っていましたので、満を持しての参加です。

お花見ということで、ロゼワインを1本ずつ持ち寄る会 でした。
11人で、ワイン18~19本あったような?

全部写真に取り切れなかったので、私のデジカメに残っているいくつかをアップします。


この日の私の一番のお気に入りは左端の 「Domaine Hauvette 2012」

仏プロヴァンス、女性生産者のロゼで、カベルネ、シラー、グルナッシュのブレンド。
じわじわ~っと広がるうま味があり、いつまでも飲んでいたい!メインでもイケます。
スモークチキンなどにも合いそうでした。


国も品種も色も多彩 私の持参品ロゼは右端の「ももいろ」(シャトー・メルシャン)

味わいもバラエティ豊かなロゼは、食前酒からデザートまで、さまざまなシーンで活躍


ロゼ以外のワインもあり、左端は主催者が現地で入手したポルトガルのソーヴィニヨン・ブラン。
ピュアな果実味で、スーッと流れるように入り、これはアペリティフにピッタリ!

右端のヴヴレ(仏、ロワール)は、シュナン100%の発泡白。ビッグサイトで行われていた展示会の最終日で処分するといっていたものを、とてもおいしかったので、いただいてきました(英国のロゼと仏コート・デュ・ローヌのロゼも)。ワイン・スタイルズさん、感謝です!


フードもたくさん出していただき、飲んでは食べ、また飲んで…





桜の季節にロゼワインを飲む人は多いと思います。
ショップやレストランもロゼワインフェアを開催しているところも多いですしね。

でも、ロゼワインを飲んだ方は気づいたと思うのですが、
桜の時節に限らず、ロゼっていつ飲んでもおいしい&楽しいんじゃない?  と。

赤ワインの気分じゃない時、いろいろな料理に合わせたい時、華やかな雰囲気を楽しみたい時、実はロゼってかなりお役立ちじゃない?

欧米ではすでにロゼワインはブームで、フランスでは購入されるワインの4本に1本がロゼ。
NYでもロゼワインはクールな存在で、ワインバーではロゼワインの飲み比べセットがあるほど。
日本では赤ワインにこだわる人が多いですが、ロゼワインを上手に楽しめる人こそ真のワイン通かもしれません。

桜の季節が終わりつつありますが、これからもロゼワインをのこともどうぞよろしく!


 カフェ・バー レアンドロ
     東京都豊島区北大塚2-8-6 第二不二ハイツ105
     Tel.03-3576-5778


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「はじめのカレー粉」をアレンジして超手抜き美味カレー

2014-04-05 10:04:35 | おいしい食べもん
前回、料理通信オリジナル 「はじめのカレー粉」 を使ってカレーを作った 際、カレー粉が少し残りました。

それを使い、今度は 元々のレシピをアレンジしたオリジナルカレー を作ってみました。


キーマ風カレー  料理通信オリジナル 「はじめのカレー粉」 使用

粗みじんに切った玉ねぎ、ニンニク、ショウガをオリーブで炒め、だいぶ火が通ったところで人参(玉ねぎと同じ粗みじん切り)を加え、ザッと合わせたら塩、コショウし、「はじめのカレー粉」を加えて炒め、香りを立てます。
水を加えて煮立て、ゆでキャベツを小さめに切ったものを加えて5分ほどコトコト煮て味を調えたら、火を止めます。



昼食を作りながら夕飯用のカレーの方も作業し、火を止めたら夜まで放置。
食べる前に温め直し、キャベツと菜の花をトッピングしていただきました。

玉ねぎを前回ほどしっかりと炒めませんでしたので、調理時間は本当に短いです。

カレー粉がいいと、超手抜きでもおいしくできるんですね(笑)

ブイヨンやコンソメは何も加えなかったのですが、うまみの出るひき肉を使ったことも幸いしたと思います。




料理通信オリジナル 「はじめのカレー粉」 (写真はサンプル 30g)

「はじめのカレー粉」120g (約4皿×4回分)(1620円)は webサイトから購入できます
  → コチラ




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コンビニで買えるアロマ香るプレミアムビール

2014-04-04 10:17:11 | ワイン&酒
昨夜の晩酌は、私にしては ちょっとゴージャスなプレミアムビール でした


グランドキリン ジ・アロマ  キリンビール

華やかなアロマが特徴 の、 “一本で満足できるスペシャリティ・プレミアムビール”です。
この前に発売されている 「グランドキリン」 よりも、さらにアロマにフォーカスしています。

以前、「グランドキリン」と「ジ・アロマ」を飲み比べたことがあったのですが、その時は、「グランドキリン」の方が私好みでした。
というのも、「グランドキリン」の方がビールそのものの味わいが濃厚で深みがあり、複雑な余韻を感じたからです。

でも、改めて「ジ・アロマ」を飲んでみると、以前は、少し華やかすぎない?と感じた アロマティックな香りが、しっとり落ち着いて匂い立ち、浮足立った印象はまったくありません。
口にしても、豊かなコクのある、緻密でしなやかなボディ がじんわり広がり、ほっと癒される感じがします。 -これはおいしいじゃない?



