でも、近所をゆっくり歩くだけでも、あちこちにはっとするような紅葉を見つけ嬉しくなります。
真っ赤なもみじ、黄色いいちょうはもちろんですが、さまざまな木々が自分らしく紅葉しているんですね。つた類は、薄茶色に枯れた葉色の中で、鮮やかな色に染まって、思わず立ち止まって見入ってしまう美しさです。
一昨年秋を過ごしたカナダ・バンクーバーでは紅葉と言っても黄色系統ばかりで物足りなく、昨年秋に訪れたイギリスでは赤い実は見事だったものの、紅葉は余り記憶にありません。やはり、日本の秋が一番です。
今年の夏に亡くなった姉の形見のセーターやジャケットを羽織って歩いていると自然の中で歩くのが大好きだった姉と一緒に歩いているような気持ちになります。
それは嬉しくもあり、寂しくもあり、そして悲しくもあって胸が締め付けられます。でも、顔を上げて、青空に浮かび上がる美しい木々を眺め、うつむいて散り積もった落ち葉を踏んで歩くとき、今を大切に生きたいなあという思いにさせられます。