鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

いまだにリーダーズダイジェスト誌がもてはやされている世界があった

2013-03-02 | Weblog
 先日、大学時代の友人らと飲んでいて、友人の一人がいきなり「リーダーズダイジェストが倒産したらしい」と言い出した。その友人は毎朝、ネットでCNBCを読んでいるほか、海外のメディアを手広く視聴していて、キャッチした、という。日本ではどのメディアも取り上げなかったので、ひとしきり座の話題となった。リーダーズダイジェストといえば、ひところ知識人の愛読誌で、読んでいないとバスに乗り遅れるような感じもあって、いまのシニア層には懐かしい響きふがある。
 で、帰ってから、ネットで検索してみたら、確かにリーダーズダイジェストは2月17日付けで倒産していたが、正確にはリーダーズダイジェスト誌を発行する米国の老舗出版社、RDAホールディングスが会社更生法手続きの適用を申請し、倒産したようである。4億6500万ドル相当の債務を減らし、北米事業に専念する計画である、ともいう。また、報道によると、同社はこの4年間で、倒産は2回目、という。肝心のリーダーズダイジェスト誌については発行が取り止めになるとか、雑誌事業そのものをどこかに売却するとか、の報道は見当たらなかった。
 日本でのリーダーズダイジェスト誌は戦後まもなくの1946年に創刊され、豊かな米国文化の象徴として知識人の間に急速に普及し、流行を形作ってきた。ただ、あまりにも米国依存の情報発信だったせいか、次第に支持を失っていき、遂には1986年には休刊し、日本市場から撤退してしまった。それから30年余の2007年のネット時代になって、夢よ再びとのねらいから日本版ウエブサイトが開設され、百科事典のようなものも販売されたが、それでも復活するにいたらず、あえなく再度撤退した。
 ところが、本家米国では隆々として読まれ続け、2009年に米国最大の部数の座を明け渡したものの、長らく首位の座にあった、という。米国以外でも世界100以上の国で35カ国語の52の版が出帆され、4000万人以上の読者を抱え、発行部数は1700万にも及んでいた、というから化け物的な存在であったのは確かなことだろう。
 日本ではとうに飽きられ、市場から淘汰されていたのに、世界各国でこれだけの支持を受け続けていたというのは驚き以外のなにものでもない。ネット時代でたちどころに世界各地で起きたことや、過去の事実を知ることができるのに、いまだにリーダーズダイジェスト誌が健在であったとは信じられないことであった。米国は全国紙なるものが存在しない国で、地方には中央政府や世界の出来事に関心を持たない人々がいっぱいいることは承知していたが、ひょっとしたら世界も同じようなもので、パソコンもなく、携帯電話の通じない地域に住んでいる人々が案外たくさんいるのかもしれない。そう考えれば、リーダーズダイジェストのような雑誌があれば貴重なものとして、もてはやされることがあるのかもしれない。
 マーケティングの世界で発展途上国や後進国で、先進国では当たり前や、過去のものとなっている商品やサービスが受け入れられ、思わぬヒット商品となる、なんとかボットム理論なるものが取りざたされている、と聞いたことがある。さしずめリーダーズダイジェスト誌もそのひとつなのかもしれない。
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