ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

素晴らしく高品質なのに良心価格のポルトガルワイン

2016-08-24 16:53:13 | ワイン&酒
昨日のポルトガル試飲会 の続きです。
ポルトガルから8生産者が来日し、各生産者がそれぞれのワインを紹介してくれたのですが、その中から一部をピックアップします。

飲んで、改めて感じたのは、 ポルトガルワインって安い!



Esporão (アレンテージョ/ドウロ)

エスポランは以前は別の輸入元が扱っていましたが、今年の7月から木下インターナショナルさんが新たな輸入元となりました。
古い歴史を持つ荘園由来の造り手で、自社畑は2012年にオーガニック(40%)、減農薬栽培(60%)に転換し、契約栽培畑も100%減農薬と、オーガニックの方向に進んでいます。

上の画像は白ワインで、(左から)「ペ・ブランコ 2015」 1,000円(参考小売価格、税抜、以下同様)、「モンテ・ヴェーリョ 白 2015」 1,500円と、実に安い!




赤ワインも同様で、(左から)「ペ・ティント2015」 1,000円、「モンテ・ヴェーリョ 赤 2015」 1,500円。

1,000円ワインは非常にカジュアルで、赤はややフルーツ的の甘さを感じましたが、1500円の「モンテ・ヴェーリョ」、特に赤の方はバランスよくできています。果実味、酸、タンニンの均整が取れたミディアムフルボディで、アルコールも13.5%あります。ブドウ品種は、アラゴネス、トリンカデイラ、トゥーリガ・ナショナル、シラーのブレンド。これはアレンテージョのリージョナルワインですが、この味わいでこの価格は、普段使いにもってこいです。


その上の価格帯になると、ワインの格がグンと上がります。



例えば、私が気に入った「プライベート・セレクション ホワイト 2014」(右)は、セミヨン100%の白ワインです。酸の厚みがあり、ボディの厚みもあり、とてもなめらか。果皮から来ているタンニン分も少し感じ、それがキュッと引き締めます。こちらは3,500円。




「レゼルバ・レッド2013」(左)(3,000円)も、「プライベート・セレクション レッド 2012」(6,500円)(右)も、キレイな果実味とタンニンの収れん味がキッチリ凝縮したフルボディワインで、どちらもいいバランス。「プライベート・セレクション」の方が凝縮感が強く、アルコール度数は14.5%。
とりわけ、「レゼルバ・レッド2013」(アルコール度数14%)が3,000円というのは、とんでもないコスパの良さだと思います。

これらのプレミアムワインを飲むと、エスポランは赤ワインを上手につくるなぁ~、と思います。



生産者は変わり、「Quinta dos Roques」の下記2本も素晴らしかった!


FLOR DAS MAIAS  White 2012 / Red 2007  Quinta das Maias

キンタ・ダス・マイアスは、キンタ・ドス・ロケスと同じ醸造チームが手掛けています。
「フロール・ダス・マイアス」の産地はDão(ダン)で、参考小売価格は、白は3,300円、赤は5,000円。

白はエンクルザード80%+他品種20%、赤はトゥーリガ・ナショナル80%+他品種20%。
どちらもフレンチオーク樽で熟成させており、白は樽熟14カ月、瓶熟14カ月と言っていたような?
赤の熟成期間はもっと長くなり、ゆえに、今リリースされているヴィンテージが2007年です。

どちらも、なめらかで複雑なうま味があります。
畑が標高600mの場所にあるため、ミネラル感とフレッシュさが特徴とのことですが、どちらもしっかりと酸があり、ボディにゆるみがありません。

ここも赤ワインが特に素晴らしく、このクオリティでこの価格は、確実にお買い得です。



ポルトガルには、安くておいしいワインがあり、価格以上の高品質ワインがあります。

最初からターゲット設定していない人が多いかもしれませんが、見逃す手はありません

(輸入元:木下インターナショナル)

コメント
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