鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

熱海・伊豆山で、興亜観音なるものを祀りA級戦犯の慰霊をひっそりと行っている人がいた

2014-05-09 | Weblog
 この7、8日と東急ハーヴェスト伊豆山に行ってみた。熱海に昨年8月にオープンした施設で、評判がよさそうだったので、どんなものか見てみよう、と思ったからだった。伊豆山という地名から山の上を想像していたら、国道135号線の海沿いのとこおrに立地していながら、眼下に熱海の海岸を見下ろす地点にあり、お風呂もプールも相模湾を一望できる絶景で、たちまちに気に入るところとなった。連休明けにもかかわらず大勢の人で混んでおり、相変わらずの人気ぶりだった。熱海駅までのシャトルバスで午前11時発のはほぼ満員だったが、ホテルの従業員がほぼ総出で、フロントに見送りに立ってくれたのにはびっくりした。
 8日の朝は朝食のあと散歩でもしようか、とホテルのフロントから国道135号線に出たところ、向かいの山道の入り口に「興亜観音」なる看板が立っていたので、多分頂上にでもそれらしきものがあるのだろう、と軽い運動にでもなるか、とも思いながらやや急な山道を登っていった。途中、家が立っていたのであろう形跡のあるところを通りながら約10分くらい登ると、駐車場らしきところがあり、その前に100人くらいの名前が書いてある銅板があり、「興亜観音」に寄進する旨が書いてあった。その筆頭に元伊藤忠商事副社長の瀬島龍三なる名が書いてあり、従軍兵士を祀るものであることがわかった。
 なおも山道を辿っていくと、中腹に人家があり、洗濯物が干してあったので、観音さまをお守りしている人が住んでいることがわかった。その上をしばらく登っていくとようやく観音さまを拝顔することができた。ちょっとお詣りして、神社らしきところへ赴き、お詣りでもしようかと思っていたら、墨染めの法衣をもとった住職らしき女性が出てきて、「お詣りありがとうございます」と言って案内してくれるので、付いていくと、再び観音さまのところへ案内され、「興亜観音」の由来などを説明してくれた。それによると、戦前中国で戦った松井石根陸軍大将はじめ7人がA級戦犯として昭和23年12月23日に絞首刑となった、その遺骨を祀るために建立されたもので、中国の大場鎮・南京地区の土を取り寄せ、陶工柴山清風氏の作になる高さ3・3メートルの観音さまで、毎年5月18日に法要が行われる、という。
 住職のお経で線香も手向けてお詣りをし、その後、社務所にてお茶までご馳走になり、思わぬ接待にあった。社務所には冷蔵庫やお茶用の設備も備わっていて、十分に整った施設となっていて、裏さびれた様子ではなかった。例年の法要には多いときで100人くらい集まったこともあった、という。
 こんなに丁重な受け入れをしてもらったうえはお賽銭もはずまなくてはならないだろう、と思って帰りにお札1枚を置いてきたが、ほんの軽い足ならしの積もりが思わぬ発見の旅となった。家に帰ってから、もらってきたパンフレットを改めて読んだところ、興亜観音奉賛会なるものがあり、入会金1000円、年会費3000円となっていて、お札は入会金だったと納得した。松井大将に縁もゆかりもないし、靖国神社に関係する者でもないが、世の中にはこんな慰霊をしている人々もいるのだ、と妙に感じ入った。
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