鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

第1段の幕が下りただけのコンビニ弁当戦争

2009-07-01 | Weblog
 コンビニ最大手のセブンーイレブン・ジャパンは1日から加盟店だけが負担していた弁当やサンドイッチなど食品類の廃棄損失を本部が負担する。負担割合は仕入れ原価の15%で、加盟店の廃棄損失を本部が負担するのは大手コンビニではセブンーイレブンが初めて。この廃棄損失の負担は先に公正取引委員会が加盟店に対する食品類の価格統制を実施していたとして排除命令を出していたのに対応したもので、世論の環境問題への関心の高まりに対する配慮がセブンーイレブンを折れさせたようだが、低成長時代へ入ってコンビニの売り上げが伸びなくなってきているだけにさらなる措置が必要となりそうな見通しである。
 セブンーイレブンと加盟店の契約については以前に公正取引委員会がセブンーイレブン側に対して加盟店に対する不当な契約をしている、として指摘したことがあった。この時は契約自体には法的な問題がないとして、セブンーイレブン本部が突っぱねたような記憶がある。一部の加盟店が法廷闘争に持ち込んで、いまだに係争中のものもあるようにも記憶している。
 ところが、今回の弁当、サンドイッチなど売れ残った食品類の廃棄問題についてはセブンーイレブン側は当初から井阪隆一社長が会見に臨み、殊勝に「善後策を検討します」と語っていて、印象が違っていた。
 というのも順調に市場が広がっていたコンビニ業界も昨年のリーマン・ショック以来、市場の伸びに陰りが見られるようになって、生き残り競争の時代に入ったことと、弁当など食品の廃棄が環境面で問題視されるようになってきたこともある。 業界筋の調べによると、セブンーイレブン加盟店1店舗当たりの食品の廃棄は1日11-12キログラムあり、年間530万円もの廃棄費用を負担している、という。加盟店の負担もさることながら、年間で全店舗で4億2000万食もの弁当を廃棄しているという資源の無駄遣いが問題にされている。なおかつ07年に改正された資源リサイクル法ではリサイクル率をさらに35~40%アップすることを求められている。
 こんな状況のなかで、加盟店に対し、経済的な負担をい強いているのみならず、環境に無関心んば企業とのレッテルを貼られでもしたら、一挙に売上高競争から落ちてしまうのは目に見えている。もちろん、一部の加盟店が実施している売れ残り弁当の値下げ販売を阻止して、スーパー並みの値下げ競争に巻き込まれないようにするねらいもある。
 これによるセブンーイレブンの年間100億円にのぼる見込みであるが、09年2月期の業績、売上高5407億円、経常利益1879億円からすればそれほどの負担ではないが、問題はこれですべて解決したわけではないことだ。確かに加盟店の廃棄費用が年間負担額が80万円くらい軽くはなるが、その分セブンーイレブン本部の加盟店に対する統制が強まることになるだろうし、加盟店側の値下げ販売が一掃されるとはとても思えない。
 いずれ、第2弾の追加措置が必要になってくるのは必定で、公正取引委員会も加わってのコンビニ戦争が見られることだろう。
  
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