「ワイン村.jp」 (社団法人日本ソムリエ協会 オープンサイト)(2004年5月~2008年12月終了)に連載していた「キャッチ The 生産者」(生産者インタビュー記事)を、こちらにアップし直しています。
よって、現在はインタビュー当時と異なる内容があることをご了承ください。
-----------------------------------------------
(更新日:2006年2月11日)
第19回 Philippe Baudin <Chateau La Fresnaye>
仏ロワールのシャトー・ラ・フレネのオーナーでありながら、現役の旅客機パイロットでもあるというフィリップ・ボダンさんが、奥様のロールさんを連れて来日しました。
今回も面白い話が聞けそうです。
<Philippe Baudin>1966年、アンジェに生まれる。
アンジェの大学を卒業後、エール・フランスへ。
旅客機のパイロット(キャプテン)歴は15年。現在もキャプテンとして活躍中。
1999年にシャトー・ラ・フレネを取得後は、奥様のロールさんと3人のお子さんとともに、シャトーでの生活をエンジョイする毎日。
パイロットがビオディナミに挑戦 !
"フランスの庭園"と呼ばれる、美しいロワール地方。その中でも、"花と芸術の都"と讃えられるのがアンジェ市(Angers)です。
フィリップさんの『シャトー・ラ・フレネ』は、アンジェ市の中心から南西約20kmのサン・トーバン・ド・リュイニュに位置しています。
ラ・フレネでは、サン・トーバン・ド・リュイニュや、ラブレ・スール・ラヨン・レシャリエの地から「AOCアンジュー・ブラン」や「AOCアンジュー・ルージュ」などを、また、トゥワスの地から「AOCボンヌゾー」などを生産しています。
『シャトー・ラ・フレネ』のワインづくりの歴史は、17世紀の半ばまで遡ります。ワインはヨーロッパ各国に輸出され、その栄光は1960年代まで続きました。しかし、火災を機にシャトーが売却に出されると(1974年)、300年以上続いたワインづくりの伝統の灯は消えてしまったのです。
それを救ったのが、フィリップさんでした。彼は1999年にシャトーを取得し、ラ・フレネのワインづくりを復活させました。
しかし、彼のつくるワインには、かつてのラ・フレネと大きく違う点がありました。それは、"ビオディナミ"(*1)を採用したことです。
Q.まず、フィリップさんが現役パイロットということにびっくりしましたが、パイロットをしながら、なぜ、ワインづくりの道に進もうと思ったのですか?
A.私は元々ワインづくりに興味を持っていました。いい土地があれば買いたいと思っていたところ、テロワール、土壌の質ともに良い土地を見つけたからです。
Q.それまで、ワインづくりの経験はありましたか?
A.1995年から99年までの4年間、他のワイナリーにスタージュ(研修)に行き、ワインづくりを学びました。
Q.パイロットの勤務は過酷だと思うのですが、どのようにしてシャトーの仕事と両立させているのですか?
A.パイロットとして月に15~17日の勤務がありますが、勤務以外の日にシャトーの仕事をします。ここはパリの空港から3時間かかり、通うのは大変ですけれど、好きなことですから苦になりませんよ(笑)。
また、醸造に関してはジュリアン、畑に関してはブノワという、2人の頼もしい現場責任者がいますので、私が不在でも安心して対処ができる体制になっています。
Q.ロワールの土地を選んだのはなぜですか?他の土地は気になりませんでしたか?
A.まず、私がロワールのアンジェ出身で、地元に愛着があることも理由のひとつですが、ここで素晴らしい畑を見つけたことが最大の理由です。
特にシュナン・ブランにとって最適な砂地の畑があり、とても素晴らしいテロワールだと確信したからです。
Q.ラ・フレネではビオディナミを採用しているということですが?
A.ワインのポテンシャルをアップさせたいと思い、甘口ワインの畑2haを、まずオーガニックから始めました。現在は4~5haの畑がビオディナミになりました。
Q.ロワールはビオディナミの生産者が多い土地ですが、参考にしている人はいますか?
