麻里布栄の生活と意見

小説『風景をまきとる人』の作者・麻里布栄の生活と意見、加えて短編小説。

生活と意見 (第763回)

2022-05-08 21:41:49 | Weblog
5月8日

三省堂神保町本店最後の日。行ってきました。さすがに人が多かったです。フィネガンズウエイクではないけど、にぎやかな葬式という感じ。去年の年末から、これで三回目の葬式列席。一回目は、昔よく行った、近所の小さなレストランが60年の歴史を閉じたとき。次は、前にも書いたことのある、30年以上通い続けた散髪屋さんが、40周年を迎えると同時に店を閉めたとき。そして今日です。自分の葬式を少しずつやっているのと同じことだな、と感じます。実際に自分の一部が死んでいくわけだから。本当は記念に、ワイルドの「獄中記」の新訳を買おうと思ったのですが、すでに海外文学の棚は半分ぐらい整理されていてなかったので、新訳文庫の「ドリアン・グレイ」を買いました。

数日前には、神保町ワンダーで、バルザック人間喜劇コレクションの別巻2「全作品あらすじ」を買いました。これ一冊で小さなバルザック全集ともいえるすぐれた本。前からすごくほしかったのですが、新刊は高いし、古本は単独で見かけたことがありませんでした。手頃な値段でワンダーに出ていたので、1日だけ悩んだあと、買いに行きました。少し読みましたが、とてもいいです。

昨日今日と、また、「風景をまきとる人」を読みました。自信が少し湧いてきました。やはり、できるかぎりがんばったし、この作品で言おうと思ったことは言い切れていると思いました。年末にここで読んでくださった方もいらっしゃると思いますが、電子でも、本の形で読むのはまた違うと思います。ぜひキンドル版で再読してもらえれば、と思います。また、版元の彩図社さんが、文庫の在庫を安く出してくださっているので、紙がよければそちらで読んでいただければと思います。細かい部分には200カ所近く手を入れたので、文庫のほうは「初稿」とでも名付けたいとこですが、作品の印象としてはなにも変わらないはずです。なんとかこれからも死ぬまで書き続けていきたいと思います。
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