鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

訴える相手を間違えているのではないか、と思わせた損害賠償請求裁判

2016-10-07 | Weblog
 7日は東京・霞が関の東京地裁へ裁判の傍聴に出かけた。午後1時半から707号法廷での一般女性が丸井のクレジット会社、エポスカードを相手どって損害賠償請求している民事裁判を傍聴した。どうやらエポスカードから徴収されたクレジット金額の返金を求めているような裁判のようで、証人尋問を聞いているうちにエポスカードを相手どるのではなく、クレジットカードを不正使用した相手に対して請求した方がいいのではと思わせた。裁判長も最後には原告に対して「クレジット会社ではなく、不正使用した相手を訴えるべきではないか」と問いかけるほどで、原告の弁護士が「それをしても取れる金額はごくわずかで弁護士費用の方が高くつくといったんです」と吐露する意外な展開を見せていた。

 まず証人尋問に立ったのはかつての原告の恋人だった。宣誓を一緒にするのを拒否した原告は尋問が始まる前に退廷し、弁護士が「顔も見るのも嫌だから」と弁解し、妙な雰囲気のなかで始まった。被告側の弁護士の尋問に対し、一昨年の10月から1年間、原告と恋人関係だったことを告白し、その間2人で全国各地の有名ホテルに泊りがけで旅行に出かけたことと述べた。そうした時、原告は相手がその費用を全額払うことを当然としていたが、月収20万円程度の収入しかないので、そのうちにお金がなくなり、時に喧嘩となって、原告が嫌々、自身のクレジットカードを差し出すことがあり、それで支払ったことが数回あった、と語った。その時のサインは原告でなく、自ら行った、という。それがエポスカードから請求が来て、原告の口座から引き落とされることとなり、裁判となったわけである。

 原告はこのかつての恋人の証言に対し、クレジットを使われたのは了解していなくて、知らない間に使われたのだから、本来の請求は使った本人にしてほしい、として、エポスカードに一旦口座から引き落とされた分を返還してほしい、と申し入れた次第。しかし、その申し入れをしたエポスカードから「使ったのは確かに男性ですが、その人を知っていますか」と聞かれた際に「近所に住んでいる知っている人だ」と回答した。原告は同じようにクレジットカードをかつての恋人に不正使用されており、エポスカード以外のクレジット会社とは2人分のうち半額の半金を受けていることで話がついた、としている。ただ、被告のエポスカードの責任者はクレジットカードの使用については提携しているVISAカード側に責任があることなどとして返金には応じない構えである。

 原告は航空う会社のキャビンアテンダントで、父親が医者で済住んでいるマンションの家賃も父親が払っていることが明らかになるのを聞いて、わがまま放題のお嬢さんのような感じで、裁判もその流儀で押し通しているようだった。聞いていて、クレジットカードを不正使用した人がわかっているのなら、その人に対して警察に被害届を出して罪に問うべきであるし、あわせて損害賠償請求もすべきで、クレジット会社に対して訴訟を起こすのはお角違いではないか、という感じがした。だから、最後に裁判長は原告に対し「かつての恋人を訴えないのはなぜか」と問いかけると、代理人が「『彼にはお金がないからとても払えないし、弁護士費用のが高くつく』と説明しても『それでもいい』と原告はいう」と答えた。原告はその理由を「許せないから」というのだが、だからクレジット会社を訴えるのはどう見ても筋が違う気がしてならなかった。双方とも和解する気はないようで、最終的には却下される見通しが強そうな感じだった。
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