NHKで「東京裁判」という番組があると知ったときは、まあ参考までに録画しておこう位にしか思わなかったのですが、一話目を見てすぐに引き込まれてしまいました!
私のようなこれまで関心を持たなかった「素人」にも、NHKらしい解説や当時の映像を添えてくれていたのでとてもわかりやすかったし、更にドラマとしても作りが一流だったからです。
今回は法廷での息詰まるようなやりとりはあまりなくて、戦勝国から選ばれた11人の判事たちの物語がメインでした。
私が唯一知っていたのはインドのパル判事のこと。 以前靖国神社に行ったときに、顕彰プレートのようものが境内にあり、彼がこの神社で讃えられているのはなぜだろうと思いました。その理由はすぐわかりました。彼だけは最初から「全員無罪」を主張していたのです。
戦争犯罪に三種類の罪があること、裁判は半年くらいの予定だったのが二年半もかかったこと、ニュルンベルグ裁判やパリの不戦条約などを踏まえての裁判だったことなど、初めて知ったことがたくさんありました。
人は戦争犯罪を裁けるのか?・・・判事たちは資料を調べ、証言を聞き、話し合い、自問自答し、長い間苦悩します。判事同士も意見や信条のちがいで闘う様子は、昔見た「十二人の怒れる男」を彷彿とさせ、見応えが有りました。
しかし、正直に言えば全4話というのは短くて、もう一つ裁判の全容が明らかではなかった気がします。11人の判事の中でオランダの判事が主役のような感じでしたが、彼のピアニストとのエピソードより、裁判そのものがもう少し見たかった気がしました。
東条英機をはじめ7人が絞首刑を宣告されました。日本の侵略に対する報復ではなく、これからの戦争を阻止したいという思惑からだとは思いますが、その後の世界はそうはなっていませんよね。(日本が戦争をしなかったのは憲法のおかげ)
この裁判の意義はどこにあったのでしょうか?色々と考えさせられたドラマでした。
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