prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「不能犯」

2018年02月24日 | 映画
松坂桃李の演じる眼が赤く光ると自由に人の心をコントロールできるキャラクターっていうのはなんか漫画のキャラクターそのままで、生身の俳優でやるのはいささか無理がある。

目が光って人間が催眠術にかかったのかなんなのか完全にマインドコントロールされるというのはB級SFでやるような話で、最初から都市伝説的な存在であることが示されているし、神出鬼没ぶりからしてリアルな人間ではありえないのだけれど、自由すぎて怖いというよりご都合主義的に見える。

こういう言い方はいやらしいけれど、「CUREキュア」のマインドコントロールシーンは全部画面に出さないで想像に任せていたことに気がつく。

ただ背後にふっと彼が出没するシーンの映像のセンスはアートフィルムの技法がかったものを含めて光るものがある。
松坂と沢尻エリカが会う夜の道のシーンは工藤栄一ばり。

人を殺したいほど恨んでいてもいざ殺されると隠されていた事情がわかって後悔する、というパターンも、繰り返されるとちょっと安っぽく見える。それで「愚かだねえ、人間は」と決めセリフを言われてもピンとこない。
爆破シーンが合成丸出しでいささか安っぽい。

こっちがガチャ目なのか、主演の沢尻エリカと脇の矢田亜希子が妙に似ていて近い立場にある役のせいもあって混乱した。

らせん状に文字がせり上がってくるエンドタイトルのデザインが凝っていて秀逸。
(☆☆☆)

「不能犯」 公式ホームページ

「不能犯」 - 映画.com



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2月23日(金)のつぶやき

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