鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

「バカタロー解散」と皮肉られた麻生首相にとって地獄の総選挙

2009-07-02 | Weblog
 1日付けの毎日新聞一面トップに「東国原知事 入閣で調整」との記事が踊った。最近は飛ばしの毎日新聞で、特に政治関係に記事では先走り的なものが多く、この記事も夕刻になって実現に至らず、単なる観測記事にとどまった。麻生首相は党内にある麻生降ろしの動きを鎮めようと党役員人事の刷新を考えたが、町村信孝前官房長官らの強い反対で思いとどまり、兼任している経済財政担当大臣ら2人の閣僚人事を行うことで落ち着いた。麻生首相のリーダーシップも落ちるところまで落ちた感じで、 もう総選挙じ自爆するしかないところまで来たようだ。
 1日決まった内閣人事は与謝野馨財務・金融相が兼任していた経済財政担当相に林芳正参院議員を、佐藤勉総務省が兼任していた国家公安委員長に林幹雄衆院議員を充てる、というもので、2人の林議員の同時大臣就任で、「二人囃子(林)」とダジャレのような人事であった。一時地方分権担当相に充てようと検討していた東国原宮崎県知事の起用を見送った。また、細田博之官房長官ら自民党役員の入れ替え人事についても細田官房長官の属する派閥の町村派の町村前官房長官や森喜朗氏らの反対で見送った。
 いま閣僚、および党役員の人事を行うことについては党内外からその効果、意味について疑問をさしはさむ声が強くて、麻生首相はそうした声に反発するかのように1日2回の首相番記者との立ったままの記者会見で聞かれる度に「私の口から内閣人事や党役員に人事を行うと言ったことはない」と明確に否定してきた。しかし、そうした言葉の裏で「ひそかに構想を練っていた」とのたまうなどまたまた”迷走麻生劇場”を演じてみせた。着々と閣僚、党役員の人事の検討を重ねてきていたのは事実で、試行錯誤の結果が発表された2人の閣僚人事だけだった。
 東国原知事の入閣や細田官房長官らの更迭人事も案としてはあったのは否定できないようで、改めて麻生首相の統率力、求心力が低下していることをまざまざと見せつけたこととなった。
 いま総選挙が間近となっているこの時期に閣僚にしろ、党役員にしろ、人事を発令する意味はどこにあるのだろうか。首相退陣して総裁選を行えとの声があるのに対して目くらまし戦術を行っているとしか思えない。トップにしろ、大臣にしろ、いまさら看板を書き換えたって、自民党が変わっている、といはだれも考えてはくれないことだろう。
 そんなことより、過去4年間の自公政権の功罪を総点検して、足りないところがあれば、次の任期(最長4年)の間に行うべき政策、公約をマニュフェストに織り込むことこそがいまやらなければならないことだろう。肝心の景気の状況だって、最悪期は脱しつつあるものの、果たして回復していくものなのか、いまひとつはっきりしていない。
 2日発売の週刊文春の見出しに麻生首相の祖父である吉田茂がかつて野党議員に「バカヤロー」と言って衆院解散になったことがあったが、それをもじって麻生首相の名前の太郎にひっかけ「バカタロー解散」と皮肉っていたが、麻生首相にとってはどう見ても地獄の総選挙となるのは間違いないところだ。
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