とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

2019栗駒山ツアー:3日目平泉観光

2019-10-03 18:11:42 | 観光
8:30。ホテルを出て、すぐ隣にある毛越寺まで歩いていくことにする。平泉の世界遺産巡りの散策である。平泉には-仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群-として、以下の史跡で構成されている。中尊寺、毛越寺、観自在王院跡、無量光院跡、金鶏山。


毛越寺に行く途中には、観自在王院跡があり、広大な庭園を見ながら歩いていく。観自在王院は、奥州藤原氏二代基衡の妻が造営した寺院の遺跡だ。大小二棟の阿弥陀堂跡の前面に舞鶴池を中心にした浄土庭園が広がり、境内の背後には金鶏山が位置している。近世までに往時の堂塔をすべて失い、庭園も荒廃して後には水田化したが、遺跡発掘調査の成果に基づいて伽藍遺構と庭園の修復・整備が行われ、今日の姿になったそうだ。


しばらく進むと毛越寺の入り口だ。まだ、朝早いので人は少ない。


入り口から少し行くと右側に、松尾芭蕉の有名な句「夏草や兵共が夢の跡」の句碑がある。左の小さい碑が松尾芭蕉の真筆だという。ただ、かすれて文字は良く見えない。




こちらは、毛越寺の一番の見どころである浄土庭園だ。浄土庭園とは仏堂と苑池とが一体として配された庭園である。日本最古の作庭書「作庭記」の思想や技法を今に伝える貴重な庭園だという。


遣水。遣水とは、寝殿造りの庭園などで、外から水を引き入れてつくった流れだ。日本庭園の技法の一つで、平安時代の遺構としては唯一のものとして毛越寺に復元された。




毎年5月の第4日曜日には、「毛越寺曲水の宴」という行事が行われる。遣水の周りを舞台にして平安時代の宴を再現したもので、男性は狩衣、女性は袿や十二単などの衣裳を身につけ水辺に座り、遣水に盃を浮かべその流れに合わせて和歌を詠む優雅な遊びだ。


最後の本堂に寄る。毛越寺の中心となるお堂で、本尊は薬師如来。特に健康祈願・當病平癒にご利益があるそうだ。


毛越寺からホテルの方に戻り、反対方向に向かうと金鶏山登山口に着く。


登山口のすぐ脇には、源義経公妻子の墓がある。掲示板には、「源頼朝の威圧に依って藤原泰衡が高館に義経公を襲った。義経公は北の方と幼児を殺害し、自害したと伝えられる。時は平安時代の文治五年(西紀一一八九)閏四月三十日、三十一歳で最期を遂げられた。このお墓は、高館で悲しくも露と消えた妻子の墓と伝えられているが、元は千手院境内で、ここから約三百米程の西北金鶏山の山麓にあったが、ここに墓石を遷し供養を怠らない。」と記されている。


金鶏山山頂はそれほど高くないが、登山口からは7~8分かかる。急坂を喘ぎながら登っていくと草むらの中でカモシカがこちらを眺めていた。


金鶏山山頂に到着する。中尊寺と毛越寺の中間に位置する円錐型の小さな山だが、山頂には埋納した経塚(写真)があり「平泉を守るため黄金の鶏を埋めた」などの伝説があり、世界文化遺産登録では仏国土(浄土)を表す信仰の山として捉えられている。


金鶏山を下山してホテルに戻り、車を回収して中尊寺に向かう。参道(月見坂)はのっけから急坂だ。


月見坂を登る途中の中程右手に東物見台が見えて来る。その反対がわに小さなお堂があり、それが弁慶の木造が祀られている弁慶堂だ。


中尊寺と言ったら金色堂である。やはり最初に金色堂を見たいという事で拝観料を払って中に入る。みんな写真を撮っているのでこれがそうなのかと思ったが全然金色じゃない。この建物は、金色堂を保護するための金色堂覆堂だ。鉄筋コンクリート製の頑丈なもので、金色堂は更に覆堂内のガラスケースにて保護され、温度・湿度も調整・保存されているのだ。残念ながら金色堂は撮影禁止となっており写真を載せることが出来ないが、その金色の輝きはしっかり目に焼き付けてきた。たしかに野ざらしじゃ汚れてしまうし、盗難の危険もある。そして、金色堂の内部にある須弥壇には、藤原清衡、藤原基衡、藤原秀衡と3代のミイラ化した遺体と、藤原泰衡の首級が納められているそうだ。


金色堂の近くには、松尾芭蕉句碑「五月雨の 降残してや 光堂」がある。松尾芭蕉も金色堂を見に来たんだ。


松尾芭蕉の像。


最後に中尊寺本堂に寄っていく。


中尊寺の本堂は山内にある多数の寺院の中心となる建物だ。現在の建物は1337年に火事により焼失したものを明治42年に再建したものだという。ご本尊は阿弥陀如来で、本尊の両脇にある灯籠は「不滅の法灯」といわれ、宗祖伝教大師最澄が点して以来消えたことがない天台宗の象徴的な灯で、総本山延暦寺から分けたもの。


こうして、平泉の世界遺産を一通り見終わって一関駅に向かい帰路に着いた。今回初めて行ったところばかりだったが、栗駒山の紅葉は最高だったし、登米の明治村や平泉の世界遺産も行けて東北の旅を満喫することができた。