拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

つんのめるか、百万人の人々よ(第九)/バカボン=Vagabund!?

2021-05-17 11:51:52 | 音楽


相変わらず「千一夜物語」をドイツ語でちびりちびりと読んでたら、男が女に「stürzen」したというシーンが出てきた。「stürzen」を辞書で引いて最初に出てくるのは「倒れる」である。え?男が女に倒れ込んだ?腹上死?そう言えば、第9の歌詞で「Ihr stürzt nieder,Millionen?」てぇのが出てくる。え?百万人が倒れるの?んなワケはない。千一夜物語の「stürzen」は男が女に(「営み」をするため)突進する様子だし(それに続く「女が男の首に抱きついた」でこのことは明らか)、第九は百万人がひざまづく光景である(この部分の敬虔な音楽で明らか)。なぜ「倒れる」が「突進する」「ひざまづく」と同じ言葉なのか。このことについては、ドイツ人の先生が体を張って(ポーズをとって)教えてくれた。つまり、「stürzen」とは、アップした絵のように、膝を折ってつんのめったポーズだというのだ。これはまさにお祈りのときのひざまづくポーズだし、つんのめるように相手に向かえば突進する様となる。NHKマイルカップでゲートを出てつんのめって騎手を落馬させたバスラットレオンもまさに「stürzen」の例である。因みに、上記の千一夜物語で男が「突進」した女は父・宰相が王様にあてがうために家に隠しておいた女奴隷であった。それに息子が手を出したとなればお手討ちは必至!そう言って家族は泣きわめく。ここで一瞬疑問。お話では抱き合った後に人が来てすぐ息子は逃げたことになっている。まだ手をつけてないから何でそんなに心配するんだろう、と思ったのだが、いいやいや手を付けているのである。「抱き合った」は「した」なのだ。馬なりの速さで?そういうことではない(脚の速さのことでもない)。行間を読め、ということなのだ。まだまだワタクシはお子ちゃまである。「千一夜物語」のドイツ語でおおっと思った話をもう一つ。お話の中で、お馬鹿な人が「Vagabund」(ヴァガブント)と形容されていた。え?バカボン?すると、天才バカボンの命名の元はドイツ語?じゃあ、「天才バカボン」をドイツ語で言うと「Genie Vagabund」?想像の翼は一気にここまで広がった。さあ、答合わせだ。おおおおっ、風呂いんで!なんと、同作のWikiのページに、名前の由来について赤塚不二夫自身が「馬鹿なボンボン、バガボンド(vagabond)=放浪者」と言っていたとある。スペルが一箇所違うが(u→o)、「Vagabund」はたしかに放浪者のことであるから、この推論は大当たりであった(昨日の競馬は大はずれ)!じゃあ、ドイツ語のタイトルも当たり?同作のWikiのページにはドイツ語のページもあった。ドイツでも「天才バカボン」は知られているらしい。だが、そこでのタイトルは「Tensai Bakabon」。「Vagabund」との関連性は書いてなかった。ドイツでは、あくまでも「バカボン」と「ヴァガブント」は別物ということらしい。