でも、以前飲んだ時と、かなり印象が違ったのはなぜ?

もしかしたら、グラス の違いもありそう?
今回は、いつも愛用している Chef& Sommelier の“アロマップ”に注ぎました。



グラスに入れると、口当たりがやさしく、アロマもふわりと広がります。

フルーティーな香りが特徴の「ブラボーホップ」を使い、香りを最大限に引き出す「ディップホップ製法」を採用しているため、このアロマが実現したとか。

※ディップホップ製法:通常の仕込み段階でのホップの使用に加え、ひと手間かけたホップを発酵中に漬け込むことで複雑な香味を引き出すキリン独自の製法


330ml  アルコール5.5%

広口のワンウェイボトルだから、開けてそのまま口をつけて飲めますが、家で飲むならお気に入りのグラスに入れるといいと思います。

そうそう、このビール、コンビニ(セブン・イレブン)で買えるんですが、商品の性質とコンビニの組み合わせに、むむ?と感じなくもなく…(笑)


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今年のツール・ド・フランスはコノスルの自転車ワイン!

2014-04-03 12:09:07 | ワイン&酒
4月2日、チリNo.2ワイナリー 「コノスル社」 のコミュニケーションマネージャーClaudiaさんから嬉しいプレスリリースが届きました。

コノスル社が第101回ツール・ド・フランスのグランデパール オフィシャルスポンサーに決定した とのこと。
※グランデパール Grand Depart:ツールのオープニングステージのこと

ツール・ド・フランス -Tour de France- はフランスとその周辺諸国で行われる世界最高峰のサイクルロードレースで、3週間で3000km以上を走り抜けます。

毎年コースが違い、第101回となる2014年は、英国北部ヨークシャー地方がスタート地点です。
開幕は7月5日。グランデパールの英国から始まり、その後はフランスに渡り、全21区間、総距離3656kmを走ります。フィナーレは パリのシャンゼリゼ大通りで、7月27日。

コノスル社はグランデパールにおける ワインで唯一のオフィシャルスポンサー になり、開幕の前後にさまざまなプロモーションイベントを予定しています。

なぜコノスルがツールのスポンサーに?という疑問は、エチケットを見ればすぐに納得。



そう、エチケットに“自転車”が描かれているからです
エチケットの下には ツールのオフィシャルスポンサーを証明するラベル も貼られます。




自転車は単なるイラストではなく、知る人ぞ知る、コノスルのシンボル です



2013年9月にチリのコノスル社を訪問した際、畑に自転車で行こう!と誘われました(笑)
というのも、コノスルでは、自転車がスタッフの足 だから。


ワイナリーの敷地内には自転車がスタンバイ!


畑では作業中のスタッフが乗ってきた自転車の姿がありました

自転車を使うのは、環境への配慮 から。
コノスルではオーガニック栽培への転換をはじめ、カーボンオフセットなど、環境に配慮したワインづくりに取り組んでいます。
自転車もそのひとつ。ガソリンを使わず、排気ガスも出さず、CO2削減につながります。
しかも、健康にもいい!

コノスルのエチケットに描かれた自転車には、自然、環境への思いが込められているんですね。
もちろん、コノスルの人たちが自転車に愛着を持っていることは間違いありません(笑)


コノスルの畑の真ん中にはシンボルの巨大自転車が置かれていました



昨年の第100回大会の時は、私はツールのコースと重なるフランスのワイン産地を紹介するトークショーのパネラーとして関わりました。
 ※第100回ツール・ド・フランス イベント紹介 → コチラ
 ※第100回ツール・ド・フランス イベントリポート → コチラ

そんなこともあり、今まではあまり知らなかったツール・ド・フランスに興味を持つようになりました。



昨年はフランスワインを片手にツールを観戦しましたが、
今年はまず、コノスルのワインを片手にツールの開幕を楽しもう!  ですね(笑)

コノスルのワインはクオリティが高いのに価格がお手頃
コストパフォーマンス抜群な上、スーパーなどでも手に入りやすいのが魅力 です。

ツールの開幕に備えて今からコノスルのワインを準備すれば、だんだんと気分が盛り上がってくることでしょう

(輸入元:株式会社スマイル)


