prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「マージン・コール」

2013年05月05日 | 映画
証券会社の部下の首を切ったケヴィン・スペイシーがしきりと悩んでいると思ったら、人ではなくて飼い犬の具合が悪いのを気に病んでいたのでしたという出だしは非情にして可笑しい。
ウォール街(あるいはワシントン)で友だちが欲しければ犬を飼え、なんてコトバがあったが、それを地でいっている。

経済を画にするのはもともと難しいし、まして金融力学となると何を言っているのかわからないのは映像表現としてはツラいところ。サブプライムローンを先駆的に扱った点は偉いのだろうけれど、ウォール街に固定された視点で描かれているので本当にウォール街の貪欲な連中の犠牲になった人たちは画に出てこないのはもっとツラい。ウォール街を占拠せよ運動が始まったのが2011年9月17日で、この映画の封切が同じ年の1月25日と、やや残念なタイミングになっている。そのせいか、デミ・ムーアやジェレミー・アイアンズ、スタンリー・トゥッチといった豪華なキャスティングの割りにビデオリリースオンリー。
画面そのもの(撮影 フランク・デマルコ)のハードで都会的な感触は楽しめる。

IMDbで検索してみると、producerと名のつく人がなんと20人いる。メジャー製作ではなく自主制作だったらしい。

マージン・コール [DVD]
クリエーター情報なし
アメイジングD.C.


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