前回のブログから色々なことがあったが、3月26日に見たNHKテレビ「事件の涙 『そして、研究棟の一室で~九州大学 ある研究者の死~』 」を見てから、その衝撃に、他のことは書けなくなっていた。
研究棟に火を付けて、亡くなったKさん、47歳。・・・・ なぜ彼は死なねばならなかったのか、なぜ真面目で優秀で、ドイツ語に堪能で、憲法を学ぶ研究者だった彼が死を選ばなければならなかったのか。
三つの大学の非常勤講師をしながら、肉体労働のバイトの掛け持ちまでして働いても、重くのしかかった奨学金の返済!!同じような思いをしている研究者は多いと言っていた。
運良く常勤の勤めを得た人と、Kさんのように非常勤で、いつ雇い止めになるかもしれず明日に希望を持てない研究者達・・・Kさんは学生に憲法を教えるのに生きがいを感じていたようだが、そのうちの一校から雇い止めになったことで、もう暮らしていけないと絶望したのだろう。通っていた整骨院の方から、新品の革靴をプレゼントして貰いながら、手紙と共に返していた。
昔、私が勤務していた学校にも非常勤講師の方がいて、彼は何度も教員試験を受けては落ちていた。一次は受かっても二次で落ちるのを繰り返していた。教師にも児童にも評判は良かったのだが・・・彼のどこが悪くて採用されないのか分からなかった。もうあきらめて故郷に帰ろうかという矢先にやっと合格し学校中で喜んだのを今でも覚えている。
このテレビを見て『明日はわが身』と思う人びとの思いが、政治家達に届くことを願う。 今、どこの社会でも「非正規」が増加し低賃金にあえぎ、「正規」は苛酷な労働にあえぐ・・・何とかしてほしい。
(この番組はYouTube『事件の涙』で見られます。是非見てください)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます