鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

日本ではまだまだ未成熟なインターネット選挙

2013-07-20 | Weblog
 参院選が明日、21日に投開票されるが、今回の最大の特徴はインターネット選挙が解禁となったことだろう。鳴り物入りで解禁の運びとなったインターネット選挙が果たして民意を掘り起こして民主主義への大いなる前進となるのかはそれなりの調査をしたうえで、識者らの分析を待たないとなんとも言えないが、少なくともここまでは鈍想愚感子のもとにはインターネットによる選挙活動なるものは一切届いておらず、どこがインタネット選挙なのか、と訝るほどである。多くの人も同じような感想を持っていることと思われる。
 一体、なぜインターネット選挙が浸透しないのだろうか。まず一番の理由は立候補者の選挙運動としてインターネットを選挙活動の柱として確立していないことがあげられる。インターネット選挙をする以上は立候補者自身が自らの立候補の理由、政治公約、ヴィジョンなどを明らかにするサイトを立ち上げ、日々選挙民との対話を通じての意見交換などを行い、コミュニケーションのツールとしてインターネットを利用する体制にあることが欠かせない。このためにはネット専属のスタッフを少なくとも3人くらいは抱えなければならないし、選挙民のアドレスを取得して、絶えずメッセージを送ることもしなければならない。そうした体制を組んでいる立候補者はまず見ないし、10年1日のごとく、選挙カーの上に立ってマイクでがなり立てる選挙運動しかしていにあのが実情である。しかも言うことは所属する党の政策を繰り返すだけで、一政治家として何をしようとしているのかとなると、はなはだ心もとないのがほとんどである。
 第2には受け取る選挙民の方もメールアドレスは会社務めの人は会社でのメールアドレスと家庭のパソコンのメールアドレスと携帯電話のメールアドレスと3つあり、人によって使い分けており、選挙に関心を持っているシニアの世代の人は家庭でパソコンを使わない人が多く、パソコンを使い慣れている若い人は逆に選挙に関心がない人が多い。そもそも若い人が選挙に関心を持つようにと打ち出されたインターネット選挙の解禁が肝心の若い人に支持されないのでは浸透のしようがない。それにメールアドレスを安易に知らせることには個人情報保護の観点から抵抗があることもちょっとした障害となっている。
 3つ目には日本ではインタ-ネットはまだまだ社会に定着しているとはいえず、芸能や娯楽、ショッピングなどの面では活用が進んでいるが、政治や経済などシリアスな面での利用となると二の足を踏む側面があり、社会全体が受け入れるような体制になっていないことがあげられる。論理的な言語ではない日本語でやりとりするとともすれば誤解を生みやすいので、政治などの問題を議論するにはインターネットはふさわしくないとの意見もある。
 米国ではオバマ大統領が初めて大統領選に出馬した2008年にインターネットをうまく活用して選挙戦をリードし、勝利に結びつけたといわれており、支持者からのカンパを集めるのにもインターネットを通じて行ったとされているが、日本ではとてもそこまでいっていない。まず政治のあり方そのものが変わる必要もありそうだ。いずれ、インターネットを活用して、投票もインタネットで行うようなことも考えられるのだろうが、日本がそうなるにはまだまだ時間はかかりそうである。
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