ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

洗練のフレンチ「エスキス」@銀座

2015-01-05 16:27:31 | レストラン&店
2014年のレストラン紹介第10弾は、ミシュランガイド2015で星を2つに増やしたフランス料理の店
「ESQUISSE」 (エスキス)

昨日紹介した 「オレキス」の名もそうでしたが、「エスキス」も耳慣れない不思議な響きです。
建築用語で設計の下書き、試作を、絵画では素描を意味する言葉だとか。

「エスキス」は銀座の一等地に店を構え、内装は意外にもシンプルで洗練されていました。




カキと馬刺しのコンポジション

牡蠣と馬刺しというユニークな取り合わせ。
添えられた青りんごがフレッシュで、ハーブのフェンネルもほんのり効いていました。
イクラが載っているので、一見するとフレンチには見えないのが面白いですね。



鱈白子のブリュロン ボワブルベール風味

ブリュロン(brûlante)は“燃焼”という意味なので、白子を焼いたもの、ということになるでしょう。
葉野菜のエンダイブ、紫蘇、グリーンペッパーで風味をつけています。
これまた見た目が和風なこの白子も絶品で、余韻の長い一皿でした。



伊勢海老のポッシュ 黒カルダモンのナージュ

魚介や甲殻類を、香草と白ワインのブイヨンなどで煮出したのがナージュ。
フランス語のメニューを見ると、伊勢海老(ラングスティーヌ)のほか、栗、セロリ、干しアンズが使われていました。カルダモンの香りがスーッとなじんだナージュがおいしい。



次のメインの肉料理のためにラギオールのナイフが用意されました


ヴォースーラメールのロースト 白トリュフとセージのアンサンブル

フランス産の生後3か月の乳飲み仔牛(Veau sous la mère)をローストしたもの。



お肉の上に載った付け合せを横によけ、お肉を切った断面がこちら。
ナイフがよく切れます!
肉の色がピンクで、質感はしっとりやわらかで、臭みがまったくありません。
乳飲み仔牛だからこそですね。



モワルーマルメロとババ ヴェルジョワーズのアイスクリーム オレンジのサバイヨン

お皿の上に、それこそ絵のように描かれた美しいデザート。
ヴェルジョワーズとはテンサイ(ビート)のこと。このアイスが絶品!
オレンジのフレーバーが、食事の最後を爽やかな余韻で引き締めてくれました。



小菓子

マカロン、ショコラトリュフ、カヌレ、マドレーヌと盛りだくさんでした





この日のワインは、最初から最後までシャンパーニュで通しました。
肉料理も、繊細でやわらかなピンク色の乳飲み仔牛でしたので、コク、うま味があり、熟成の進んだシャンパーニュが見事にマッチしました。

「エスキス」のシェフは、仏コルシカ島生まれ、マルセイユ育ちのリオネル・ベカ氏。
父がチュニジア出身、母がシチリア出身だそうで、スパイス使いに定評があるシェフです。
地中海沿岸で育ったので、フルーツ、柑橘をよく使うと言っていました。

シェフ・ソムリエとして、若林英司さんがいらしたのは嬉しい驚きでした。
以前、別の店にいらした時に取材でお世話になったことがあり、久しぶりの再会でした。
食材や調理法でわからない時に質問すると、サッと答えてくださいました。
ありがとうございました。

評価されている店は、シェフだけでなく、サービスも超一流の人材を揃えていますね。

特別な時に訪れたい店です。


ESQUISSE (エスキス)
東京都中央区銀座5丁目4-6 ロイヤルクリスタル銀座9F
http://www.esquissetokyo.com/index.html

コメント
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