A.確かに、ビオディナミではニコラ・ジョリー氏<が第一人者(*2)でしょう。彼は世界中を飛び回っています。
現在、ビオディナミ生産者にはいくつかのグループがありますが、私は敢えてどこにも属さず、いいと思う人とは積極的に交流を持っています。
私が素晴らしいと思っているのはマーク・アンジェリ氏(*3)で、彼とはもちろん親交があり、また、オリヴィエ・クザン氏(*4)とも深い交流があります。畑を耕すときは、オリヴィエさんの馬を借りたりする仲です。
(下記の写真はオリヴィエさんと愛馬)
Q.あなたのワインについて教えてください。
A.白はシュナン・ブランで、辛口の"アンジュー・ブラン"と甘口の"ボンヌゾー"のワインが、赤はカベルネ・ソーヴィニヨンとカベルネ・フランからのワインがあります。
ラ・フレネのワインは、"畑で全てがつくられる"、と考えています。純粋で良いブドウが得られれば、セラーでは何もすることはありません。特に手をかけなくても、ただ待つだけで素晴らしいワインになってくれます。
Q.ボンヌゾーは毎年生産できるのですか?
A.ボンヌゾーの極甘口ワインは、その年の天候に大きく左右されるため、毎年できるとは限りません。収穫は通常、10月下旬から11月にかけて行いますが、1999年は11月中旬に行いました。2005年は非常に難しく、5リットルほどがやっとでしょう。
Q.国内消費と輸出の割合は?
A.80%が海外輸出です。輸出先はイギリスやドイツ、ベルギー、ルクセンブルク、オランダ、アイルランド、イタリアなどで、アジアでは、日本のほか、台湾にも輸出しています。アメリカへは、もう少し先になりますが、輸出する予定です。
フランス国内では、星付きのレストランやワイン専門店などに卸しています。
Q.これからの夢は?
A.まず、ビオディナミをきっちり究めていきたいですね。畑は、トラクターなどの機械を使わないでも管理できるようにしていきたいと思っています。
また、究極の白ワインをつくりたいと思っています。ボンヌゾーは甘口タイプと決められていますが、ボンヌゾーの畑から"辛口"のプレステージワインをつくるのが夢です。もちろん、それはボンヌゾーとは名乗れず、単なる"アンジュー・ブラン"になってしまうのですが、素晴らしいワインになりそうじゃありませんか?(笑)
(*1)ビオディナミ:英語では"バイオダイナミックス"。化学肥料や薬品を使用せず、独自の自然調剤を用い、暦や月の満ち欠けなどに従った独特の理論によって栽培を行う農法。
(*2)ニコラ・ジョリー氏:サヴニエールにある"ラ・クーレ・ド・セラン"のオーナーで、ビオディナミの伝道師とも言われる人物。1980年からビオディナミを開始。
(*3)マーク・アンジェリ氏:アンジュにある"フェルム・ド・ラ・サンソニエール"のオーナー。1990年からビオディナミを開始。
(*4)オリヴィエ・クザン氏:マルティニェ・ブリアンにある"ドメーヌ・オリヴィエ・クザン・ルデュック"のオーナー。1996年に有機栽培開始、2002年からビオディナミ開始。
<テイスティングしたワイン>
●Anjou Blanc L'Echalier 2002
口当たりはトロリとなめらか。辛口タイプなのにしっかりと熟した豊かな果実味を感じ、非常に厚みがあり、飲みごたえがあります。
「よく熟した果実だけを使っています。プレスは軽く行い、ピュアなテイストを大切にしています」(フィリップさん) 。
※なお、レシャリエの04ヴィンテージは、2006年2月6~8日にアンジュで開催された「第20回サロン・デ・ヴァン・デ・ロワール」のコンクールで、見事銀賞(Ligers D'Argent 06)を受賞しました!おめでとうございます!
●Anjou Rouge Festina Lente 2002
フィリップさんは「フルボディでパワフル!若いときは、デカンタージュして飲んでいただきたいです」と言いますが、私には、凝縮感はあるのに、果実味とタンニンのキャラクターが非常にエレガントに感じ、やさしい口当たりで、ピュアでナチュラルな味わいがしました。
2002年は80%がカベルネ・ソーヴィニヨンで、20%がカベルネ・フランですが、年によって比率が変わります。2003年はカベルネ・ソーヴィニヨン100%。
●Bonnezeaux cuvee L 2003
甘さが凝縮し、ひと口飲むだけでシアワセな気分になれてしまう甘口ワインですが、残念ながら、このボンヌゾーは日本未入荷。生産量の少なさを考えると仕方ありませんが・・・。
フィリップさんのおすすめマリアージュ
白ワインは刺身(イカやホタテ)、お寿司にもいいですね。
フランスではヌーヴェル・キュイジーヌの料理、スパイスを使った白身の魚料理、ホタテ貝料理などが合うかと思います。
肉でも白身のものならOKですし、山羊のチーズ(シェーブルチーズ)、パスタなどにも合わせてみてください。
赤ワインはジビエ類(ウサギ、鹿、イノシシetc…)に最適で、ブフ・ブルギニヨン(牛のブルゴーニュ風煮込み)などとも美味しくいただけますよ。
ダブル”フィリップ・ボダン”?