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コノスル社のあるチリでは、4月1日夜(日本時間2日の朝)にマグニチュード8.2の巨大地震が発生しました。
首都サンチアゴから1800km離れた北部沖合が震源地であり、チリのワイナリーのある地域ではなかったため、コノスル社には影響はなかったようです(人的にも、施設、畑にも)。
ただ、震源地に近い北部沿岸部の町では死者も出ており、船や建物の被害も出ています。この後の余震もまだありそうだとか。
この地震の影響による日本への津波関連のニュースが今朝からずっと流れており、今のところ大きな被害は出ていないようですが、日本の沿岸部も注意が必要です。地震、津波関連のニュースに留意しましょう。
チリで亡くなられた方のご冥福と、被害に遭われた地域の一日も早い復旧をお祈りします。


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世界最優秀ソムリエと“スイスナイト”ガラディナー

2014-04-02 16:10:55 | ワイン&酒
このソムリエのサービスなら受けてみたい!

2013年3月に東京で開催された 「第14回 最優秀ソムリエコンクール」 で優勝し、世界一のソムリエとなったスイス出身 パオロ・バッソ氏 を迎えた一夜限りのスペシャルな ガラディナー が、東京で開催されることになりました。


第14回 最優秀ソムリエコンクール優勝者 Paolo Basso
(2013年3月29日/東京国際フォーラム)

私も決勝の場にいましたが、絶対にこの人!と思ったパオロ・バッソ氏が優勝しました
彼には、ワインへの愛情はもちろん、お客様を緊張させないような親しみやすさがあり、また、コンクールという自分を最大限にアピールする場にもかかわらず、一歩引いてワインとお客様を立てる謙虚さがありました。


公開決勝の様子(2013年3月29日)    ※リポートは → コチラ



世界最優秀ソムリエのパオロさんのサービスでワインが飲める機会なんて、日本ではなかなかやってこないでしょうね…、と思っていましたが、なんと!嬉しいニュースが届きました!

2014年に日本との国交樹立150周年を迎える スイス から、世界一のソムリエ パオロ・バッソ氏とスイスワイン生産者6名を迎え、“スイスナイト”コラボレーションガラディナーを開催 するというのです。

舞台となるのは、東京のレストラン 「キュイジーヌ[s] ミッシェル・トロワグロ」

同店のプロデューサーであるミッシェル・トロワグロ氏 は、若い頃にスイスのローザンヌ近郊の3つ星レストラン「フレディ・ジラルデ」で勤めたこともあり、スイスは少なからぬ縁のある地とか。
このミッシェル・トロワグロ本人も来日し、当日はお客様をお迎えするそうですよ。

ディナー前には(18:30~)、バッソ氏によるデギュスタシヨン(試飲会)が特別に開催 され、その後のガラディナーでサービスされるスイスワインが紹介されます。

【来日スイスワイン生産者】 6名
 ジル・ベス氏 (JR ジェルマニエ / スイスワイン協会会長)
 パスカル・リュバン (プロヴァン)
 アレクサンドル・シャラン (ドメーヌ・イストワール ドンフェール)
 シルヴィ・カマンドナ (ウヴァヴァン)
 レイモン・パコ (ドメーヌ・ラ・コロンブ)
 パトリック・フォンジャラス (オ・クロ・ド・ラ・リュブブリック)



キュイジーヌ[s] ミッシェル・トロワグロ × パオロ・バッソ × 6ワイン生産者
一夜限りの“スイスナイト” コラボレーションガラディナー


日時:2014年5月23日(金) 18:30~受付  18:30~デギュスタシオン  19:30~ディナー

場所:フレンチレストラン 「キュイジーヌ[s] ミッシェル・トロワグロ」1F
   東京都新宿区西新宿2-7-2 ハイアットリージェンシー 東京

料金:35,000円 (サ税込 41,580円)/1名  ※コース料理、ワイン6種含む

予約:電話にて申し込み 03-3348-1234 (ホテル代表)

※満席になり次第予約受付終了
※1名様のみでの参加は相席になる場合もあります



お値段はちょっと張りますが、国交150周年という記念の年&世界最優秀ソムリエに直々にデギュスタシオンを指南してもらえる、またとないチャンス!
予約はお早めにどうぞ


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【続】 Love for Wine

2014-04-02 12:54:38 | ワイン&酒
昨日書いた Love for Wine には、さまざまなご意見をお寄せいただきました。
ありがとうございました。

日本で活動していたオーストリア出身のネッド・グッドウィン氏が日本を離れる際に書いた論文を紹介したものですが、やはりというか、賛否両論出てきますね。

私は、彼の書いたことすべてに諸手を上げて賛同しているわけではありません。
が、彼の指摘した中には真実もあり、さまざまな問題点もあり、それを再認識できた点、ある意味の刺激を与えた点に、この論文の価値があると思いました。

マスター・オブ・ワインが日本を去ってしまったことや、批判的な内容に首を垂れるばかりではなく、日本のこれからのワイン文化を考えるいい機会、と考える方が前向きになれます。



ワインを飲む時の主役は、もちろん ワイン
そして、飲む人 も、もう一人の主役。

ふと、映画『アナと雪の女王』のダブルヒロイン(姉エルサ、妹アナ)が浮かびました(笑)
力の制御を失った女王エルサ(&王国)を救ったのは、アナが探し求めた “真実の愛” でした。

ということは、ワインにも“真実の愛 -LOVE-” が必須?

