鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

2週間余、この酷暑のなかロクな餌もなしで生き抜いたカメの生命力に驚かされた

2018-08-04 | Weblog

 2週間ほど前に息子家族が1カ月間、海外へ旅行に行くので、その間飼っているミドリガメ2匹wp預かってくれ、というので、飼っている容器ごと預かってきた。2匹は雄雌のつがいかどうかはわからないが、教えてもらったように小石の上にカメを置いて餌をやっていたら、翌日にはそのうちの一匹が容器から飛び出して、どこかへ行ってしまった。我が家はマンションの9階だが、9階にある5軒のベランダは境い目に扉のような板があって人が通れない構造になっているが、下が空いていて、カメなら容易に行き来できるようになっている。容器のなかで2匹が山乗りになれば乗り越えられるので、一匹が外へ出て、隣のバランダへ行ってしまったように思われた。ベランダにはクーラーの室外機があり、水が出てきて、水分を取るには困らない。それでもこの暑さでは餌もなく、そのうちには死んでしまうことだろう、と孫には伝えてあった。

 このミドリガメは今年4月に息子家族が引っ越しをした際に荷造りを手伝ったことがあり、その際一匹が逃げ出してしまい、とりあえず残った一匹を灰皿のようなものの中にテープで止め、段ボール箱に収めた。荷造りの終盤になって、逃げだしたカメがみつかり、急遽そこらにあったマッチ箱のようなものに入れて、段ボール箱に放り込んだ。その日のうちに引っ越し先に荷が送られ、荷ほどきをしていくうちに最初のカメは灰皿のなかから出てきて、容器のなかに収めたが、残る一匹のカメはどこに行ったのか、見つからずしばらく荷物のなかに迷い子のようになってしまっていた。 それでも1日後かにひょっこりと現われ、無事2匹が容器のなかに収まったことがあった。

 今回その一匹がいなくなったのかは定かではないが、いなくなって2週間は経った3日夕、旅行先から帰って、ベランダにある花に水をやっていたら、カメの容器の下にいなくなったカメが力なくひっそりと佇んでいるのをかみさんが見つけた。持ち上げてもう一匹のカメのいる容器に戻すと、しばらくはじっと動かなかったが、数分すると頭を持ち上げ、水のなかに頭を沈めていき、生きていることを見せつけてくれた。もう一匹のカメも寄ってきて、じゃれつくような仕草をした。カメに言葉があるのなら、「よう生きていたな」とでも言っているような感じであった。

 全くこの記録的な暑さのなかをよくぞ生きていたものだ、と感心させられる。クーラーの室外機からの水以外これといった餌もなく、2週間余も生存していたものだ。この2匹が雄雌かどうかはわからないがずっと一緒に過ごしてきたのだから、言葉はなくとも何らかの方法でお互いの存在を知らせ合うような方法でもあったのだろうか、不思議なところである。カメの生態をよくは知らないが、ウミガメは海岸の砂地で産卵し、生まれてきた子ガメは海に向かって歩いていくようだから、方向感覚は持っているのだろう。

 今回無事に生還したカメは逃げ出したものの、やっぱり仲間といた容器のなかが一番いい、ということから戻ってきたのだろう。それを仲間にどう伝えたもんか、その方法は流石にわからなった、とみえる。ただ、近くに来てうずくまっているだけで、帰心を示したのだろう。それにしても今回の事件はカメの驚異的な生命力を物語っている。いずれミドリガメはどこかで処分しなければならないだろうが、いつかは今回の事件を教え、カメの生命力のすごさを孫に伝えてやりたいものだ、と思った。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 家族のあり方を改めて考えさ... | トップ | 世界唯一の被爆国である日本... »

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事