鈍想愚感

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主演の「Woman」で、演技派の田中裕子を食う演技を見せた満島ひかり注目した

2013-07-19 | Weblog
 日本テレビが毎週水曜日夜10時から放送しているドラマ「Woman」が面白い。特に民放の連続ドラマ初主演の満島ひかりが名前の通り、光っていて、毎回わくわくしながら見ている。話は2人の子どもを育てるシングルマザーが母親の家族らと交わりながら、たくましく生きていく物語で、どこにでもあるケースでありながら、はらはらドキドキさせ、ストーリーを展開している。母親役の田中裕子とのからみが見せてくれて、時に満島ひかりが演技派の田中裕子を食ってしまっているようにも見えたところが素晴らしい。
 「Woman」は1カ月くらい前に東京メトロの表参道駅の階段に前宣伝の大きなポスターが貼ってあるのを見て、タイトルからはどんなストーリーか想像もつかないが、と思いながら、見る気になっていた。初回の出だしは満島ひかり演じる主人公青柳小春が駅のホームで歌を口ずさんでいて、夫となる小栗旬と知り合う場面から始まった。男女の出会いとしてはありうるシーンで、2人はそのまま恋人となり、結婚し、娘と弟の2人の子どもを授かり、小春が2人の子どもを寝かしつけるシーンとなり、ここまでは単なるホームドラマかな、と思わせる。
 ところが、一転してカメラは机の上の夫、小栗旬の写真を映し、夫は駅のホームで抱えていたりんごを落とし、拾おうとしてホームから転落し、死んでしまったことを伝える。小春は2人の子どもを養いながら働くシングルマザーとしてしゃにむに働き出すが、無理がたたって病気になり、やむなく実家の母を訪ねていく。母は小春と父を捨てて、家出して、いまは他の男性とその間にできた娘と暮らしている。小春は亡くなった父を捨てた母を許せないが、その感情をい抱いたまま母を訪ね、生活に追われている実情を打ち明ける。わだかまった気持ちを抱いたまま2人は卓袱台に座って言葉を交わす。生活に追われた実情を聞かれるともなく愚痴る小春の演技が真に迫っており、田中裕子をたじろがせるような感じさえ与えた。
 今週放送の第3話でも田中裕子と満島ひかりとのからむシーンは旦那役の小林薫をはさんで強烈に展開されたが、やれピアノ教室に通わせても行かなかったとか、母親が入院しても見舞いに来なかったとか、はげしく応酬され、帰ってきた妹役の二階堂ふみが母親の前の夫は暴力を働いたのだ、と打ち明けるなど今後の展開に含みを持たせた。
 いまどきシングルマザーはざらにあるが、その実態をここまでシリアスに描いたドラマは珍しい。それでいて、暗い感じを与えずに今風に作っているのは脚本がうまくできている、ともいえそうだ。このドラマの最大の魅力はやはり主演の満島ひかりの演技に預かるところが大きいのだろう。満島ひかりはNHKの朝ドラ「おひさま」の準主役をしたことで名前が知られたが、その後もNHKドラマ「開拓者たち」の主演を務め、日本放送映画芸術大賞放送部門の優秀主演女優賞を受賞した実績を持っている。今後とも注目すべき女優であるのは間違いなさそうだ。
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