シャトー・ラ・フレネには、もう一人のオーナーがいます。 そのオーナーの名前も、なんと"フィリップ・ボダン"! このフィリップさんの方は金融業に携わっていて、日本に住み、奥様も日本人です。
2人の名刺は全く同じで、見分けるポイントはメールアドレスのみ。実に紛らわしいのですが・・・。
今回インタビューをしたパイロットの方のフィリップさんに、「2人をどう呼び分けたらいいの?」と尋ねたところ、「僕が"本物のフィリップ"(real Philippe)だよ」と答えてくれました(笑)。
---------------------------------------
■ インタビューを終えて
個人的に好きなワインは?と聞くと、 「実はブルゴーニュの赤ワインが好きなんです」と笑うフィリップさん。 特に"ルロワ"のワインが好きで、ルロワのマダム、ラルー・ビーズ・ルロワさんの名を取って、娘さんに"ラルー"と付けたという筋金入りのルロワファン!
「でも、基本的には、やっぱりロワールのワインが好きですね。バランスが良く、ファインなワインで、ピュアなスタイルをしていますからね」と語るフィリップさん。
シュナン・ブランのワインは、まさしくそれにドンピシャということですが、リースリングのワインも、同様の理由から、非常にお気に入りとのこと。
ワインづくりには、このところ話題となっている"ビオディナミ"を採用していますが、「ワインのポテンシャルを高めるため」と、フィリップさんは、自分なりの理論をしっかりと持っています。
手法が目的になりがちなビオディナミですが、飲む側の私たちも、それにあまり囚われることなく、まずは素直にワインと向き合いたいものですね。
(取材協力: 有限会社イシス) http://www.isiswine.com
奥様のロールさんと
よって、現在はインタビュー当時と異なる内容があることをご了承ください。
-----------------------------------------------
(更新日:2006年2月11日)
第19回 Philippe Baudin <Chateau La Fresnaye>
仏ロワールのシャトー・ラ・フレネのオーナーでありながら、現役の旅客機パイロットでもあるというフィリップ・ボダンさんが、奥様のロールさんを連れて来日しました。
今回も面白い話が聞けそうです。
<Philippe Baudin>1966年、アンジェに生まれる。
アンジェの大学を卒業後、エール・フランスへ。
旅客機のパイロット(キャプテン)歴は15年。現在もキャプテンとして活躍中。
1999年にシャトー・ラ・フレネを取得後は、奥様のロールさんと3人のお子さんとともに、シャトーでの生活をエンジョイする毎日。
パイロットがビオディナミに挑戦 !
"フランスの庭園"と呼ばれる、美しいロワール地方。その中でも、"花と芸術の都"と讃えられるのがアンジェ市(Angers)です。
フィリップさんの『シャトー・ラ・フレネ』は、アンジェ市の中心から南西約20kmのサン・トーバン・ド・リュイニュに位置しています。
ラ・フレネでは、サン・トーバン・ド・リュイニュや、ラブレ・スール・ラヨン・レシャリエの地から「AOCアンジュー・ブラン」や「AOCアンジュー・ルージュ」などを、また、トゥワスの地から「AOCボンヌゾー」などを生産しています。
『シャトー・ラ・フレネ』のワインづくりの歴史は、17世紀の半ばまで遡ります。ワインはヨーロッパ各国に輸出され、その栄光は1960年代まで続きました。しかし、火災を機にシャトーが売却に出されると(1974年)、300年以上続いたワインづくりの伝統の灯は消えてしまったのです。
それを救ったのが、フィリップさんでした。彼は1999年にシャトーを取得し、ラ・フレネのワインづくりを復活させました。
しかし、彼のつくるワインには、かつてのラ・フレネと大きく違う点がありました。それは、"ビオディナミ"(*1)を採用したことです。
Q.まず、フィリップさんが現役パイロットということにびっくりしましたが、パイロットをしながら、なぜ、ワインづくりの道に進もうと思ったのですか?
