prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「嘘を愛する女」

2018年02月21日 | 映画
長澤まさみ扮する優秀なキャリアウーマンが同棲していた男がくも膜下出血で意識を失ったことから実は全く男の素性はすべてウソであるのがわかる、という出だしは一応面白いのだけれども、現在の男が全く身動きできないでいるものだからドラマ上で役割を果たしようがないのでだんだんダレてくる。

男の過去を知っていく過程は特に大きな邪魔が入るわけでも陰謀が巡らされているわけでもないく謎解きというほどの興味もないし、過去そのものもそれほど意外性はない。
あと、新聞記事と回想シーンの内容にズレがあるのはいいのだろうか。

ヒロインが仕事ができる人っていうにしてはいかになんでも不用意すぎないか。仕事と私生活のコントラストを狙っているにしても、だ。
長澤まさみはきれいで、一人でスクリーンを支えられるようになった、と思う。

ヒロインもウソをついている、らしいのだがその内容はちょっと説明される程度で、互いにウソをつきあっているというのなら、騙しあいとまではいかなくてももうちょっと綾をつけてもらわないと興が乗らない。
(☆☆☆)

嘘を愛する女 公式ホームページ

嘘を愛する女 - 映画.com



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2月20日(火)のつぶやき

2018年02月21日 | Weblog

「コンフィデンシャル 共助」

2018年02月20日 | 映画
北朝鮮と韓国の刑事が「リーサル・ウェポン」ばりのバディになり、刑事の妻を殺し偽札の原板を奪って脱北した元特殊部隊隊員を追うという設定ががっちりしていて、終盤の構成まで「リーサル」そのまんまなのもむしろフォーマットの堅牢さを感じさせる。

バディものというと、それぞれの背負っている背景のコントラストの味付けが重要なわけだけれど、肉体的にやたらと強いのとそうでないのとの組み合わせと当然として、南北対立の方は実は北の描写はどこまで「リアル」なのかなと思わせるところがあって、むしろイケメンのヒョンビンと「破壊された顔」とヒドい形容をされる面相のユ・ヘジンの組み合わせや、家族に関しては妻を殺されたのと女ばかりの家族の中で男ひとりいじられているというコントラストをなしているあたりが娯楽映画としての工夫として生きていると思う。

北朝鮮のキャラクターの方をあれだけイケメンにするというのは作り方とするとひねっている感じがする。
また敵役もよく考えてみると北の体制に反逆しているわけで、そのあたりの配慮もかなり周到。

高いところから飛び降りるのを追いかけるカメラワーク、韓国映画好きなのではないか。「アジョシ」とか他でも何度か見た覚えあり。
アクションシーン特に肉弾戦の切れ味は今の世界基準のオーソドックスの中で最高レベルという感じ、身体のキレがいい。
ユ・ヘジンの義妹役のユナ(やたらと可愛い)がイケメン相手に舞い上がるのはかなり可笑しいけれど、後の方で出番がなくなるのは妙な感じ。
(☆☆☆★★)

「コンフィデンシャル 共助」 公式ホームページ

「コンフィデンシャル 共助」 - 映画.com



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2月19日(月)のつぶやき その2

2018年02月20日 | Weblog

2月19日(月)のつぶやき その1

2018年02月20日 | Weblog

「祈りの幕が下りる時」

2018年02月19日 | 映画
タイトルは挙げないけれど、先行する大ヒットしたミステリ映画の古典に動機というか基本的な情のあり方が似ているな、と思った。日本人好みということだろうか。

かなりややこしい人間関係を説明するのに捜査本部に写真や似顔を貼って図解するのは定石とはいえ効果的。
地方も東京もロケーションが素晴らしい。このところ日本映画のロケが(外国映画の日本ロケも含めて)良くなってきた。

松嶋菜々子の小さい時と若い時にやってる人の顔が結構違っていて混乱する。
新参者シリーズを前から見ていないとわからないところをちょくちょくある。だいたい想像できる範囲だが。

松嶋菜々子扮する演出家が演出中の舞台が「曽根崎心中」というのは内容が本筋とだぶってくるのかと思ったらそういうわけでもないのはちょっと拍子抜け。代わりに住んでいる部屋の壁のデザインがすごい。
大熱演を見せるところで鼻の頭に涙か鼻水がたまっているのがはっきり見えるのは若干いいのかなと思った。
(☆☆☆★★)

「祈りの幕が下りる時」 公式ホームページ

「祈りの幕が下りる時」 - 映画.com



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2月18日(日)のつぶやき その2

2018年02月19日 | Weblog

2月18日(日)のつぶやき その1

2018年02月19日 | Weblog

「マンハント」

2018年02月18日 | 映画
大阪ロケが壮観で、ボートチェイスといい地下鉄の追っかけといい、「ブラックレイン」もそうだったがこれだけ縦横に撮れるのは東京に比べてずっとロケが自由なのだろう。
全編舞台は日本だけれどわざとだろうが無国籍的。美術は「キル・ビル」も担当していた種田陽平だから意識的なものだろう。

