ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

食いしん坊たちが選ぶフランス南西地方のワイン

2015-09-14 18:44:39 | ワイン&酒
先週、フランスの 南西地方(シュッド・ウエスト) のワインを紹介するプロモーションが都内で開催されました。

南西地方とは、文字通り、フランスの南西に位置する地方で、ボルドー地方とラングドック=ルシオン地方の間にあります。
カオールやマディラン、ガスコーニュといった名前を挙げれば、聞いたことがあるのではないでしょうか?

シュッド・ウエストのワインの特徴を大きく3つにまとめてみました。

地場ブドウ品種が多い
地ブドウ品種120種!この数はフランスNo1で、全フランスの30%になります。
ネグレットやフェール・セルバドゥ、ロワン・ドゥ・ルイユといった、この土地ならではの土着品種のほか、カベルネ・フランやマルベックなど、国際品種としてよく知られているものもシュッド・ウエストが発祥といわれます。

コストパフォーマンスに優れたワインが多い
ボルドー地方の奥座敷的な場所にあり、ボルドーと同じブドウ品種のワインもありますが、シュッド・ウエストのワインは、クオリティが高いのにお値段がお手頃なものが揃っています。

食事に合うワインが多い
この地方は食材の宝庫です。フォアグラ、マグレ鴨、トリュフ、ロックフォールチーズなど、食いしん坊にはたまらない食材がたくさんあり、これらを使った郷土料理は、日本でもおなじみのものが多いんです。
鴨のコンフィ、カスレ、トリュフ入りフォアグラ、砂肝のコンフィのサラダetc...
これらの料理と一緒に楽しむのに、シュッド・ウエストのワインが合わないわけがありません。

名前やブランドよりも実を取るなら、断然シュッドウエスト!
特に近年のワインのクオリティの向上は素晴らしく、スタイルにも変化を感じています。


非常にしなやかで優雅なAOC Cahorsの赤ワインたち
左)シャトー・ドゥ・オーセール・グランヴァン2011 右)シャトー・ド・シャンベール
ブドウ品種はマルベック。右はメルロをブレンド
※輸入元:左)ドウシシャ  右)ラ・ラングドシェン


軽快な赤ワイン AOC Gaillac「カーヴ・ド・ラ・バスティッド グラン・レゼルヴ2014」
ブドウ品種はデュラス、シラー、ブローコル
※輸入元:八田


白ワインに特化した「ドメーヌ・デュ・タリケ」のバラエティ豊かな IGT Cote de Gascogne
※輸入元:アグリ


前述したように、ブドウ品種の多彩さは昔から相変わらずです。
国際品種にはない、独特の風味のワインを飲むことは楽しいものですよね。

加えて、その土地の料理と合わせて飲めば、土地の風景や人々の笑顔が思い浮かび、土地の文化やライフスタイルにも興味が湧いてきませんか?


カスレ                 砂肝のサラダ


ロックフォールチーズ(青カビ)、ピレネー産チーズなど


カヌレ、揚げシュー“ペ・ド・ノーヌ”、トウモロコシのミヤス  タルト・オクシタン


カヌレやタルトによく合う甘口のIGT Cote de Gascogne「ドメーヌ・ラ・イテール・ジャルダン・ディベール」(右端)にうっとり
ブドウ品種はグロ・マンサン80%、プティ・マンサン20%。
※輸入元:豊通食料

シュッドウエストなら、おいしいマリアージュに出合えること間違いなしです

※料理は代官山「パッション」



統計の数字を見てみると、シュッド・ウエストには29のAOPワインがあり、13のIGPワインがあります。
IGPワインの生産量の85%が白ワインで、AOPワインは赤ワインが85%と逆転します。

つまり、シュッド・ウエストには、お手頃でおいしく飲める白ワインが充実し、赤ワインはクオリティの高いものが揃っている、ということです。

日本のワインマーケットは、安い価格帯と5000円以上の価格帯が売りやすく、1500~3000円の中間の価格帯は売りにくい、とよく言われます。

しかし、この日、シュッド・ウエストのワインの解説をしてくれたソムリエの石田博さんによると、今の消費者の中心購入価格帯は1000円で、500円以下の安いワインに関しては変化はなく、1500~3000円の価格帯は実は5年前から継続的に少しずつ伸びているといいます。そして、5000円以上の価格帯は、実は伸び悩んでいるというのです。



「実際に伸びている価格帯に、シュッド・ウエストのワインがあてはまる」と石田さん

昔は、ブランドや名前でワインを選ぶ人が多かったものの、今はブランドよりも味わいと品種を重視する傾向にあり、無名でも品質がいいワイン、おいしいワインであることを説明すると、それなら飲みたい、という人が増えたそうです。

だから、品質がよく、価格が魅力的なシュッド・ウエストのワインはオススメと言います。

お手頃プライスでおいしいワインは、本当に嬉しいですよね?
しかも、その土地ならではのブドウ品種のワインとくれば、ワクワク感もあります。
こうなったら、すべてのブドウ品種を制覇したくなってきました(笑)




ユニークなワインをつくるワイン生産者協同組合Plaimont Producteursが面白い!
※輸入元:スマイル


MOONSENG(ムーンサン)は“マンサン”のことで、使用ブドウのマンサン・ノワールから来ています。
メルロとのブレンドの赤ワインで、IGP Cote de Gascogne。
エチケットにあるように、名前は“月”(Moon)にも掛けていますよね?


左)ベレー・ノワール2012はカスレやBBQにオススメの赤 AOC Saint Mont
右)オリガミ・デ・ピレネ2013はフレッシュでエレガントな赤 AOC Madiran


ランプラントゥ2011はハチミツの風味のする辛口白 AOC Saint Mont

協同組合も素晴らしい!


フランス南西地方ワイン委員会(IVSO) ナタリーさん

シュッド・ウエストは、飲んで面白い、楽しい、おいしいワインが多くて驚かされます。
食欲の秋にピッタリの、料理とともに楽しめるコスパのいいワインを探すなら、シュッド・ウエストはハズせません。


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