拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

「こいけさんはえらいひと」字余り

2021-05-13 06:22:15 | 日記
イタリア人は、政府が右を向けというと左を向く国民性だと言う。そのイタリア人でもコロナ禍は話が別なようで、国民はロックダウンに応じた。イタリアでさえそうなんだから、政府が右を向けと言う前から右を向き、それが同調圧力となるわが先進国においてJ警察が出没するのも当然である。いまや首都圏は禁酒法が蔓延する死の街である。そうした状況において、東京都に真っ正面から異を唱えた人々が現れた。それはなんと国(文化庁)である。国立科学博物館等の閉館を要請した東京都に対し、「開館と閉館の区別に合理的な理由があるんなら従う。だが、合理的な理由が見いだせないから従わない」と言ったのである。これである。私達は、行動制限について、科学的なエヴィデンスに基づいた合理的な理由を示してほしいのである。それをしないで、むやみに「出るな」「飲むな」「開けるな」と言うのは、日露戦争で、203高地を攻略するために兵にむやみに真っ正面から突撃させ、膨大な犠牲者を出した軍部と同じである(片や「行くな」、片や「行け」でベクトルは逆であるが)。このとき、現地で軍を率いていたのが乃木希典大将である。そう言えば、「だるまさんがころんだ」という遊びがある。鬼が「だるまさんがころんだ」と言う間は、鬼は目をつぶる。その間に鬼以外が鬼に近づくという遊びである(テレビゲームばかりやる今の子って、こういう遊びはもはやしないのだろうか)。なんと、私がこの遊びをしたときに鬼が唱えた呪文は「だるまさんがころんだ」ではなく「のぎさんはえらいひと」であった。もちろん「のぎさん」ってどこの誰かも知らなかった。今考えてみると、これは子供に対する恐ろしい洗脳作戦だ。遊びの中で、乃木大将賛美の心を植え付けようとするものである。いったい、いつ、誰が、このような洗脳作戦をあみだしたのだろう。だが、今の人がこの作戦に倣って「こいけさんはえらいひと」を広めようとしてもそれは無理である。この呪文は10文字でなければならないところ「こいけさん……」だと11文字で字余りになるからである。これが今回一番書きたかったことだ。あと少し余談。わが先進国は、ワクチンの進捗率について言えば、先進国中ダントツで最下位。途上国以下である。だが、日本はかつてワクチン大国であった。しかし、副反応が裁判になって有罪判決が出た。それが「萎縮的効果」をもたらしたのである。「怖がり」というこの国の国民性が今回のワクチン不足の原因の大きな一つだと思う(冒頭に書いたイタリアは、今では、感染者が大幅に減ったとして観光地の飲食店が営業を再開している。だが、新規感染者数は、日本の方がまだ少ない)。それから、「のぎさんはえらいひと」と子供に言わせた張本人が、乃木さんの何が偉いと言いたかったかについてはいくつかの可能性がある。(大損害を出したがとりあえず)203高地の占領に成功したこと、明治天皇に殉じたこと等々。だが、「のぎさんはえらいひと」を卒業して、日露戦争のことを多少知るようになった私は、203高地で某大な犠牲者を出した「のぎさん」を「えらいひと」とは言えなくなった。当時でさえ、国内に批判があったと聞く。ところが、そうした印象をさらに変える話が伝わってきた。乃木大将自身は正面作戦しかとりようのないこの作戦を避けたかったのに、大本営が無理矢理やらせたというのである。敵の捕虜を丁重に扱ったなんて話も伝わってくる。じゃ、やっぱり「えらいひと」だったの?人の評価は一筋縄ではいかないものだ。因みに、私は、コイケさんの公約の中で「犬猫殺処分ゼロ」には大賛成。これを実現した氏をこの点では評価するものである。なお、コイケさんと言った場合、いろんなコイケさんがいらっしゃるから注意されたい。先日記事にしたS委員長の番頭格もコイケさんだし、ラーメン好きの漫画の登場人物もコイケさん。それから、売れてるポテトチップスを作っている会社もコイケさんである。