A.私は元々ワインづくりに興味を持っていました。いい土地があれば買いたいと思っていたところ、テロワール、土壌の質ともに良い土地を見つけたからです。
Q.それまで、ワインづくりの経験はありましたか?
A.1995年から99年までの4年間、他のワイナリーにスタージュ(研修)に行き、ワインづくりを学びました。
Q.パイロットの勤務は過酷だと思うのですが、どのようにしてシャトーの仕事と両立させているのですか?
A.パイロットとして月に15~17日の勤務がありますが、勤務以外の日にシャトーの仕事をします。ここはパリの空港から3時間かかり、通うのは大変ですけれど、好きなことですから苦になりませんよ(笑)。
また、醸造に関してはジュリアン、畑に関してはブノワという、2人の頼もしい現場責任者がいますので、私が不在でも安心して対処ができる体制になっています。
Q.ロワールの土地を選んだのはなぜですか?他の土地は気になりませんでしたか?
A.まず、私がロワールのアンジェ出身で、地元に愛着があることも理由のひとつですが、ここで素晴らしい畑を見つけたことが最大の理由です。
特にシュナン・ブランにとって最適な砂地の畑があり、とても素晴らしいテロワールだと確信したからです。
Q.ラ・フレネではビオディナミを採用しているということですが?
A.ワインのポテンシャルをアップさせたいと思い、甘口ワインの畑2haを、まずオーガニックから始めました。現在は4~5haの畑がビオディナミになりました。
Q.ロワールはビオディナミの生産者が多い土地ですが、参考にしている人はいますか?
A.確かに、ビオディナミではニコラ・ジョリー氏<が第一人者(*2)でしょう。彼は世界中を飛び回っています。
現在、ビオディナミ生産者にはいくつかのグループがありますが、私は敢えてどこにも属さず、いいと思う人とは積極的に交流を持っています。
私が素晴らしいと思っているのはマーク・アンジェリ氏(*3)で、彼とはもちろん親交があり、また、オリヴィエ・クザン氏(*4)とも深い交流があります。畑を耕すときは、オリヴィエさんの馬を借りたりする仲です。
(下記の写真はオリヴィエさんと愛馬)
Q.あなたのワインについて教えてください。
A.白はシュナン・ブランで、辛口の"アンジュー・ブラン"と甘口の"ボンヌゾー"のワインが、赤はカベルネ・ソーヴィニヨンとカベルネ・フランからのワインがあります。
ラ・フレネのワインは、"畑で全てがつくられる"、と考えています。純粋で良いブドウが得られれば、セラーでは何もすることはありません。特に手をかけなくても、ただ待つだけで素晴らしいワインになってくれます。
Q.ボンヌゾーは毎年生産できるのですか?
A.ボンヌゾーの極甘口ワインは、その年の天候に大きく左右されるため、毎年できるとは限りません。収穫は通常、10月下旬から11月にかけて行いますが、1999年は11月中旬に行いました。2005年は非常に難しく、5リットルほどがやっとでしょう。
Q.国内消費と輸出の割合は?
A.80%が海外輸出です。輸出先はイギリスやドイツ、ベルギー、ルクセンブルク、オランダ、アイルランド、イタリアなどで、アジアでは、日本のほか、台湾にも輸出しています。アメリカへは、もう少し先になりますが、輸出する予定です。
フランス国内では、星付きのレストランやワイン専門店などに卸しています。
Q.これからの夢は?
