〇「反知性主義 アメリカが生んだ『熱病』の正体」・・・森本あんり著 新潮選書
著者は国際基督教大学の教授です。でも、題名の堅さとは裏腹にとても読みやすいです。(映画を使った話しも面白いです) 私が以前から抱いていた、アメリカはなぜあんなに熱狂的なキリスト教信者が多いのかという疑問に答えてくれました。(日本の信者は概して大人しく冷静)
反知性主義とは何かを知らなかった私ですが、「反知性」とは、単に知の働き一般に対する反感や蔑視ではない。「知性」のふりかえりが欠如して、知性が知らぬ間に越権行為を働いていないか、自分の権威を不当に拡大使用していないかなどを敏感にチェックするのが反知性主義だそうです。
言い方を変えると、「知性と権力の固定的な結びつきに対する反感」「知的な特権階級が存在することに対する反感」だそうですが、これは「きわめてアメリカ的」であり、日本では開花しなかった、それは日本に強力な知性主義がないからだと最後に著者は言います。この辺りはまだよくわかりませんでした。
〇丸山宗利の本・・・「昆虫はすごい」「昆虫はもっとすごい」「アリのくらしに大接近」「アリの巣のお客さん」
情熱大陸という番組で丸山さんの存在を知って興味を持ち、本を4冊も買ってしまいました。「昆虫はすごい」が一番面白くて、ファーブル昆虫記以来、久々に昆虫の話しにはまりました。「昆虫はもっとすごい」は養老孟司、中瀬悠太と三人の対談ですが、これも「な~~んでこんなに三人とも詳しいの?」とあきれるほど知識が多く、面白いです。
アリの絵本二冊は写真が素晴らしいです。アリの接写がすごくて、ちょっと気分が悪くなるのもありますが(幼虫など)、この絵本が好きな子っているんですかね?どちらかというと中高生か大人向きかも。
〇「世界」・・ 岩波書店
・毎月宅配で取っている唯一の雑誌なのですが、なかなか読み終わらないうちに次の号が来てしまってあせります。でも、毎号いくつかは教えられること、興味関心を引き上げられる文章に出会えます。今号はまだ少ししか読んでいませんが、82歳の米谷ふみ子さん、85歳の澤地久枝さんの歯切れの良い文章に圧倒されました。
米谷さんの文の最後はこう締めくくられていてビックリしました。皆さんはご存じでしたか?
「またくどいようですが、ロケット、宇宙船、ミサイルなどの打ち上げ実験をするのにどれだけの燃料を使てるか考えたことがありますか?どうしてメディアはこういうことを、この実験がものすごい温暖化に貢献していることを、いわんのでしょうか? ついでですが、戦争は偉大なる汚染です。温暖化で地球が滅びるというてるときに、もう戦争なんてする余裕はないんです」・・・・確かに