鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

NHKらしからぬ「サラリーマンNEO」は面白い

2009-04-27 | Weblog
 26日、NHKテレビが毎週日曜日、午後11時から放送している「サラリーマンNEO」を見た。NHKらしからぬやや斜めからサラリーマンの生態を描いたコメディタッチの内容で、まるでどこかの民放のチャンネルか、と見紛うほどの面白さだった。時間帯が深夜前で、規則正しい生活をしている主婦連のおばちゃんは寝ていると見て、羽目をはずしているのかもしれない。NHKにも話のわかる制作者がいるということがわかった。
 25日の「サラリーマンNEO」はまずサラリーマン通勤と題して駅近くの一杯飯屋で昼食を摂る2人連れのサラリーマンが持ち家についてあれこれ話し合っているショットから始まった。結局、持ち家は夢か、と諦める結論になったところで、後ろの客が帰りかけ、立ち上がって定期入れえお落していったのを拾って、中を見ると、下関から東京・高田馬場へ通勤している定期券見て、目を丸くする。そして、「あいつ、すげえ!」と叫び、急に持ち家について野心満々になる。
 続いて、会社のなかで打ち合わせしている男女4人が終わって、取引先に向かおうとすると、課長が部屋へ飛び込んできて、「野球に行こう」と言い出す。どうやら先週から野球に行くことを約束していて、今日がその日に当たっていたようだ。ところが、急に取引先に行くことになり、課長は「藤川が投げるところを見たくないのか」とジェスチャーを交えて一緒に行くことを促す。が、4人は応じようとしない。結局、後で追いかけることになるが、最後に課長が「どこまで行くのか」と聞くと「九十九里まで」と言い、間に合うわけないことが判明する。
 そして「きょうの経理」と題して、腕に黒いカバーをしたいかにも経理マンといった男性が登場し、「いつでもピン札」をテーマにしわしわの1万円札をアイロンをかけてピン札にするのをさも特技のように披露する。隣の宮崎美子扮する司会がピン札のピンはポルトガル語のピンタからきている、と話すのにも無関心で、相槌を打とうともしない。最後に「きょうの料理」風に霧吹き、アイロン、ハンカチなどを重々しく紹介するのがオチとなっていた。
 さらには派遣の女子社員3人が悪徳サラリーマンを懲らしめる「派遣エンジェル」で、会社の機密を搭載したUSBメモリーを盗み出したサラリーマンから取り返す物語や、「はたらくおじさん」として実際の健康機器メーカーでマッサージチェアーの機能を実験台となって試験しているサラリーマンをケーススタディとして取り上げ、最後には「お先が真っ暗ですね。いずれ晴れますやろ」との女性が大写しでモノローグを披露し、会社のトイレで、男性2人がないやら前の日の飲み会のその後を話していて、先に帰った上司が部下にお金を置いていったことを改めてみんなに報告してくれ、と捨て台詞を言って去っていくところで終わる。
 サラリーマン、OLの会社での実態を細切れにコメディタッチで抉り取った秀作で、それぞれの話がよく出来ている。出演者も生瀬勝久や中越典子、田口浩正などそこそこの芸達者がそろっていることもあって、いかにもNHKならではの感もある。
 わずかに「はたらくおじさん」だけは四角四面、何事も清く正しくの従来のNHKの路線であるが、そのほかの部分はNHKからはみ出していて面白かった。NHKもいずれ、CMを流す時代が来るのに備えて、民放に対抗してお笑いのわかる人がいることを訴えたいのかもしれない。
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