エンドタイトルを見るとスタントは大半が日本人スタントマンで、これだけ数がいて派手なスタントをこなしているのは心強い。

言うのもヤボだが、細かいことは気にしないようにして見てもまあ乱暴な話。山場のお話の謎解きとアクションが回想とカットバックしながら描かれるのがどうも流れが悪い。どっちかひとつにまとめてくれと思った。
倉田保昭が出てくるところでいきなりほとんど主役みたいになるのがご愛敬。

香港時代のドメスティックで食用油の匂いがしそうな画面に比べて、全般につるつるピカピカになっている。出てくる女性たちが特にそう。

男たちの挽歌の英語題名 Better tomorrow がセリフの中に出てくるところがある。
おなじみの2丁拳銃、「ハードボイルド」ばりのバイク軍団、「狼」ばりの祭りとカットバックされるアクション、そしてもちろん白いハトと、ジョン・ウー印が随所に刻印されているけれども多すぎてほとんどセルフパロディみたいになっている。

主人公の名前がドゥ・チウというのだが、漢字で書くと杜丘で、これはオリジナルの「君よ憤怒の河を渉れ」の高倉健の役名の杜丘冬人の姓を姓名にして中国読みにしたものなのだね。

オリジナルでは主人公は検事で、国家権力の一部だった男が国家権力である警察に追われるというアイロニーがあったわけだけれど、弁護士と私企業の話になっている今回にそういうテイストはない。

ジョン・ウーの娘のアンジェルス・ウーが殺し屋役で出ているが、父親そっくりなのがちょっと可笑しい。
(☆☆☆★)

「マンハント」 公式ホームページ

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2月17日(土)のつぶやき その2

2018年02月18日 | Weblog

2月17日(土)のつぶやき その1

2018年02月18日 | Weblog

「悪女 AKUJO」

2018年02月17日 | 映画
オープニングの一人称のアクションシーンはすごく手が込んでいて、ただアクションを演じる人間が一人称なものだから姿が見えなくて意外とフラストレーションがたまるのでどうなるのかと思っていたらうまいタイミングで鏡を媒介にしてヒロインが姿を現す、このあたり体技の見事さ機材の発達が合体しても実に見応えがあって、「悪女」という漢字をフューチャーした(韓国映画とすると割と珍しいのではないか)タイトルが出るまではまでは快調。

ただこのオープニングの殺し場でヒロインはすでに殺し屋としてのずば抜けた技量は完成しているのがわかるので、その後また訓練する意味がよくわからない。

ここから夢か幻想かわからないシーンが入ってきたり回想が交錯したりするのだけれどもこれらがあまり整理されていなくてかなり見ていて混乱する。
本来「ニキータ」のバリエーションであるシンプルなストーリーだと思うんだけども不必要に分かりにくくなっていて、ラスボスに至るプロセスも妙にまわりくどい。

ラストのアクションでまた点数を回復するけれども、二時間越えは長いし、この人を殺す必要ないだろうという人間を殺すのが後味を悪くしている。
(☆☆☆★)

「悪女 AKUJO」 公式ホームページ

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2月16日(金)のつぶやき

2018年02月17日 | Weblog

「ロング,ロングバケーション」

2018年02月16日 | 映画
認知症が現れてきている夫ドナルド・サザーランドとやはり何か病気を抱えているらしい妻ヘレン・ミレンが子供たちに無断でヘミングウェイの生まれた家にキャンピングカー(Leisure Seekerという名前の車で、これが原題でもある)で向かう。
夫が元教師でヘミングウェイを講じていたからだが、見終わるとそれだけではないのがわかってくる。

ロードムービーの体裁でひたすら前進するのだが、その間に回想を一切使わず記念写真や子供たちとの電話のやりとり、そして認知症が現れた夫が昔のある場面をそのまま再現して妻を別人だと思ってやりとりする、などさまざまな技法を駆使してこの夫婦がどういう人生を長いこと共にしてきたかをわからせていくのが巧み。

主演二人はもう上手いのをわざわざ見せる必要がないくらい自然で、サザーランドの「赤い影」「カサノバ」やミレンの「エクスカリバー」「カリギュラ」などエロチックな作品の出演歴を生かしたシーンを設定していて役者そのもののキャリアが重なってくる。
(☆☆☆★★★)

「ロング,ロングバケーション」 公式ホームページ

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2月15日(木)のつぶやき その2

2018年02月16日 | Weblog