鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

国民の生活から生み出された税金を使って、目に行き届いた制度設計をしてほしい

2013-01-27 | Weblog
 全国各地で教員、警察官など公務員の早期退職が問題となっている。国が公務員の退職金を切り下げるため、退職金制度を2月1日から改定することにしたため、今月中に退職すれば退職金が従前通りにもらえる、という考え方によってはせこい考えからのようで、特に教員の場合、受験、卒業式を控えるこの時期に退職してしまうことに対する職業意識の欠如が問題とされているわけだ。退職金制度をこの時期に改定すること自体おかしいのだが、そもそも自己都合退職なのに満額の退職金を支給する制度もおかしい。
 公務員の退職金は民間企業に比べ高すぎるとのことから、退職金の金額が切り下げられることになり、この2月から新しい退職金制度が実施されることになっている。平均で200万円くらい切り下げられるが、1月末で退職した場合は従前の退職金を手にすることができ、3月まで務めて2月と3月の給与をもらってもトータルでは多くの金額を手にすることができる、という。警察官はともかく、教員の場合は年度末は年間の行事が集中して、特に忙しい時期であり、これを前に退職するということは敵前逃亡に等しいこととなる。クラスの担任などを務めている場合は生徒、父兄から非難を浴びることとなりかねない。
 それでも市民として1円でも多くの生涯賃金を手にして老後の生活に備えたい、との気持ちは代えがたいものがある、ということなのだろう。それだけいまの生活が厳しいという現実なのかもしれない。
 公務員の場合、仕事のサイクルが年度ごとに決められているので、退職金の改定そのものも年度の区切りのいい3月末か、4月1日から始まるということにしていれば、何の問題も発生しなかったのではないだろうか。それに民間企業の場合は自己都合退職の場合は規定の退職金からなにがしか差し引かれるような制度となっている。公務員も同じような規定にすれば、こんな問題は発生しなかったのではなかろうか。
 すでに2月から新しい退職金制度が実施されることとなっているのだから、いまさら変更は難しいことだろう。学校ごとに不足する担任についてはなんらかの形で手当てするしかにだろうが、規定を超える退職金の支払いについては行わざるを得ないだろう。そのツケは税金が不当に使われたこととして、回り回って広く国民が負担せざるを得ないこととなる。
 総じて、こうした各種の制度設計にあたって、国民の乏しい生活のなかから生み出された税金を使っているのだ、という意識が薄いというのが政府、ならびに中央の官僚の特徴である。自分たち自身が仕事をして得ている報酬そのものから仕事をした結果、使われるお金がすべて国民から徴収した税金である、という意識を常に持ってもらい、その運用にはかゆいところまで目の行き届いた設計をしてもらいたいものだ。
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