何の話をしているのかわからなくなってきましたが(笑)、
ワインと飲み手の両方のために、私はこれからも、脇役や黒子のように主役や舞台を盛り上げるように、皆さんが楽しくワインを飲めるお手伝いをしていきたいと思います。

今後ともよろしくお願いいたします


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Love for Wine

2014-04-01 18:13:45 | ワイン&酒
4月1日、社会では新しい年度のはじまりです。桜も菜の花も満開でした。
エイプリル・フール、でもありますが(笑)



さてさて、日本に在住する唯一の“マスター・オブ・ワイン” (MW、世界的なワインの資格の最高峰)である ネッド・グッドウィン氏 が発表した論文が、ワイン業界で波紋を広げつつあります。

1969年にロンドンで生まれたネッド氏はオーストラリアで育ち、10代の時に交換留学生として日本を訪れた経験を持っています。成人し、ワインの仕事に携わるようになり、レストラングループの仕事で日本に滞在する間にMWを取得(2010年)。

日本にいるただ一人のMWとして活躍していたネッド氏でしたが、この度、日本を離れ、故郷のオーストラリアに戻ることになり、その際に日本のワイン業界に関する論文を発表しました。
そのタイトルは、Why Japan has lost its MW (なぜ日本がMWを失ったのか?)

よく書いた!と称賛する人、なるほど~、と思う人もいれば、ちょっと過激では?という人もあり、反応はさまざまですが、海外の意見は支持派が優勢のようです。

 ※原文 → http://www.jancisrobinson.com/articles/a201403203.html

ネッド氏が指摘したポイントをザッと挙げてみると、

・ワインに関する多くの事柄が、日本では気づかれなかったり無視されたりしている
・緻密で細部にまでこだわるサービスが行き過ぎると、ワインの本質を見失うことがある
・ワインは自分を飾り立てるものであり、エリート主義、自己満足、肩書ばかりのソムリエが多い
・名の知られた高価なワインのみを信奉し、本当においしい魅力的なワインを知らない、勧めない

などなど

ズバリ切り込み、潔い!と思いましたが、気配りのフォローも書かれています。
でも、ネッド氏は日本を捨て、オーストラリアに帰ってしまいました。

不思議なことに、MWを取得したネッド氏に、日本の企業からの仕事の依頼は非常に少なく、海外からの依頼の方が多かったそうです。活躍する場がなかったのは、もったいないことでしたね。
肩書のある人を看板として使うことは簡単です。でも、実力を持つ人物には、本当の意味でしっかり働いてもらえる場を用意したいもの(ネッド氏に限らず)。うまく働いてもらえないまま去られてしまったのは、やっぱり損失。でも、プツンと愛想が尽きちゃったんでしょうね。



さて、日本のワイン業界は、これからどうなっていくでしょう?

日本人は勉強熱心で、知的好奇心が旺盛ですが、頭でっかちになりがちです。
味わい、おいしさよりもスペック重視で、高いワイン、有名なワインを持っている人が称賛されます。ワイン会でもそうしたワインを持参する人に注目が集まります。逆に、たとえ現地のトレンド最先端の品種や産地、つくり手のワインだったとしても、日本では無名だったり、価格がそれほど高くなかったりすると肩身が狭い思いをすることも。つまり、権威主義。

そういえば、ワインに愛情を持って接している熱心な若い人の店を私が紹介しようとした際、「そんな店は論外。有名ショップやグランメゾンのレストランで修行している人ならいいけど」と言われたことがありましたねぇ…。
経験はもちろん大事ですが、グランメゾンである必要ってあるでしょうか?例えば皿洗いのアルバイトでも、グランメゾンでの修行経験あり、としても間違いではないですが(笑)

ともかくも、ネッド氏の論文と行動は、日本のワイン業界に一石を投じたことは間違いありません。

私もこの機に、食事がおいしくなるのはもちろん、楽しくなる、笑顔になる、心豊かにしてくれるワインという素敵な存在のことを、改めて考えてみようと思いました。


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