拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

ちんどん屋様、おみそれいたしました/「題なし」で蝶々夫人を歌ったコメディエンヌ/11PMでハイFを出したバラドル

2021-05-31 11:55:51 | 音楽
ある報道番組のフリをしたヴァラエティでは、IOCのバッハ会長の話題のとき必ずBGMにJSバッハの無伴奏チェロ組曲を流す。その意味に気づく視聴者は100人中一人いるかいないかだろうが音声係は満足だろう。そうした自己満足は当ブログにも共通するものである。さて。久々に「題名のない音楽会」を見た。クラリネット特集で、クラシック、ジャズ、元チンドン屋の三人のクラリネット奏者が登場。どなたもすごい。このうち、クラシックの方は、私より無限大にお上手だが想定範囲内。これに対し、ジャズの方のあの奏法はちょっとやそっとでは真似できない。クラシックの方も、こういう吹き方をすると先生に叱られる、と言いながら真似をしようとしてすぐやめられた。無理と悟ったらしい。さらに、元チンドン屋さんときたら!おみそれいたしました。チンドン屋はこぶしが命なのだそうだ。実は私、第二の人生……いや、何度も人生が転換しているから第いくつの人生になるのだろうか……とにかく、今の仕事をやめた後はチンドン屋さんになるのが夢だった。しかし、とてもじゃないがあーは吹けない。因みに、この元チンドン屋さんは、独学……ってことは音大はもちろん、先生につかないでってことだろう、この道を究めた方で、東欧のユダヤ音楽なども研究されたそうである(以後、この方を「師匠」とお呼びする)。興味深かったのは各奏者のリードの固さ。リードは数字が大きいほど硬くなるのだが、クラシックの方が3半。あれ、私と同じだ。もっと硬い、4とかをお使いなのかと思った(高校生のとき見学に行った警察関係の音楽隊のおじさま方は4をお使いだった。3半だと薄くてピーピー言っちゃうんだよー、とおっしゃってた)。ジャズの方は2半。かなり薄い。そして、師匠は3。実は、私は高校でクラリネットを始めた頃から3半だった。リードは厚ければ厚いほど音がいい、というのが所属していた吹奏楽部における「神話」だったからだ。しかし、初心者で3半は厚い。今ふりかえると、私はかなり無理をしたと思う。無理は禁物である。だから、近年、クラリネットを再開する際は2半から始めた。だが、「三つ子の魂百まで」。吹いているうちにあっと言う間に3半に戻ってしまい、最近では4の方がいいかな、と思うことさえある。さて、「題名のない音楽会」と言えば、私などは黛敏郎さんのイメージが強い。山本直純さん司会のくだけた「オーケストラはやってきた」に対して、黛敏郎さんの「題名」(最近の人は「題なし」と言うそうだが、私は言い慣れてない。同様に、多くの人は「Der Rosenkavalier」を「ばらきし」と言っているが、言い慣れないし、豚のバラ肉みたいだから、私はあくまでも「の」をいれて「バラの騎士」と言う)はアカデミックだった。だから、山田邦子さんのことも「女芸人」などとは言わず、「コメディエンヌ」と呼んでいた。そのコメディエンヌの山田邦子さんが「題名」で「ある晴れた日」を歌ったことがある。随所で笑いをとりながら最後のB♭をきっちり出したと言って黛敏郎さんが感心されていた。って話をするならこの話も。バラドルの井森美幸さんは、その昔、自身がMCを務めていた11PMがオペラ特集をした際、本物のオペラ歌手の前で、鼻歌まじりで夜の女王のハイFを出した。歌手先生も、す、すごいと絶句していた。私はそのときから井森さんに一目置いている。最近は馬女としても有名である。「いもりみゆき、まだ誰のものでもありません」が最近のキャッチコピーだそうだ。これ、私のキャッチコピーにもなりそうである。だが、この「誰のものでもない」は、往々にしてウソだったりするそうである。