prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ザ・リング リバース」

2018年02月03日 | 映画
日本版の「リング」は貞子がアイドル化を含めてなんでもあり状態になったけれど、こちらは呪いのビデオを見たら七日目に死ぬ、それを防ぐにはコピーして別の人間に見せなくてはいけないという設定を復活させているので、割と律儀に先祖返りしたのかなと思ったらそれは前半までで、後半に入ってサマラ(貞子)の呪いの秘密を探る展開になるとそういうルールはほとんどどこかに行ってしまうし、アメリカ版「2」に出てきたサマラの母親エヴリン(演じるはシシー・スペイセクという凝ったキャスティング)との関係はどうなってたっけとすっかり忘れていたもので辻褄が合っているのかどうか気になって困った。

前半と後半分裂気味で、アキバ・ゴールドマンなんて一流クラスが三人のうち一人としてシナリオ担当にクレジットされているのだが、シナリオのリライト段階で齟齬が生じているのではないか。
死ぬ運命にある人間に出た痣が点字になっているというアイデアは一応おもしろいのだけれど、その点字がどういう意味なのか見ていて気になって仕方なくて普通謎解きの途中で知らせないものかな、と思った。

「ヘルハウス」ばりに呪いに科学的方法で立ち向かう学者なんて出てくる趣向はいいのだけれど、この学者も呪いのビデオを見ているはずでなんで死なないのだろうと思っているとやはり死ぬのだが(だけど七日以上経っているのではないか)、これが「ファイナル・デスティネーション」シリーズをしょぼくしたみたいな死に方でサマラの呪いなのかどうなのか判然としないし、見せ場としてもぱっとしない。
全般にホラー・シーンのパンチの利かせ方が弱い。

ヒロインが恋人が見た呪いのビデオのコピーを見たことで自分が犠牲になって恋人を救う立場に置かれるという設定もうまく生かせばドラマとして盛り上がるはずが尻切れトンボになってしまうし、とにかくよさげなアイデアや設定はあるのにうまく展開しない。
原題はrings。

考えてみると初めの頃はVHSでコピーして他人に渡すというのが人間の手を介した行為として映像として見せられたわけだけれど、コピーガードつきDVDを通り越してYouTubeも普及した現在では仮に呪いのビデオなんてあったらあっという間に世界中に広まっているだろうなと思わせる。
(☆☆★★★)

ザ・リング リバース 公式ホームページ

ザ・リング リバース - 映画.com



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2月2日(金)のつぶやき

2018年02月03日 | Weblog