A.まず、ビオディナミをきっちり究めていきたいですね。畑は、トラクターなどの機械を使わないでも管理できるようにしていきたいと思っています。
また、究極の白ワインをつくりたいと思っています。ボンヌゾーは甘口タイプと決められていますが、ボンヌゾーの畑から"辛口"のプレステージワインをつくるのが夢です。もちろん、それはボンヌゾーとは名乗れず、単なる"アンジュー・ブラン"になってしまうのですが、素晴らしいワインになりそうじゃありませんか?(笑)
(*1)ビオディナミ:英語では"バイオダイナミックス"。化学肥料や薬品を使用せず、独自の自然調剤を用い、暦や月の満ち欠けなどに従った独特の理論によって栽培を行う農法。
(*2)ニコラ・ジョリー氏:サヴニエールにある"ラ・クーレ・ド・セラン"のオーナーで、ビオディナミの伝道師とも言われる人物。1980年からビオディナミを開始。
(*3)マーク・アンジェリ氏:アンジュにある"フェルム・ド・ラ・サンソニエール"のオーナー。1990年からビオディナミを開始。
(*4)オリヴィエ・クザン氏:マルティニェ・ブリアンにある"ドメーヌ・オリヴィエ・クザン・ルデュック"のオーナー。1996年に有機栽培開始、2002年からビオディナミ開始。
<テイスティングしたワイン>
●Anjou Blanc L'Echalier 2002
口当たりはトロリとなめらか。辛口タイプなのにしっかりと熟した豊かな果実味を感じ、非常に厚みがあり、飲みごたえがあります。
「よく熟した果実だけを使っています。プレスは軽く行い、ピュアなテイストを大切にしています」(フィリップさん) 。
※なお、レシャリエの04ヴィンテージは、2006年2月6~8日にアンジュで開催された「第20回サロン・デ・ヴァン・デ・ロワール」のコンクールで、見事銀賞(Ligers D'Argent 06)を受賞しました!おめでとうございます!
●Anjou Rouge Festina Lente 2002
フィリップさんは「フルボディでパワフル!若いときは、デカンタージュして飲んでいただきたいです」と言いますが、私には、凝縮感はあるのに、果実味とタンニンのキャラクターが非常にエレガントに感じ、やさしい口当たりで、ピュアでナチュラルな味わいがしました。
2002年は80%がカベルネ・ソーヴィニヨンで、20%がカベルネ・フランですが、年によって比率が変わります。2003年はカベルネ・ソーヴィニヨン100%。
●Bonnezeaux cuvee L 2003
甘さが凝縮し、ひと口飲むだけでシアワセな気分になれてしまう甘口ワインですが、残念ながら、このボンヌゾーは日本未入荷。生産量の少なさを考えると仕方ありませんが・・・。
フィリップさんのおすすめマリアージュ
白ワインは刺身(イカやホタテ)、お寿司にもいいですね。
フランスではヌーヴェル・キュイジーヌの料理、スパイスを使った白身の魚料理、ホタテ貝料理などが合うかと思います。
肉でも白身のものならOKですし、山羊のチーズ(シェーブルチーズ)、パスタなどにも合わせてみてください。
赤ワインはジビエ類(ウサギ、鹿、イノシシetc…)に最適で、ブフ・ブルギニヨン(牛のブルゴーニュ風煮込み)などとも美味しくいただけますよ。
ダブル”フィリップ・ボダン”?
シャトー・ラ・フレネには、もう一人のオーナーがいます。 そのオーナーの名前も、なんと"フィリップ・ボダン"! このフィリップさんの方は金融業に携わっていて、日本に住み、奥様も日本人です。
2人の名刺は全く同じで、見分けるポイントはメールアドレスのみ。実に紛らわしいのですが・・・。
今回インタビューをしたパイロットの方のフィリップさんに、「2人をどう呼び分けたらいいの?」と尋ねたところ、「僕が"本物のフィリップ"(real Philippe)だよ」と答えてくれました(笑)。
---------------------------------------
■ インタビューを終えて
個人的に好きなワインは?と聞くと、 「実はブルゴーニュの赤ワインが好きなんです」と笑うフィリップさん。 特に"ルロワ"のワインが好きで、ルロワのマダム、ラルー・ビーズ・ルロワさんの名を取って、娘さんに"ラルー"と付けたという筋金入りのルロワファン!
「でも、基本的には、やっぱりロワールのワインが好きですね。バランスが良く、ファインなワインで、ピュアなスタイルをしていますからね」と語るフィリップさん。
シュナン・ブランのワインは、まさしくそれにドンピシャということですが、リースリングのワインも、同様の理由から、非常にお気に入りとのこと。
ワインづくりには、このところ話題となっている"ビオディナミ"を採用していますが、「ワインのポテンシャルを高めるため」と、フィリップさんは、自分なりの理論をしっかりと持っています。
手法が目的になりがちなビオディナミですが、飲む側の私たちも、それにあまり囚われることなく、まずは素直にワインと向き合いたいものですね。
(取材協力: 有限会社イシス) http://www.isiswine.com
奥様のロールさんと
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます